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【家庭菜園】【ピーマンの育て方】
はじめての方でもたくさん収穫できる栽培のコツをご紹介します!

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ピーマンの種類

ピーマンはナス・トウガラシ科に分類される植物で、トウガラシを品種改良して生まれました。そのせいか、英語ではgreen pepperまたは単にpepperといいます。日本語のピーマンはフランス語のpimentからきています。

日本で出回っているピーマンは明治初期にアメリカから渡来したイスパニア種を品種改良したもので、トウガラシの変種になりますがカプサイシンが含まれていないため辛くありません。また緑色なのは未成熟な状態で収穫した果実だからで、成熟させると赤や黄色に色づきます。

元々が品種改良種であり、成熟の度合いで食味が変わることから、目的に応じて様々な品種があります。ここではそれを紹介します。

 

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緑ピーマン

もっともよく見かけるピーマンで、7cm前後の大きさで緑色をしており、果肉はやや薄めで、少し苦く青臭さが残っています。

 

赤ピーマン(カラーピーマン)

緑ピーマンが完熟すると赤ピーマンになります。緑ピーマンと比べると甘く、青臭さが少なく、皮が柔らかいです。この状態のピーマンのことをスーパーの店頭で表示される商品名としてはカラーピーマンと呼んでいることもあります。

 

パブリカ

緑ピーマンや赤ピーマンはシシ型という品種ですが、パブリカはベル型という品種になります。ベル型はシシ型と比べて苦味が少なく果肉が厚い特徴があります。また、赤ピーマンがカラフルなのは完熟しているからですが、パブリカはもともと赤や黄色をしています。

 

フルーツピーマン

品種改良により糖度を増して甘くした品種で、別名フルーツパブリカともいいます。一つの品種というよりも、糖度が高く色がさまざまで生食やサラダにしやすい品種をまとめたマーケティング上の命名で、中身はそれぞれです。代表的な品種のロシア原産のアナスタシアは紫や黒といった色をしているものがあり、セニョリータはトマトのような形をしており、ぱぶ丸は普通のピーマンの半分ぐらいの大きさしかないなどです。

 

バナナピーマン

黄緑色で細長い円錐形をしており、その色と形状からバナナピーマンとよばれる品種です。果肉は甘くて柔らかく、緑ピーマンの苦味や青臭さがありません。成熟するとオレンジ色から赤色へと変わっていき、甘みが増していきます。

ピーマンを栽培する上での特徴

連作障害

ナス科の野菜との連作障害があります。

連作障害とは、同じ科の野菜を同じ場所で植え続けると生育障害が起こるというものです。ピーマンはナス科ですがトマト、ジャガイモ、ナスはナス科になります。同じ科の植物は土から吸収する栄養素や植物に棲み着く生物がほとんど同じになるので、同じものを植えているとだんだんバランスが崩れてくるのです。

障害の種類は今の3つです。

 

土壌障害

土壌の中に、病原となる細菌やカビやウイルスが多くなりすぎてしまい、病気になりやすくなります。

 

生理障害

土壌の中にある植物の生育に必要な栄養素が少なすぎたり多すぎたりしてしまいます。窒素過剰やカルシウム欠乏やマグネシウム欠乏なども発生します。

 

土壌虫害

根腐れを起こすセンチュウなどの、土壌の中にいる特定の虫が増えすぎることによって起こる障害です。

 

一度使用した土や畑を再利用すると連作障害を起こしてしまうので、過去3〜4年の間にピーマンだけではなくナス科の植物を育てた土や畑は使わないようにしましょう。

 

高温を好み多湿と乾燥に弱い

ピーマン生育に向いた温度は22℃から30℃で高温に強いのですが、低温には弱いので、早植えには注意しましょう。

また、根は浅く張り、多湿にも多乾燥にも弱いですので、耕土を深めにして根の伸長を促します。

ピーマンの栽培時期

種まきから始める時は、2月中旬に種をまいて、ポットで育てます。

植えつけは最低気温が10℃、地温が15℃になることで、一般の露地栽培では5月中旬が目安です。早植えは避けましょう。

収穫は6月下旬から10月いっぱいまでの長期間可能です。

 

 

 

ピーマンの植えつけについて

種から育てる方法と、苗を購入してきて植えつける方法があります。ピーマンの苗の育成は長期間かかり温度管理が難しいので、初心者の方は市販の苗の利用がお薦めです。ここでは種から育てる方法と、市販の苗の選び方を紹介します。

自分で育てたものであれ、購入してきたものであれ、苗を植えつけるには地植え(露地栽培)と鉢植えがあります。ここでは両方のやり方を説明します。

 

種から育てる方法

育苗箱に種をまき、発芽後にポットに移し替えて定植まで育てます。

まず育苗箱やセルトレイに赤玉土などの種まき用の土を入れ、育苗箱には1cm〜3cm感覚に粒、セルトレイには1粒、種をまき、土を被せて霧吹きなどで水をやります。

種まき容器を新聞紙で覆って25℃〜30℃ぐらいで保温し、土が乾かないように水やりをしながら管理します。発芽したら、夜温を25℃ぐらいに下げます。

本葉が2枚〜4枚になったら生育の良いものを育苗ポットに1株ずつ植え替え、本葉が10枚ほどになったら定植します。

 

