2021.09.27 UP
ご自宅にグリーンを取り入れるならアイビーがおすすめ!
育て方や増やし方は?
アイビーは常緑のつる性植物です。葉の形や斑の模様が豊富で、品種によって異なる姿を楽しめます。アイビーは栽培しやすく、初心者にもおすすめです。ご自宅にグリーンを増やしたいときは、ぜひアイビーを育ててみましょう。今回は、アイビーの主な種類や育て方、お手入れの方法などをご紹介します。
☘85:アイビーの育て方|たくさん増やしたい!植えつけや水やりや肥料の与え方、剪定方法もご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
さまざまなアレンジが楽しめるアイビーの魅力
アイビーはつる性で、葉の形や模様を楽しめる植物です。耐陰性があるため、室内で育てられる観葉植物としても親しまれています。つるの長さが10mを超えるのも珍しくないため、建物の壁やフェンスなどに這わせてアレンジする方も多いようです。
原産地
アイビーの原産地は北アフリカやヨーロッパ、アジアなどの乾燥した地域です。日本の湿潤な気候でも丈夫に育てられますが、真夏の猛暑では弱りやすくなるため気をつけましょう。
初心者向きの理由
アイビーが園芸初心者にぴったりといわれている理由のひとつは、育てやすさにあります。アイビーは丈夫で、幅広い環境に適応しやすい性質があります。たとえば、アイビーは日当たりが良い場所を好む一方で、日陰でも十分に育てられる耐陰性を持つのが特徴です。塀や木の陰になる場所に植えるのはもちろん、室内で観葉植物としても育てられます。
また、アイビーは常緑で、年間を通して緑の葉をつけてくれます。鉢を雑貨と組み合わせてアレンジを楽しんだり、カットして花瓶に生けたりと、さまざまな方法で観賞できます。花との相性も抜群です。つるの形を活かした寄せ植えやアレンジメントをつくることもできます。楽しみ方の幅が広く、育てすいことから、初めて植物のある暮らしをスタートする方も気軽に挑戦しやすいのが魅力です。
主な品種
アイビーは大変種類が豊富で、現在までに数百もの園芸品種が誕生しています。ここでは、主な品種をいくつかご紹介します。
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ヘデラ・ヘリックス
もっともポピュラーな品種がヘデラ・ヘリックスです。同じ園芸品種の中でも、葉の斑や色が多数存在します。「イングリッシュ・アイビー」とも呼ばれ、多くのアイビー愛好家から親しまれています。
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ヘデラ・ロンベア
別名「ジャパニーズ・アイビー」や「キヅタ」と呼ばれる、日本原産の品種です。日本以外にも、朝鮮半島南部や台湾などに自生しています。非常に大きく育つのが特徴です。
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ヘデラ・カナリエンシス
「オカメヅタ」や「カナリーキヅタ」とも呼ばれるアイビーです。耐寒性は少々弱いものの育てやすく、各所のグラウンドカバーとして栽培されています。斑入りのものや紅葉するものなどがあります。
花言葉
アイビーには、「永遠の愛」「不滅」などの花言葉があります。丈夫なアイビーの性質が、変わらない愛を連想させるようです。ほかにも、「結婚」や「友情」などの花言葉もあります。変わらない友情や愛情をはぐくんでいきたい相手にプレゼントしても良いかもしれません。
ハイドロカルチャー
ハイドロカルチャーとは、土を使わずに植物を育てる方法のことです。水だけを使うこともあれば、ハイドロボールと呼ばれる石を使うこともあります。アイビーはハイドロカルチャーでも育てやすい植物のひとつです。花瓶に挿しているだけでも、いつの間にか発根していることがあります。まずはハイドロカルチャーから栽培を始めてみて、慣れてきたら土へ植え替えるのも良いかもしれません。
ハイドロカルチャーで植物を育てる場合は、こまめな水替えや適量の施肥などが大切です。ハイドロカルチャー用の肥料を使い、植物に栄養を与えましょう。ハイドロカルチャーの管理には、薄めずそのまま与えることが出来る「キュート ハイドロ・水栽培用」がおすすです。
初心者にもおすすめ!アイビーの育て方
アイビーは育てやすく、園芸初心者の方にもおすすめです。ここでは、アイビーを屋外で育てる際の基本的な方法をご紹介します。
苗選び
アイビーは、苗から育てるのが一般的です。種はほとんど市販されておらず、すぐに入手するのは難しいかもしれません。苗であれば、園芸品店やホームセンターなどで気軽に購入できます。実際に見て、元気の良い苗を選んでみましょう。基本的には、間延びしておらず、葉がツヤツヤとして、ピンと張っているものがおすすめです。葉が少なすぎたり、虫食いがあったりするものは避けます。枯れて変色しているものや、葉がしなびているものも避けたほうが良いでしょう。
