2020.01.27 UP
Labyrinth バラの迷宮 pickup76
『クー ドゥ クール』
■作出:京成バラ園
■花色:青みのあるグレー(春)・藤色(秋)の花の中央に赤紫色の「アイライン」
■花形:中輪・房咲き/宝珠弁咲き
■香質:ティーにグリーンの淡香
■樹形:高さ1.0mの木立性・横張り
■花期:四季咲き
先が尖った宝珠弁は、春は青みがかったグレー、夏はうっすらとしたピンク~白色、晩秋など低温期は藤色。黄色い花芯・しべの周りに、先を細く尖らせた赤紫の「アイライン」がときにはっきり、ときに微かに入る。中輪・房咲き。花弁数が少なめで半八重気味に咲く。花付きがとても良く花保ちも良い。四季咲きで春から晩秋まで咲き続ける。ティーにグリーンの淡香。小さめで先端が尖る葉が、花の印象を際立たせる。枝は細くふんわりと横に枝を広げる木立性で、株元から花を咲かせる。樹高1.0m。
京成バラ園芸育成品種の中から、木村卓功氏(バラの家)協力のもと選抜されたハイブリッド・ペルシカ。花の中央の「アイ」は通常のハイブリッド・ペルシカは丸いが、この品種は先が細く放射線状に出ることが特徴で、「アイライン」と表現。このアイラインと宝珠弁の組み合わせが新鮮。都会的でクールな印象だが、中央や外側の花弁を遊ばせるように咲くとき、妖艶な表情になることも。
花や樹姿はたおやかだが樹は丈夫。樹勢が強く、葉のうどんこ病、黒星病ともにとても強い。半年に1回の薬剤散布(殺菌剤)で、1年間美しい葉をキープする。耐暑・耐湿性もとても高い。初期生育がやや遅いので、植え付け初年度は蕾を取り続け、成株となったら剪定はFLに準じて。繊細な花色や咲き方を味わうため、また繰り返しよく咲き、株がコンパクトなので、庭の前面や鉢植えに。
京成バラ園ローズガーデン(千葉県八千代市)20周年記念花。2019年秋京成バラ園のネットで公募され、2020年新春フランス語で「一目惚れ」を意味する花名が選ばれ命名される。
赤紫色のアイラインが入る宝珠弁がやわらかに重なった花。房咲きになる
明るくかわいらしい黄色い花芯としべの周りに、赤紫色のアイラインを引く
秋花の地合いは藤色に
玉置一裕 Profile
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。
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