2020.05.11 UP
Labyrinth バラの迷宮 pickup80 『ブルー グラビティ』
■作出:ロサ オリエンティス(バラの家)
■花色:青藤色
■花径:中輪 ■花形:丸弁咲き/四季咲き
■香質:ティー・パウダリーの淡香
■樹形:高さ1.2mの木立性
青藤色の丸弁咲き。緑を含む蕾から咲きはじめ、内側に向いた花弁が重なってカップ状となり、咲き進むにしたがって周囲にグリーンを少し残した青藤色になって、花弁が外側へのびやかに広げるかたちに。中輪房咲き。四季咲きで、夏花はグレー味が強い。花保ちが良い。ティー・パウダリーの微香。濃緑の葉はマットな質感で丸い。樹勢・耐病性は普通。樹は木立性で高さ1.2m。花名は「青の引力や重力」を意味。2020年春発表のロサ オリエンティス。
世界中でもとくに日本人に高い「青バラ」に対する嗜好の実現は、育種家の夢。「青バラへのあくなき想い」を花名で表現。いまもっとも「青」に近いバラのひとつで、特に曇りの日や日陰ではかなり青く感じるように咲く。
発色と同時に生育性を目指し、一般に性質が大人しい藤色系でも最強とはいえないが、“通常の管理”で十分生育する。樹勢は並み、耐病性はうどんこ病には強いが、黒星病へは普通。月に2回くらいの殺菌剤散布で美しい葉を維持。初期生育が遅いので、植え付け初年度は蕾を取り続け、2~3年間は浅めの剪定を。庭の前面や鉢植えに。
【花の印象】
木管楽器オーボエの音色を感じるような、しっとりとした青藤色。満開になると花弁の外側が開き、楽器の先端のかたち(ベル)を思わせるようなかたちに。全体の印象として昭和の美人画家・東郷青児の描く女性の姿を思わせる。日がさんさんとあたる場所より、少し日陰の方が美しく見える。
緑の蕾から青藤色に開花。最初はカップ咲き
咲き進んで外弁を広げ、木管楽器のベルのかたちに。花弁の周囲には緑を残す
玉置一裕 Profile
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。
人気コンテンツ
POPULAR CONTENT