また、ポットの底から根がたくさん出ているものは根詰まりを起こしているかもしれません。購入したら、すぐに大きな鉢や花壇などへ植えつけしましょう。
土づくり
アイビーは水はけ・水もち・通気性の良い土を好みます。鉢植えの場合、自分で配合するなら赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものなどを用意しましょう。市販されている培養土を購入すると、より手軽に栽培をスタートできます。『ハイポネックス鉢・プランター用培養土』なら、適度な水はけや水もち、通気性が保たれた環境をつくってあげられます。元肥として緩効性肥料のマグァンプKが加えられているため、追加で元肥を加えずにそのまま植えつけましょう。
地植えの場合は、水はけの良い場所を探して植えつけます。排水性を高めたいときは、土に腐葉土を混ぜておきましょう。
植えつけ
アイビーは常緑で、寒い時期を除けばいつでも植えつけが行えます。最低気温が10℃を下回る時期は避け、植えつけを行いましょう。鉢植えの場合は、鉢底石を敷いて水はけを良くします。ポットから苗を取り出すときは根鉢を崩さないように注意しましょう。地植えにする際は、周囲にほかの植物がない場所を選ぶのがおすすめです。生育旺盛なアイビーは、つるや根を勢いよく伸ばし、ほかの植物へ巻き付いてしまうことがあるためです。適した生育環境を与えると、草丈が10mを超えることも珍しくありません。
日当たり
アイビーは耐陰性があり、日陰でも育てられます。ただし、本来は日光を好むため、できれば日当たりの良い場所へ植えつけしましょう。ずっと日陰に置いたままだと徒長して、茎が細長く伸びてしまうことがあります。日当たりの悪い場所へ植える際は、定期的に移動させて日光に当ててあげるのが大切です。日光に当てる際に注意したいのが葉焼けです。ツヤツヤとしたアイビーの葉は、西日や真夏の直射日光などに当てると葉焼けしてしまうことがあります。とくに、斑入り品種は注意が必要です。葉焼けした部分は枯れてしまうため、切り落としてしまいましょう。
また、室内のように日が当たりにくい場所で育てていたアイビーを日当たりの良いところへ移動させるなら、少しずつ位置を変えてあげます。急に日当たりの強さが変わると葉焼けの原因になるため気をつけましょう。
水やり
アイビーはそこまで多くの水を必要としません。水を必要以上に与えると、根腐れを起こしてしまうこともあるため注意します。鉢植えの場合、土の表面が乾いてから水をたくさん与えましょう。また、霧吹きで葉水をするのも効果的です。
地植えの場合は、基本的に水やりは不要です。しかし、何日も雨が降らず地面が乾いたときのみ水やりします。また、気温が下がる冬はいつもより乾き気味にします。土の表面が乾いて数日たってから水を与えましょう。
肥料
アイビーは元々生育旺盛なため、さほど肥料を必要としません。鉢植えの場合は植えつけ時に元肥として緩効性肥料「マグァンプK中粒」土に混ぜ込みましょう。その後は、生育期にあたる4月~10月にかけて、少しずつ追肥する程度で十分です。液体肥料「ハイポネックス原液」を与えます。また固形肥料で管理する場合は2か月に1回『プロミック 観葉植物用』を与えます。
大きくしたくない場合は、施肥を少し控えめにします。冬になると生育が停滞するため、肥料を与えないように気をつけましょう。
アイビーを長持ちさせるためのお手入れポイント
アイビーは放っておくと、つるや根が伸び放題になってしまいます。こまめにお手入れをしてあげましょう。ここでは、アイビーのお手入れ方法や増やし方をご紹介します。
植え替え
鉢植えのアイビーは、1年~2年に1回の頻度で植え替えます。鉢底から根が出てきたら、一回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。そのままにしておくと根詰まりを起こし、枯れてしまうことがあります。植え替えの適期は、植えつけと同じく4月~10月にかけてです。一回り大きい鉢と新しい用土を準備して植え替えましょう。黒くなり傷んでいる根を見つけたらカットしてかまいません。新しい鉢に土を3分の1程度入れたら、アイビーの苗を置き、残りの土を入れていきます。植えこむ用土と根鉢の間に、すき間ができないように注意しましょう。割りばしのような細い棒でつついてあげると、すき間を埋められます。
また、植え替え後の1週間は半日陰で丁寧に管理しましょう。いきなり強い日光の当たる場所に置いてしまうと、株が弱りやすくなってしまいます。
剪定
アイビーの剪定は、生育期にあたる春~秋に行います。つるや葉が茂ってきたと思ったら、伸びすぎた部分を切りましょう。思い切って多めに剪定しても、すぐに新しい枝が生えてくるはずです。また、枯れた部分を見つけたら、その都度カットしてあげましょう。気をつけたいのが、木質化した部分の剪定です。木質化した枝を切っても、新しい芽が生えることはほとんどありません。緑色の部分を中心にカットしましょう。アイビーの木質化した枝が太くなっていた場合は、園芸用ハサミで剪定するのは難しいかもしれません。その場合は、のこぎりなどを使って切り落としましょう。