市販の苗を購入する

市販の苗は一番花の咲き始めるころがよいです。それよりも若いと繁茂しすぎ、それよりも老化した苗だと活着不良となります。

大きな蕾がついていて、葉は緑色できれいに広がり、子葉(=双葉)がついていて、病気や害虫の被害を受けていないものを選びます。節間が短く太くがっしりしていて徒長していないものにしましょう。

 

地植え方法

過湿にも乾燥にも弱いので、高畝にして水はけを良くします。日当たりの良い場所を選び、土作りを済ませ堆肥と元肥として今日から野菜 野菜の肥料を混ぜ込んだ土壌を、高さ20cm〜30cm、幅60cmほどに畝作りします。

株同士の間隔を50cmほどあけて苗を受けていきます。根についた土は崩さず、浅植えにします。黒ポリマルチをして、支柱を立てて誘引し水をやります。根付くまでの1週間は土が乾燥しないように毎日たっぷり水をやります。

 

鉢植え方法

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大きくて深い鉢やプランターを選びます。鉢なら10号以上、プランターなら20L以上の深型プランターが目安です。

鉢底にネットを敷き、鉢底石を敷き詰め、鉢の縁から2cmほど下まで用土を入れます。株同士の間隔は20cm以上あけてください。10号の鉢なら1株、20Lの深型プランターなら2株が目安です。

苗を植えつけるときは土を落とさないようにして、植えつけた後はたっぷり水をやります。気温が低い時はわらなどでマルチをします。泥の跳ね返りによる病気や害虫の被害を防ぐためにも、鉢植えでもマルチングはしたほうが良いです。

根づくまでの1週間は土が乾燥しないように毎日たっぷり水をやります。

 

 

ピーマンの水やり・追肥・誘引

水やり

ピーマンは根が浅く、乾燥に弱い植物です。用土の表面が乾いたときにはたっぷりと水を与えるようにしてください。特に梅雨明け後の夏場の高温乾燥期は、土の状態を確認して朝と夕方の2回水やりをして乾燥に注意します。しかし、回数を増やすよりも一回の水やりでたっぷりと与えるほうが効果的です。

同時にピーマンは過湿にも弱く、湿度の高い環境では根腐れを起こしてしまいますので、用土が乾燥していなければ水やりはいりません。

また、水やりをしたときに泥の跳ね返りがあると青枯病などの病害の発生原因となりますので、跳ね返り防止と乾燥防止のためにわらなどでマルチをします。

 

追肥

ピーマンは多肥性の野菜です。6月〜10月の長期間の収穫期間に次々に実がなるので、株が消耗しないように肥料をたっぷりと与えるようにします。

植えつけの1ヶ月後から、今日から野菜 野菜の肥料、液体肥料で管理する場合は、専用液肥 野菜を500倍に希釈して週に1回ほどを与えます。

化成肥料は地植えのときはマルチの裾を上げて肥料を畝の両側の肩にまき、土と軽く混ぜるように耕してからマルチを戻します。鉢植えの時は鉢のふちに沿って施し土と軽く混ぜ合わしてやります。液体肥料は水やりのときに一緒に施すようにします。

 

誘引

ピーマンは茎が弱くて折れやすく、着果数が多くなると果実の重みに耐えきれなくなる事があるので、草丈が40cm〜50cmになったら株の脇に支柱を1本立てて誘引します。そして最初の実がついた頃に支柱を合計3本にします。剪定をしてから脇芽の生えているところで2本の支柱をクロスさせ、それぞれの脇芽を左右の支柱に結びます。

 

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ピーマンの剪定と収穫

ピーマンの剪定については決まった考え方がなく、育てる人によっていろいろな意見があります。一番果は若どりしてしまうほうがいいという人もいれば、そうする必要はないという人もいます。主枝1本と脇枝2本の3本仕立てに整枝すべきという人もいれば、放任で育つという人もいます。

これは機械的にどれが良いというものではなくて、ピーマンの株の成長度合いをみて考えるべきものでしょう。

 

一番果についていうと、一番果を若どりしたほうがよいというのは、一番果を完熟させると幼い株に負担がかかってしまうという理由です。ですから株の力が弱めの時は一番果を若どりして、その株のもつエネルギーを枝の成長に回したほうが良いでしょうし、すでに力強い株の時は一番果を成熟させて成り癖をつけるのもよいでしょう。

 

整枝については、放任でも良いという考え方もあるようですが、主流は最初の花が咲いたら、その下の脇芽はすべて摘み取り、花より上の茎のうち生育の良いものを左右に1本ずつ残し、3本仕立てにするというものです。一番果より下は間引いて株の上部を放任主義にするというやり方もあるようです。

