2020.02.25 UP
Labyrinth バラの迷宮 pickup79 『リラ』
■作出:ロサ オリエンティス(バラの家)
■花色:藤色
■花径:中輪 ■花形:カップ咲き/四季咲き
■香質:ダマスク+ティ+グリーンの中香
■樹形:高さ0.9mの木立性
藤色の中輪カップ咲き。房咲き。夏花はやや赤みが強いロゼット咲き、初冬の花は深いカップ咲きとなり、細くしなやかな枝先にややうつむき加減に咲き続ける。樹は高さ0.9mとコンパクトで、株元から花を咲かせる。ダマスク+ティ+グリーンの中香。一般に病気に弱いとされる藤色の品種だが、この品種はうどんこ病に強く、黒星病にはとても強いなどの耐病性の高さを実現。月に一回の殺菌剤散布できれいに葉を保つ。初期成育はゆっくりなので、苗のうちは蕾をソフトピンチし、株の充実を図る。2020年春発表の最新品種。(写真:バラの家)
世界中で日本人が特に好む藤色と株姿のやわらかさに加え、従来「性質が大人しい」「葉が病気に弱い」品種が多い藤色系で、耐病性の高さを実現。その意味で、ヨーロッパの古い民話『眠れる森の美女』に登場する妖精リラに捧げて、「絶望を希望に変える」と花名が命名される。『眠れる森の美女』はヨーロッパの古い民話で、それを基にしたグリム童話やディズニー映画は少し違った登場人物で構成される。シャルル・ペロー原作のバレエ(チャイコフスキー作曲)では、主人公のオーロラ姫が「16歳になったら死ぬ」という呪いを魔法使いにかけられるが、リラの妖精が「死」を「眠り」に変える。
玉置一裕 Profile
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。
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