病害虫対策
アイビーに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニ、カイガラムシなどです。どれもアイビーを枯らせる原因になり得るため、できる限りの対策を行いましょう。アイビーについているのを見つけたら、すぐに駆除します。専用薬剤で防除することもおすすめです。
また、アイビーはすす病や灰色かび病、炭疽病などの被害を受けることがあります。すす病はアブラムシによって起こるため、アブラムシ予防を同時に行うことが大切です。炭疽病や灰色かび病は、湿気が高く蒸れやすい状況で起こりやすくなります。アイビーはたくさん葉を茂らせるため、風通しが悪くなりやすいのが難点です。込み合ってきたら剪定して、株全体にしっかりと風が当たるようにしましょう。
アイビーが枯れてしまった? 原因や対処方法とは
アイビーは丈夫で、放っておくとぐんぐん大きくなる植物です。ただ、状況次第で枯れてしまうことがあります。アイビーを長く育てていけるよう、原因や対象方法を把握しておきましょう。
日当たり
アイビーは耐陰性があるものの、生育には日光が欠かせません。日光不足になると、枯れてしまう可能性があります。とくに株がよく育つ春や秋は、十分に日の当たる場所へ置いてあげましょう。
気温
アイビーは耐暑性・耐寒性ともに強い植物です。ただ、極端な高温や低温に当てると、株が耐えられずに枯れてしまうことがあります。真夏や真冬は、アイビーに無理をさせないようにお世話することが大切です。水やりや施肥は、控えめに行いましょう。鉢植えの場合は、室内へ移動させて管理するのもひとつの方法です。
水やり
植物への適切な水やりは、意外と難しいものです。適量を与えていたつもりでも、過湿や乾燥で枯れてしまうことがあります。アイビーの場合も、水のあげすぎ、もしくは乾かしすぎで枯れてしまうケースがあるため気をつけましょう。水を与えすぎている場合は、葉が傷んで茶色くなったり、黒ずんだりしてしまうことがあります。枯れた部分はカットし、乾かし気味に管理していきましょう。根腐れしている場合は、鉢から根を抜いて、傷んだ部分を切り落とすのも大切です。
水が足りない場合は、葉に元気がなく、しなびてきます。たくさん水をあげて、しばらく様子を見てみましょう。
植え替え
鉢植えのアイビーは、定期的に植え替えすることで根詰まりを防ぎます。ただ、植え替え時に根が傷ついてしまうと、枯れる原因になることがあります。植え替え作業は慎重に、根を傷めてしまわないよう注意しましょう。
アイビーを増やしてみよう
アイビーは挿し木で手軽に増やせます。剪定のついでに挿し穂をつくり、挿し木にチャレンジしてみましょう。最後に、アイビーの増やし方についてご紹介します。
アイビーの挿し木の適期
挿し木におすすめの時期は3月~5月や9月~10月です。真夏と真冬は生育が停滞するため避けましょう。
アイビーの挿し木で準備するもの
挿し木の際は、茎をカットするための刃物や挿し木用土、挿し床として使う容器などを準備します。道具や用土は清潔なものを使いましょう。苗が病気にかかり、腐ったりカビが生えたりするのを防ぐためです。
アイビーの挿し木の手順
挿し穂には、元気の良い枝を選びましょう。10cm~15cmの長さになるように調節し、切り口は斜めにカットします。ひとつの挿し穂につき、葉は3枚~4枚だけ残しましょう。大きな葉があれば、半分のサイズに切り取ります。その後、清潔な土を入れた容器を用意し、挿し穂を植えつけます。たっぷりと水を与えたら半日陰に置いて、土を乾かさないように管理しましょう。
また、アイビーは水に挿しておくだけでも発根することがあります。土を使わない方法を試してみたいときは、水に挿し穂の先端をつけたまま管理してみましょう。水が汚れないよう、こまめに取り替えてあげるのが大切です。少なくとも1日に1回は水を新しいものに入れ替えましょう。日光に当てると水が汚れやすくなるため、半日陰に置いておくことがおすすめです。ただ、水挿しによる発根は、土を使うより時間がかかる点に留意しましょう。発根し、芽が順調に伸びてきたら、鉢や花壇などに植えつけて育てていけます。お好きな場所で、アイビーをお手入れしながら鑑賞しましょう。
おわりに
アイビーは品種が豊富で、好みの姿のものを見つけやすいのが魅力です。丈夫で幅広い環境に適応するため、園芸初心者にもおすすめできます。アレンジメントに使いやすく、育てやすい点もメリット。ご自宅の壁やフェンス、アーチなど、さまざまなところへ這わせても可愛いでしょう。ぜひアイビーを栽培し、ご自宅に爽やかなグリーンを取り入れましょう。
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公開: 2020年3月2日
更新: 2021年9月27日
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