2020.06.05 UP
【ネメシアの育て方】カラフルな花がたくさん咲く!ネメシアの品種や育て方
ネメシアには豊富な品種があり、多彩な色の花を咲かせます。開花期間が長いのもメリットで、適切にお手入れしていけば1シーズンに何度も花を楽しむことができます。。今回は、ネメシアの基本的な情報や主な品種、育て方のポイント、増やし方などをご紹介します。
【ネメシアの特徴】花の時期が長く色数も豊富
ネメシアはさまざまな色の花を持つ可憐な植物です。原産地は南アフリカで、乾燥して冷涼な場所を好みます。主な開花時期は3月~6月です。しかしながら、品種や環境によっては、真夏と真冬以外は咲き続けるものもあります。日本では一年草として扱われてきましたが、品種改良により「宿根ネメシア」と呼ばれる多年草タイプも多数育てられるようになりました。宿根ネメシアであれば、夏越しも可能で、2~3年は育てることが可能です。
花の色が豊富なネメシア
ネメシアは単色の花をつけるものもあれば、ひとつの花に2色以上の色をつける品種もあります。鮮やかなカラーのものが多く、ピンクや白、青、黄、オレンジなど種類も豊富です。カラフルな花をたくさん楽しみたい方にはぴったりの植物といえます。
ネメシアの名前の由来
ネメシアは、ぷっくりと膨れた金魚を連想させる、可愛らしい花を咲かせます。このことから、古代ギリシャのキンギョソウの一種の名前をとって「ネメシア」と名付けられたそうです。
寄せ植えにも人気の高いネメシアの花
ネメシアは寄せ植えをつくりたいときにおすすめできる花のひとつです。草丈がコンパクトで、幅広い花と合わせやすいメリットがあります。豊富な花の色を生かして、さまざまな色味の寄せ植えをデザインできるのも魅力。また、育てやすくお手入れしやすいため、寄せ植え初心者にも向いています。真夏や真冬以外であれば花を咲かせられる四季咲き性の強い品種なら、シーズンを問わずに活用できるでしょう。
【ネメシアの主な品種】お好みの品種を探してみよう
ネメシアは南アフリカ原産ですが、現在は世界各国で多数の品種が育てられています。それぞれの違いについて知り、お好みの品種を探してみましょう。ここでは、ネメシアの主な品種をご紹介します。
ネメシア・ストルモサ
ネメシア・ストルモサは、一年草のネメシアです。南アフリカのケープ地方に自生しています。鮮やかな色を持つ品種が多く、花の色も多様です。赤やピンク系統のものもあれば、紫や青、オレンジ、白なども存在します。草丈は15cm~30cmで、コンパクトに育てることが可能です。
ネメシア・ストルモサは、ウンラン(海蘭)の花と似ていることから「ウンランモドキ」とも呼ばれています。ウンランとは蘭に似た花をつける日本原産の植物で、海岸などに自生しています。機会があれば、ぜひ見比べてみましょう。
ネメシア・カエルレア
ネメシア・カエルレアは、宿根ネメシアとも呼ばれる多年草タイプのネメシアです。草丈は大きめで、20cm~60cmになります。茎がまっすぐ上に伸びていくため、育てる際は広いスペースがあると良いかもしれません。
花色はカラフルですが、ネメシア・ストルモサと比べて淡い色が多い印象です。柔らかい花の色を育てたいなら、宿根ネメシアの品種から探してみるのがおすすめです。
ネメシア・デンティキュラータ
こちらも多年草タイプの宿根ネメシアです。カエルレア系とは特に区別せず販売されていることもあります。現在宿根ネメシアとして流通しているものはネメシア・カエルレアやネメシア・デンティキュラータから改良された品種が多く見られます。草丈は20cm~30cmと小さめで香りが良いのが魅力です。
ネメシア・ケイランサス
一年草タイプのネメシアです。ほかの品種と比べて個性的な花の形が特徴で、仮面のようにも見えます。ひとめ見たら忘れられない印象的な姿のため、ユニークな花壇をつくりたいときに向いています。華やかな香りも魅力です。
【ネメシアの育て方】ポイントや注意点
一年草タイプのネメシアも宿根ネメシアも、基本的な育て方は変わりません。過湿を避け、風通しの良い場所で管理しましょう。こちらでは、ネメシアを育てる際のポイントについてご紹介します。
種まき、育苗
ネメシアの発芽適温は15℃~20℃といわれています。種まきは9月~10月に行いますが、寒冷地の場合は3月~4月の春にまいて育てるのがおすすめです。