これは葉が込み合って風通しが悪くなって害虫が発生するのを防ぐことと、日当たりの良い部分の葉に成長のエネルギーを集中させることが目的なので、葉のつき方や株間の距離にも関係してきます。実際の葉の様子を見て枝を間引くかどうかを考えればよいでしょう。

 

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収穫

ピーマンの花がたくさん咲き、それぞれ結実して小さな実がつき始めます。ピーマンの身の大きさが6〜7cm程度の大きさが収穫のタイミングで、開花から15日〜20日程度が目安です。肥料と水をしっかり与えてやると、6月中旬から霜が降りるまでの長い間収穫できます。

収穫期間を長くし収穫量を多くするには、肥料と水をたっぷり与えてやるだけではなく、戦略的に収穫することが大事です。つまり、果実の小さい未熟果のうちに収穫し、株の消耗を抑えてやることで、長期間大量の収穫を得ることができますし、未熟果と完熟果を使い分けて株の生育をコントロールします。

 

「ピーマンの種類」で上述したとおり、通常我々がピーマンと行って思い浮かべる緑色のもの(緑ピーマン)は、ピーマンの未熟果です。赤ピーマンまたはカラーピーマンと言っているものは緑ピーマンを完熟させたものになります。未熟果として食用になるものは開花から15日〜20日経って以降のもので、完熟するのは開花後40日〜60日ぐらいになります。

6月中旬から実がなりはじめますが、最初の頃の実を40日以上かけて完熟させてしまうと、株のエネルギーが実を完熟させる方に使われてしまうので、株が疲れて成長が弱まってしまいます。このころの実は早めに収穫して、エネルギーを株の成長に回してやりましょう。そうすることでその株から長期間収穫ができるようになります。逆に樹勢の強い時は完熟させて収穫するようにすると株の育成をコントロールできます。

また、ピーマンの収穫は、ヘタの部分をハサミで切って行います。ピーマンの枝は折れやすいので、必ずハサミを使って収穫するようにしてください。

なお、パブリカは未熟果ではなく完熟させてから収穫します。開花から収穫までは40日〜50日ぐらいです。その間に雨が降るとくさって実が落ちたりしやすいので、雨よけをしてやるようにしましょう。

 

 

ピーマンの病気と害虫に関して

ピーマンの病気で発生しやすいのはモザイク病です。この病気の原因となるウイルスはアブラムシが媒介しますので、アブラムシの駆除が大切です。

モザイク病は葉に濃淡のモザイク模様が現れ、葉が縮れて奇形化し、株全体が萎縮します。かかってしまった葉は治療できないので、病気にかかった場所を切り落とし薬剤を散布して拡大を防ぎます。

この病気の原因となるアブラムシは、体長1mm〜4mmの小さな虫です。これが集団で棲み着き吸汁加害します。葉が黄色くなっている時は、その葉の裏に棲み着いている可能性が高いです。早期に発見して殺虫剤を散布して駆除します。

黄化えそ病もピーマンで発生しやすい病気です。葉が黄化してえそ斑点を生じ、被害が大きいと株全体が枯れます。原因となるウイルスをミナミキイロアザミウマが媒介します。

ミナミキイロアザミウマは体長1.2mmの小さな虫で、新芽や新葉の隙間に寄生して吸汁加害します。殺虫剤の効きにくい虫で駆除は困難ですが、様々な植物につくので、地植えの場合は周囲の雑草を刈るなどして予防します。

 

青枯病は葉が青いまま株が枯れてしまう病気で、元気だった株が急にしおれて枯れてしまいます。スポット的に数株だけかかったりします。これは細菌が原因となる病気で、土壌の中のバクテリアが侵入するのですが、その侵入箇所はセンチュウなどの食害の跡であることが多いので、センチュウも原因の一つだといえます。

センチュウは連作障害によって発生しやすくなるので、予防方法としては連作を避けます。

 

疫病は葉に水がしみたような暗褐色の斑点が現れ、葉の裏には白いカビが生えます。水やりや降雨で泥がはねて葉につき、その泥の中にいる糸状菌が葉について発生します。泥はねを防ぐために、わらなどでマルチングします。

またこれも連作障害の一種ですので、連作を避けるようにします。

 

尻腐れ病はピーマンの先端や地面の近くの外葉が黒褐色になって腐ってしまう病気です。カルシウムの吸収が阻害されることによって起こる病気で、カルシウム阻害の原因は、夏の高温と乾燥、そして窒素肥料のやりすぎです。

ピーマンは一つの株から平均40〜50個、多ければ100個以上の実を収穫できる楽しい野菜です。実がなるタイプの野菜としては比較的栽培が簡単ですし、硬くてちょっと青臭いピーマンの味は、すぐ隣でなっているからこそ新鮮さを感じさせて、家庭菜園ならではの楽しみを感じられます。成長と収穫を体験できることはお子様の食育にもぴったりです。ピーマンの難しいところは苗作りなので、市販の苗からのほうが育てやすいでしょう。そんなピーマンをぜひ栽培してみませんか。

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