2020.04.03 UP
【ワスレナグサの育て方】
ワスレナグサを栽培して、野趣のあふれる涼やかな花を堪能しよう
繊細ながら野趣にあふれる魅力を持つワスレナグサ。高原で自生する植物のため、寒い地域でも気軽に育てられます。ワスレナグサをお庭へ植えて、涼やかな姿を楽しみましょう。
目次
涼しげな花の姿が魅力のワスレナグサ
名前の由来
ワスレナグサの基本的な育て方
土づくり
種まき
育苗
植えつけ
肥料
水やり
ルピナスの花を長く咲かせるため
アブラムシ対策
夏越し
花がら摘み
種の採取
涼しげな花の姿が魅力のワスレナグサ
か細い茎の先端に、直径1cmにも満たない小さな花をたくさんつけるワスレナグサ。花の色は白やピンクなどもありますが、やはり青みを帯びたカラーが代表的です。涼しげなその姿は、夏の涼しい湿原の風景を思わせます。開花時期は3月~6月で、高原の春を彩る花としても親しまれています。
草丈は10cm~50cmで、茎や葉には細かい毛が生えている品種が多く見られます。世界各地の温帯が原産で、日本に自生しているものもいくつか存在します。本来は多年草ですが耐暑性が弱く、涼しい土地でなければ夏越しすることができません。そのため、日本では一年草として栽培されることも多くなります。
名前の由来
ワスレナグサの英名は“forget me not”で、「私を忘れないで」という意味があります。こちらを直訳し、日本では「勿忘草(ワスレナグサ)」と呼ばれるようになりました。また、ワスレナグサには「ミオソティス(myosotis)」という属名があります。葉の形がハツカネズミの耳に似ていることから、ギリシャ語のハツカネズミ(myos)と耳(otis)を組み合わせてこの名がついたとされています。
ワスレナグサの基本的な育て方
ワスレナグサの花は一つひとつが小さいものの、たくさん植えると爽やかな花畑をつくりだせます。ぜひお庭で育ててみましょう。こちらでは、ワスレナグサの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
ワスレナグサは排水性と水もちがともに優れ、通気性の良い土を好みます。元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合、水はけが心配な場合は腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。
種まき
ワスレナグサは種からでも手軽に育てられます。種まきの適期は9月~10月です。寒冷地の場合は冬越しが難しいため、春にまくのがおすすめです。ワスレナグサの種は発芽しにくいため、半日程度吸水させてからまきます。育苗ポットにまいても良いですが、鉢や花壇に直接まいても十分に育ちます。ワスレナグサの種は嫌光性種子のため、光が当たると発芽しにくくなります。種まきの際は、土をしっかりとかぶせてあげましょう。覆土の目安は種の大きさの2倍~3倍です。
育苗
秋に種をまき、野外で育苗していく場合は、冬場の霜に注意しましょう。霜柱が立つと苗が持ち上げられ、地面から抜けてしまうことがあります。覆いやマルチングで霜よけをするのがおすすめです。また、秋のうちに植えつけを済ませたい場合はなるべくはやめに種まきして株を大きく育て、冬を乗り越えられるように準備しましょう。
植えつけ
本葉が3枚ほどついたら植えつけを行えます。ただし、冬の間は避けましょう。適期は3月と10月です。苗を購入したときも、寒いうちは植えつけを控えましょう。複数の株を植えつけする場合は、株間を20cm~30cmあけます。ワスレナグサは横に広がりやすいため、間隔を広めにとっておくのが大切です。また、ワスレナグサは根が傷つくと株が弱り、根付かなくなってしまいます。植えつけ時は慎重に苗を取り出し、根鉢を崩さないようにしましょう。
水やり
ワスレナグサは湿地に自生する植物で、乾燥には弱い性質を持ちます。水切れを起こさないよう、水をたくさんあげるのが大切です。こまめに土の様子を確認し、完全に乾いてしまう前に水やりしましょう。地植えの場合は降雨に任せて良いですが、乾燥した日が続いたら水をあげるようにします。
肥料
ワスレナグサは肥料をあげすぎると花つきが悪くなってしまいます。株の様子を見ながら、少なめに量を調整しましょう。
まずは植えつけの前に、元肥として肥料やけの心配が少ない肥料マグァンプK中粒を混ぜ込んでおきましょう。
(ハイポネックス培養土 鉢・プランター用を使用している場合は必要ありません)生育期になったら7~10日に1回の頻度で液体肥料ハイポネックス原液を追肥します。
暑さに気をつけて大切に管理しよう
ワスレナグサは丈夫でお手入れもさほど必要としませんが、夏越しやアブラムシ対策などはしっかりと行いましょう。ここからは、ワスレナグサのお手入れ方法や増やし方などをご紹介します。
アブラムシ対策
春になると発生することがあるアブラムシ。放置しているとどんどん増えて、株が枯れる原因となってしまいます。見つけたらすぐに駆除しましょう。直接取り除くか、ヒットゴール液剤ALを噴霧するのがおすすめです。肥料と殺虫剤がひとつになったハイポネックス原液 殺虫剤入りも使用するとよいでしょう。
また、アブラムシの発生を予防できる薬剤を使っておくのも効果的です。そもそもアブラムシが出てこないように対策しておきましょう。
夏越し
ワスレナグサは、冷涼な土地であれば夏越しさせられます。長く育てていきたいときは、夏場の管理に気をつけましょう。強い日光が当たる場所に地植えしていた場合は、掘り上げて鉢に移します。風通しの良い涼しいところで管理しましょう。また、夏は根が傷みやすくなっているため、水やりは控えめに行います。生育期と比べて乾燥気味に育てましょう。また、梅雨の時期の強い雨も避けられる場所へ置いておきます。
花がら摘み
ワスレナグサは次々と花を咲かせていきます。咲き終わったものをこまめに摘み取ることで、開花期間が長くなるでしょう。また、散った花びらを放置していると株の蒸れの原因になることがあります。見つけたら取り除いておきましょう。
種の採取
ワスレナグサは、こぼれ種でも増やすことができます。そのまま放置していても、翌シーズンには芽を出すかもしれません。こぼれ種を利用したい場合は、苗が自然に枯れるまでは何もせず、種がばらまかれるのを待ちましょう。もちろん、種を採取しておくほうが確実にワスレナグサを増やせます。花の時期が終わったら花がら摘みをせずにおき、結実を待ちましょう。実が茶色くなったら種を採取できます。実の中から黒い種を取り出し、乾燥させて保管しておきましょう。次のシーズンには再び種まきが行えるはずです。
おわりに
ワスレナグサは暑さに弱いものの、気候の条件やお手入れ次第では翌シーズンも栽培できます。種からでも気軽に育てられるため、園芸初心者の方にもおすすめです。高原の風を思わせる爽やかなワスレナグサの花を、ぜひご自宅で楽しみましょう。
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