ネメシアの種はとても細かいため、育苗ポットやセルトレーなどを利用して育苗します。土は市販の種まき用土を使うのが手軽です。
種はばらまきにして、土を薄くかぶせます。土を厚くかぶせてしまうと発芽しにくくなるため気をつけましょう。種まきが終わったら土を湿らせ、日陰に置いておきます。うまくいけば、10日ほどで発芽するはずです。秋に種まきした場合は育苗ポットのまま冬越しして、暖かくなってから植えつけを行いましょう。
苗選び
育苗が難しい場合や時間が取れない場合などは、苗を購入して育てるのがおすすめです。ネメシアの苗を選ぶときは、茎がしっかりと太く、徒長していないか確認しましょう。
ネメシアは日当たりを好む植物で、日陰で育てると茎が細長く伸びて徒長します。徒長苗は倒れやすくうまく育てられないことがあるため、できれば避けましょう。おすすめなのはがっしりとした茎のものです。葉の裏や茎などに虫がついていないかもチェックします。
水やり
ネメシアの水やりは、土の表面が乾いたタイミングで行います。土が湿っているうちに水を与えてしまうと、過湿になることがあるため注意が必要です。地植えの場合は、基本的に降雨に任せて問題ありません。雨がまったく降らないときには、土が乾いてから水をあげましょう。
日当たり
ネメシアは日当たりの良い場所を好みます。基本は日なたを選んで植えつけてあげましょう。ただし、夏場の強い直射日光に長時間当ててしまうと、株が弱ってしまうことがあります。涼しい半日陰へ移動させると良いでしょう。寒冷紗などで日除けをつくるのもおすすめです。
雨除け
ネメシアは乾燥した地域が原産のため、特に過湿を嫌います。雨が花に直接当たると傷んでしまうことがあるため、しっかりと対策してあげましょう。
鉢植えであれば、開花期間中は雨の当たらない場所へ移動させます。地植えの場合は雨除けをつくってあげましょう。また、根腐れを防ぐため、植えつけ時に水はけを良くしておくのも大切です。水はけの良い土を使う、土を盛って高い場所に植えるなどで対策しましょう。
肥料
ネメシアの植えつけ時に、元肥として緩効性肥料の「マグァンプK中粒」を与えておきましょう。その後は株の様子を見ながら少しずつ「Plantia 花と野菜と果実の肥料」で追肥していきます。鉢植えなら9月~10月と3月~6月に、1週間~10日に1回の頻度で液体肥料の「ハイポネックス原液」を施します。地植えの場合は、鉢植えほどの肥料を必要としません。
元肥に「マグァンプK中粒」を土に混ぜ込みましょう。追肥は3月~6月に、「Plantia 花と野菜と果実の肥料」をあげましょう。
多年草タイプのネメシアを夏越しさせた後は、9月~10月に1週間~10日に1回の頻度で液体肥料の「ハイポネックス原液」を施します。
病害虫対策
3月から11月にかけて、特に気温が上がってくると、いつの間にかアブラムシが葉やつぼみなどに発生していることがあります。アブラムシは、植物の汁を吸って弱らせるだけでなく、ウイルス病を媒介することもある虫です。放置しているとどんどん増えていくため、数が少ないうちに駆除してしまいましょう。指や粘着テープなどを使って取り除く方法もありますが、予防と駆除を行える薬剤もあるため、ぜひ活用することがおすすめです。「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」を与えると、肥料とアブラムシ駆除が同時にできます。
アブラムシと同様に注意したいのがハダニです。葉の裏などにびっしりと付着していることがあります。ハダニ対策としては、葉水を与えることがおすすめです。霧吹きを使って葉に水をかけて予防しましょう。
また、カビが原因となる灰色かび病も注意しておきたい病害のひとつです。多湿の状態で発生しやすいため、風通しの良い場所に植えて管理することが対策となります。枯れて落ちた花びらや葉などが原因になりやすいため、まめにお手入れして取り除くことも大切です。
花がら摘み
ネメシアの開花期間中は、小さな花が次々と開いていきます。咲き終わった花は落ちていき、茎や葉、地面などに付着します。放置していると病害の原因にもなり得るため、早めに取り除くことが大切です。
切り戻し
