2020.03.13 UP
【ルピナスの育て方】
天をつくように伸びるルピナスの花。1シーズンで長く楽しむ方法は?
「昇り藤」の異名も持つ、マメ科のルピナス。天に向かって伸びていく見事な花の姿が魅力です。ルピナスはしっかりと管理すれば1シーズンに2回以上開花させられます。適切なお手入れを行い、ルピナスの花を長く楽しみましょう。
目次
暑さに気をつけてルピナスを育てよう
土づくり
種まき
植えつけ
肥料
水やり
ルピナスの花を長く咲かせるため
切り戻し
アブラムシ対策
種の採取
ひと株でもボリューム満点のルピナス
ルピナスは、穂状の見事な花をつける植物です。天に向かってまっすぐに伸びていく姿から、「昇り藤」と呼ばれることもあります。花の色はピンクや白、赤、オレンジ、紫、黄、複色など多岐にわたります。花の時期は4月~6月で、春から初夏にかけて花壇をにぎやかに彩る存在として親しまれてきました。原産地は主に南北アメリカで、南アフリカや地中海沿岸地域にも自生しています。世界各地に200種類以上が分布しており、昔は食料や肥料などとしても使われていました。
冷涼な土地では多年草として扱われますが、暖地では夏越しできず、一年草として栽培されるのが基本です。草丈は小さいものなら20cm、大きいものになると150cmほどになることがあります。一部の品種は低木にもなります。
名前の由来
ルピナスという名前は、ラテン語でオオカミの意味を持つ「ルプス」からつけられたとする説があります。栄養の少ない土でも育つルピナスの丈夫さと、オオカミの貪欲さを重ね合わせてこの名がついたとされています。ほかにも、ルピナスの名前は悲しみを意味するギリシア語の「ルーペ」に由来するという説もあります。食用とされてきたルピナスですが、種はとても苦く、食べた人が悲しい顔をするためこの名前になったとされます。また、日本ではルピナスの葉がうちわのように見えることから、「葉団扇豆(ハウチワマメ)」という名でも呼ばれています。手のひらを広げたように見事な葉は、天狗が持つ団扇を思い起こさせます。
主な品種
ラッセルルピナス
日本でもっともよく見られる品種が「ラッセルルピナス」です。育てやすい園芸品種ですが耐暑性は弱いため、一年草として栽培するケースが多くなります。
キバナルピナス
名前の通り、黄色い花を咲かせるルピナスです。原産は南ヨーロッパで、甘い香りを放ちます。
カサバルピナス
傘を広げたような形の葉をつけることからその名がついたルピナスです。60cm~80cmまで伸びるため、大きめのルピナスを育てたいときに向いています。ほかにもルピナスにはたくさんの品種があります。ぜひお気に入りのものを見つけ、ご自宅で栽培してみましょう。
暑さに気をつけてルピナスを育てよう
ルピナスは日本の高温多湿の夏に弱く、ほとんどは一年草として扱われます。気候が穏やかなうちにできるだけ株を大きくし、春から初夏にかけての開花を楽しみましょう。ここからは、ルピナスの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
ルピナスは水はけと通気性の良い土を好みます。鉢植えの場合、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合、土の酸性度合いが強ければ植えつける前に苦土石灰を混ぜておきます。水はけを良くするために腐葉土も加えておきましょう。また、鉢植えも地植えも、元肥として緩効性肥料の「マグァンプK中粒」を混ぜ込んでおきましょう。(ハイポネックス培養土 鉢・プランター用を使用している場合は必要ありません)
種まき
ルピナスの種は非常に硬いのが特徴です。そのまま種まきしても発芽しないことがあるため、一晩だけ水につける「吸水処理」を行いましょう。一年草として育てる場合は9月~10月に、寒冷地で多年草として育てる場合は6月ごろに種まきを行います。多年草タイプを秋にまくと、開花は翌々年の春になることがあるため注意しましょう。初夏に種まきしておけば、翌年の春には花を咲かせてくれます。ただし、夏場の管理は十分に気をつけ、涼しい場所で育てましょう。ルピナスは嫌光性種子で、光が当たると発芽が阻害されてしまいます。光が当たらないよう、種の2倍~3倍の深さまで土を掘り、深く埋めましょう。水をたっぷり与えながら管理すると、数日で発芽します。
植えつけ
発芽後、本葉の数が4枚以上になったら植えつけを行います。鉢や花壇など、好きな場所へ植えましょう。ルピナスは移植を嫌うため、できるだけ植え替えずにすむ場所を選ぶのが大切です。
肥料
ルピナスは栄養の少ない土でも育つ植物です。肥料をあげすぎると株が弱ってしまうため、適切に施肥を行いましょう。地植えの場合、元肥をあげたら特に追肥をしなくてもかまいません。ただし、株を大きく育てたい場合は4月~5月の生育期に「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」を、鉢植えの場合は、2週間に1回程度の頻度で液体肥料の「ハイポネックス原液」を追肥しましょう。
水やり
ルピナスは過湿を嫌うため、乾かし気味に管理します。地植えの場合はほとんど降雨に任せてかまいません。鉢植えの場合は土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。冬場は水やりの頻度を抑えましょう。
ルピナスの花を長く咲かせるため
ルピナスを育てれば、1シーズンに2回以上の開花を楽しむことも可能です。できるだけ長く花を楽しめるよう、丁寧にお手入れしましょう。ここでは、ルピナスのお手入れ方法や増やし方をご紹介します。
切り戻し
ルピナスを1シーズンで2回咲かせるためには、切り戻しが欠かせません。花がすべて咲き終わったら、花茎のつけ根から切りましょう。そうすることで脇芽が伸びて、2回目の花が咲くことがあります。花は1回目よりも小さめになりますが、美しさは変わりません。終わりかけた花をいつまでも残しておくと2回目の開花は楽しめないため、思い切って切り落としてしまうのが大切です。
アブラムシ対策
春以降、気温が上がってくるとアブラムシが発生することがあります。見つけ次第すぐに駆除しなければ、ルピナスが枯れる原因になってしまうため気をつけましょう。アブラムシを見つけたら「ヒットゴール液剤AL」で駆除しましょう。また、肥料と殺虫剤がひとつになった「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」もおすすめです。アブラムシが発生しないよう、薬剤を使って予防するのもよいでしょう。
種の採取
マメ科のルピナスは、花が咲き終わったら、さやをつくります。さやが茶色くなり、カサカサに乾いてきたら種を収穫できます。茎ごと切り取ってさやから種を出し、風通しの良い日陰で乾燥させましょう。その後、乾燥剤とともに密封できる容器へ入れて保管します。そして、次の種まき時期が来たら再び種をまいて、育てていきましょう。
おわりに
ルピナスは草丈が大きく、ひとつ植えるだけでも見事な花の姿を楽しめます。気温が高い時期の管理には注意し、乾かし気味に栽培するのが大切です。ぜひ1シーズンに2回の開花にもチャレンジして、ルピナスの季節を満喫しましょう。
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