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【ジンチョウゲの育て方】
芳醇な香りで春を告げるジンチョウゲ。ご自宅で丁寧に育てよう

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三大香木のひとつであるジンチョウゲは芳醇な香りと華やかな花の姿が魅力です。お手入れの手間が少なく、初心者の方が育てるのにも向いています。ぜひご自宅でジンチョウゲを栽培し、春を告げる甘い香りを堪能しましょう。今回はジンチョウゲの基本的な育て方や剪定方法、挿し木に関する知識などをご紹介します。

 

目次

香りが良く華やかなジンチョウゲの花
 三大香木のひとつであるジンチョウゲ
 名前の由来も香りから

ジンチョウゲをご自宅で育ててみよう
 苗選び
 土づくり
 植えつけ
 水やり
 肥料

ジンチョウゲのお手入れ方法や増やし方は?
 剪定
 アブラムシ対策
 挿し木

 

香りが良く華やかなジンチョウゲの花

ジンチョウゲは、小さな肉厚の花をたくさん咲かせる低木です。花が咲く時期には、枝先に鞠がついているような、華やかな姿を堪能できます。

開花時期は2月から4月にかけてです。春が近づくにつれて花開き、甘い香りを漂わせます。花の色は白やピンク、黄色などがあります。とくに有名なのが、白と赤紫が混じった花の色です。中心部分は白で、外にいくほど赤紫になり、美しいグラデーションを楽しめます。

樹高は1mほどで、コンパクトに育てられます。原産地は中国やヒマラヤで、日本には古くから伝わってきたとされています。

 

 

三大香木のひとつであるジンチョウゲ

ジンチョウゲの芳香は大変強く、遠くからでも香りを感じられることがあります。甘く華やかな香りは人々の心をとらえ、クチナシやキンモクセイとあわせて「三大香木」としても愛されてきました。

→キンモクセイの記事はこちら

 

名前の由来も香りから

ジンチョウゲは漢字で「沈丁花」と書きます。香木の「沈香」に香りが似ており、香辛料の「丁子」に似た花を咲かせることから、一字ずつ取って「沈丁花」となったそうです。

ジンチョウゲをご自宅で育ててみよう

ジンチョウゲは半日陰でも育てることができます。花が落ちにくいため、生け垣にもおすすめの植物です。鉢に植えつけしてベランダや狭いお庭で育てることも可能です。ぜひご自宅でジンチョウゲを栽培してみましょう。

 

 

苗選び

一般的に、ジンチョウゲは苗から育てます。元気の良い苗を選んで購入しましょう。

販売されているジンチョウゲの苗には、小さなポット苗もあれば大きな根巻き苗もあります。お好きなほうを選んで良いですが、小さな苗木から育てるほうが根付きやすいためおすすめです。

苗木はひょろひょろと徒長しておらず、がっしりとして枝葉の数が多いものを選びましょう。葉の色が薄いものや変色しているものはなるべく避けます。キズや虫食いのあとがないかも確認しましょう。

 

土づくり

ジンチョウゲは水はけと水もちの両方に優れた土を好みます。鉢植えの場合は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。

地植えの場合は掘り返して腐葉土や堆肥を混ぜて耕します。水はけを良くするために、川砂やパーライトなども混ぜておきましょう。あらかじめ元肥として緩効性肥料のマグァンプK大を施しておくとよいでしょう。

 

植えつけ

植えつけは3月~4月、9月~10月が適期です。ジンチョウゲの根は大変繊細で、傷つくと枯れてしまいます。植えつけは根にダメージを与えないよう慎重に進めましょう。根鉢は崩さず、優しく土へ植えるのが大切です。

また、ジンチョウゲは移植を嫌います。植え替えせずに済むよう、地植えする場所は植えつける場所をよく選んで決めましょう。

 

水やり

ジンチョウゲは根があまり伸びず、乾燥に弱いという特徴があります。鉢植えは特に乾燥させすぎないよう、水やりを行わなければいけません。土の表面が乾いていたら、たっぷりと水をあげましょう。とくに新芽がつきはじめる春や乾燥しやすい夏の時期は、たくさんの水を必要とします。

地植えの場合は、降雨に任せれば問題ありません。ただし、こちらも春と夏はこまめに様子を確認し、乾燥しているようであれば水やりを行いましょう。

 

肥料

ジンチョウゲは春・秋・冬に肥料を与えます。春の施肥は、花が咲き終わったタイミングで行いましょう。「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」で、新芽が育つためのエネルギーを与えてあげます。

秋の施肥は9月ごろです。株が充実しはじめるのに合わせて「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」を与えます。

冬の施肥は1月~2月に行うのが目安です。寒い時期には土壌改良を兼ねて寒肥として100%有機質肥料「バラ専用肥料」をあげておくと、春になってからの生長が良くなります。

 

ジンチョウゲのお手入れ方法や増やし方は?

ジンチョウゲの木は20年~30年ほど育てられるといわれています。長く育てていくためには、適切なお手入れをするのが大切です。また、もしものときに備えて挿し木を行い、株を増やしておくのもおすすめです。ここでは、ジンチョウゲのお手入れや増やし方などの知識をご紹介します。

 

剪定

ジンチョウゲは放っておいても自然と樹形が整うため、強剪定は行いません。ほかの枝の生長を妨げているものや茂りすぎている部分などを軽く切り落とします。剪定は花が終わり、次の花芽がつくまでの4月~5月に急いで行いましょう。太い枝を切りすぎてしまうと株が弱り、枯れてしまうこともあるため注意が必要です。

 

アブラムシ対策

アブラムシは気温が高くなると発生することがあります。見つけたらすぐに「ヒットゴール液剤AL」や、肥料と殺虫剤がひとつになった「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」で取り除くのが大切です。放置しておくとさまざまな病気の原因になり、ジンチョウゲが枯れてしまうこともあります。アブラムシを防除する専用薬剤もあるため、発生する前に予防として散布しておくのもおすすめです。

 

挿し木

ジンチョウゲは雄株と雌株が存在する雌雄異株の植物です。日本にあるジンチョウゲのほとんどは雄株であるといわれており、雌株はなかなか見かけることがありません。そのため、庭木として植えられているジンチョウゲの多くは結実せず、種で増やすこともできません。

ジンチョウゲを増やしたいときは、挿し木を行いましょう。適期は花後の4月か7月~8月です。

4月に挿し木をする場合、挿し穂には前年に伸びてきた枝を利用します。7月~8月ならその年に伸びた枝でかまいません。長さは10cm~15cmほどで、切り口は斜めにしましょう。

挿し穂は水に2時間以上つけて給水させます。終わったら挿し木用の清潔な土へ挿しましょう。土は乾燥させないよう、つねに湿らせて管理します。1カ月ほどで発根しますが、根がしっかりと生えて安定するまで2カ月~3カ月ほど待ちます。その後はポットに移して育て、翌年の植えつけ適期になったら鉢や地面へ植えつけしましょう。

おわりに

低木のジンチョウゲは、丁寧に管理すればじっくりと育てていけます。剪定もさほど必要としないため、お手入れも手軽です。香りの良い花が好きな方は、ぜひお庭に植えて育て、春の訪れを感じましょう。

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