ネメシアはひとつの株からたくさん花を咲かせます。ひとつのシーズン内でもっと花を楽しみたいときは、思い切って切り戻ししてみましょう。
最初の開花がだいたい終わったら、草丈の半分ほどまで切り戻します。再びお手入れしていけば脇芽が出て、次の開花を楽しめるかもしれません。切り戻しの際は清潔な刃物を使い、株が傷まないように配慮しましょう。
植え替え
宿根ネメシアの場合は、翌シーズンも株を育てていけます。長く栽培していると鉢の中で根が回ってしまうため、毎年1回は植え替えを行いましょう。適期は気候が穏やかな春や秋です。鉢から根を掘り上げ、新しい土へ入れ替えます。株分けしない場合は、一回り大きな鉢を用意して植えてあげましょう。
地植えの場合は、ネメシアを掘り上げたら土に元肥を混ぜて耕します。傷んでいる根などを取り除いたら、再び植えてあげましょう。
夏越し
一年草のネメシアは夏が来ると枯れていきます。宿根ネメシアの場合は、適切なお手入れを続けて夏越しをする必要があります。日本の高温多湿の夏は、ネメシアにとっては過酷な環境です。真夏は開花がストップすることもありますが、無事に夏越しできれば再び花を咲かせてくれます。
夏の期間中は強い日差しを避けます。日に当てすぎると葉焼けすることもあるため気をつけましょう。土は乾かし気味にしたほうが夏越しを成功させやすくなります。鉢植えの場合は、雨が当たらないように移動させましょう。
夏越しできたら、9月~10月に肥料を施します。緩効性肥料をあげて、次の開花シーズンへ備えましょう。
冬越し
ネメシアは耐寒性があり、戸外で冬を越すことが可能です。ただし、何度も霜に当たると枯れてしまうことがあるため、地面が凍結する地域は防寒対策を行いましょう。地植えの場合はマルチングして保温性を高めることがおすすめです。心配な場合は鉢へ移し替え、寒さを避けられるところへ移動します。軒下や玄関先などがおすすめです。寒風が当たらないように管理しましょう。
【ネメシアの増やし方】挿し木や種の採取
ネメシアは、一年草タイプはもちろん、宿根草タイプもそれほど長くは育てられないといわれています。夏越しがうまくいかず、枯れてしまう可能性もあるでしょう。長く育てていきたい場合は、挿し木や種の採取などで株を増やすことがおすすめです。ぜひチャレンジしてみましょう。
挿し木
挿し木とは、植物を増やす方法のひとつです。枝や茎などをカットして挿し穂をつくり、土に挿して発根させて新しい株をつくります。親株と同じ花を咲かせられる点がメリットです。
挿し木に向いているのは3月~6月、9月~10月となります。作業を始める前に、必要なものを準備しておきましょう。
挿し木の際には、挿し穂をカットする刃物や用土、挿し床などが必要です。刃物は清潔なものを使用します。雑菌が入らないよう、事前に消毒を行いましょう。用土は肥料が含まれていないものを用意します。挿し床となる容器は、浅いトレーや育苗ポットなどでもかまいません。
挿し穂の長さは10cm~15cmです。元気の良い茎を選んでカットしましょう。傷んでいる茎や、細く弱い茎は避けます。
挿し穂をつくったら、挿し木用土へ先端を挿します。水をたくさん与えて、発根するまでは乾きすぎないように管理しましょう。置き場所は日なたではなく、半日陰程度の場所がおすすめです。順調にいけば、1カ月もたたずに根が出てきます。大きさに合わせた鉢や花壇へ植え替えてあげましょう。
種の採取
ネメシアの花が咲き終わったら、種をつくり始めます。種の採取ができるのは、子房が茶色く枯れたタイミングです。小さな子房ごと摘み取り、中の種を取り出しましょう。採取しないまま放置しすぎると、自然とこぼれてしまうため注意が必要です。
採取した種は、種まき適期の9月~10月まで保管します。高温の時期にまいても発芽しにくいため、涼しくなるまで種まきは控えたほうが良いでしょう。
おわりに
花の色が豊富で花数も多いネメシアは、ひとつ植えるだけでも華やかな存在感を放ちます。育てやすさや花の色などを考慮して、お好みの品種を見つけてみてください。気に入ったものは、挿し木や種の採取などで増やすこともできます。暑さや雨には気をつけて、ぜひ大切に育てていきましょう。
公開日: 2020年6月5日
更新日: 2022年6月7日
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