2020.04.06 UP
【イベリスの育て方】
香りも姿も砂糖菓子のように愛らしい! イベリスの花を育てよう
ひとつの株に小さな花をたくさんつけるイベリス。香りも花の姿も、砂糖菓子のように甘く愛らしいのが魅力です。品種によって一年草と多年草があるため、お好きなほうを選んで育てていきましょう。
目次
日の当たるほうへ伸びるイベリスの花
名前の由来
一年草と多年草の違い
品種ごとに合った方法で栽培しよう
土づくり
種まき
植えつけ
肥料
水やり
イベリスを長持ちさせるためには
花がら摘み・切り戻し
夏越し
冬越し
種の採取
挿し芽
日の当たるほうへ伸びるイベリスの花
イベリスは小さくて愛らしい花をたくさんつける、アブラナ科の植物です。葉も茎も細く繊細で、可憐な魅力を持っています。開花は4月~6月ですが、品種によっては秋に花をつけるものもあります。
花弁は4枚ですが、内側よりも外側の2枚が大きくなります。色は白や紫、赤、ピンクなどです。
イベリスの原産地は南ヨーロッパや北アフリカ、西アジアなどです。とくにスペインのあるイベリア半島で自生している姿を多く見られます。
名前の由来
イベリアの名前は、原産地であるイベリア半島に由来しています。また、和名である「マガリバナ」は、中国名の「屈曲花」からついたそうです。これは、イベリスが太陽に向かって伸びる性質があり、日の当たるほうへ茎が曲がってしまうことから名付けられたといわれています。
ほかにもイベリスには「Candytuft(キャンディタフト)」という可愛らしい英名があります。愛らしい花の姿が、砂糖菓子が集まったように見えることから名付けられました。香りも砂糖菓子のように甘いため、ぴったりの名前といえます。
一年草と多年草の違い
イベリスには一年草の品種と多年草の品種があります。一年草は夏越しできず、暑くなると枯れてしまいます。
代表的な一年草は「アマラ種」や「ウンベラータ種」、「オドラータ種」などです。アマラ種は園芸品種が多く流通しています。ウンベラータ種は花色が豊富で、アマラ種よりも大きく育つものが多く見られます。オドラータ種は草丈が低く小型ですが、強い香りを放つのが特徴です。そのため、日本では「ニオイナズナ」とも呼ばれています。
多年草としてよく見られるのは「宿根イベリス」とも呼ばれる「センペルビレンス種」です。草丈は低いものの横にどんどん伸びていき、低木のようになります。白い花をつけるものが多く、日本では「トキワナズナ」とも呼ばれます。
一年草も多年草も、それぞれ育てやすい園芸品種が登場しています。お好みに合わせて選び、ぜひご自宅で栽培してみましょう。
品種ごとに合った方法で栽培しよう
イベリスは、一年草を育てる場合と多年草を育てる場合では、栽培方法が少しずつ異なります。品種に合った方法で、丁寧に育てていきましょう。ここでは、イベリスの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
イベリスは水はけの良い土を好みます。とくに多年草のイベリスを育てる場合は、うまく夏越しするためにも排水性の高い土をつくりましょう。
鉢植えの場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものがおすすめです。より水はけを良くするためにパーライトを少量混ぜてもかまいません。市販の草花用土でも大丈夫ですが、鹿沼土や軽石を混ぜておくと、より排水性が高まります。
おすすめは元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用です。多年草の品種を育てる場合は、草花用土よりも山野草土のほうが水はけが良いため、おすすめです。
一方、地植えの場合は土に腐葉土や苦土石灰を混ぜておきましょう。また、鉢植えでも地植えでも元肥として緩効性肥料のマグァンプK中粒を混ぜ込んでおきましょう。
種まき
一年草タイプは9月~10月の秋に、多年草タイプは3月~4月の春に種をまきます。イベリスは移植を嫌うため、鉢や花壇に直接ばらまきしてもかまいません。本葉が2枚~3枚になるまで育てたら、元気なものを残して間引きましょう。
植えつけ
イベリスはポット苗を入手して植えつけするのも手軽でおすすめです。3月~4月、もしくは10月~11月に苗を購入し、植えつけしましょう。植えつけの際は根鉢を崩さないよう注意します。できるだけ移動させずに済むよう、植える場所はよく考えて決めておくのが大切です。
肥料
イベリスは肥料を与えすぎると徒長し、ひょろひょろと伸びてしまいます。花つきも悪くなってしまうため、適量を施肥するよう気をつけましょう。一年草のイベリスには、本葉が出始めたころから10日に1回の頻度で液体肥料のハイポネックス原液をあげましょう。多年草のイベリスには春と秋に肥料効果が約3~4か月持続するコーティング肥料「Plantia」花と野菜と果実の肥料を与えます。
水やり
イベリスは過湿を嫌うため、乾燥気味に育てます。水やりは土の表面が乾いたときに行いましょう。地植えの場合は、極端に乾燥しない限り水をあげなくてもかまいません。
イベリスを長持ちさせるためには
イベリスは丈夫な植物ですが、適切にお手入れすることでより長く開花を楽しめます。ここからは、イベリスを長持ちさせるための管理方法や増やし方などをご紹介します。
花がら摘み・切り戻し
イベリスはひとつの株に多数の花をつけます。花を長く楽しみたいときはこまめに花がら摘みをしましょう。また、多年草のイベリスは、定期的に切り戻しを行い、株の風通しを良くしてあげるのが大切です。そのままにしておくと根本が蒸れてしまい、枯れる原因になってしまいます。花が終わったら、夏までの間に刈り込んでおきましょう。
夏越し
多年草のイベリスは、夏場の高温多湿対策が重要です。イベリスの花が咲き終わり、梅雨が近づいてきたら徐々に水やりの回数を減らしましょう。湿度の上がる梅雨は、株が蒸れて枯れやすくなります。また、夏の西日が当たる場所に植えないことも大切です。
冬越し
イベリスは耐寒性に優れた植物ですが、霜に当たると枯れてしまうことがあります。鉢植えの場合は軒下などに移動させ、地植えの場合はマルチングで霜よけしましょう。
種の採取
イベリスは花後に種をつくります。種を採取しておくことで、次の種まきシーズンにイベリスを増やすことができます。イベリスの種は、平らなさやの中にできます。茶色く乾燥するまで放置しておき、時期がきたら花茎ごと切り取って採取しましょう。さやから種を出したら風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させます。その後、乾燥剤と一緒に種まきの時期まで保管しておきましょう。
挿し芽
多年草のセンペルビレンス種は、挿し芽で増やすことができます。切り戻しの際にカットした枝を挿し穂にすると手軽です。挿し穂の大きさは5cm~10cmです。切り口を30分以上かけて吸水させたら、挿し芽用の清潔な土へ挿しましょう。土はよく湿らせ、半日陰で1カ月ほど管理すれば発根するはずです。その後は好きな場所へ植えつけして育てていきましょう。
おわりに
イベリスは大きく育つため、ボリューム感たっぷりの花壇をつくれます。多年草のイベリスは地上部が枯れてしまうことがありますが、根だけでも夏越し・冬越しは可能です。ぜひ大切に育てて、春のお庭を彩るイベリスを楽しみましょう。
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