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【ノウゼンカズラの育て方】
夏の盛りに花を咲かせるノウゼンカズラの育て方

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ノウゼンカズラは、盛夏に美しい花をたくさん咲かせる花木です。つるがどんどん伸びるため、壁一面を覆うほど大きく育てることもできます。今回は、ノウゼンカズラの基本的な育て方やお手入れ方法、増やし方などをご紹介します。夏のお庭の主役として、ぜひノウゼンカズラを育ててみましょう。

 

 

陽光を受けて輝くノウゼンカズラ

ノウゼンカズラは、7月~8月に鮮やかな色の花を次々と咲かせます。花の形はアサガオのようなラッパ型で、下向きに咲く性質を持ちます。耐暑性が高く、日本の高温多湿の夏でも元気にたくさんの花をつけるのが魅力です。

 

ノウゼンカズラの花の色

ノウゼンカズラは、夏にぴったりのオレンジ色や赤色、黄色などの花を咲かせます。青空に映えるカラーリングは、見ているだけで元気をもらえそうです。暑さで花を咲かせなくなる植物も多いなか、ノウゼンカズラは元気いっぱいに咲き誇ります。色彩豊かなお庭づくりに、ぜひノウゼンカズラを植えてみてはいかがでしょうか。

 

ノウゼンカズラの原産地

ノウゼンカズラは中国が原産です。日本へいつ渡ってきたのかは不明ですが、平安時代に編纂された「本草和名」という書物にはノウゼンカズラのことが書かれていました。そのため、900年代よりも前には日本で栽培されていたと考えられています。

日本にあるもっとも古いノウゼンカズラは、石川県の玉泉園にあるものです。樹齢は400年を数えますが、いまだに夏の盛りになると美しい花をつけているそうです。

 

ノウゼンカズラの花言葉

ノウゼンカズラには、「名声」や「栄光」、「名誉」などの花言葉があります。トランペットに似た花の形が、勝利のファンファーレを連想させるため、こういった花言葉がつけられたと考えられています。

 

ノウゼンカズラの名前の由来

ノウゼンカズラは、漢字で「凌霄花」と書きます。原産地である中国の表記がもとになっているようです。上述した本草和名のなかでは、読み方から字を当てた「乃宇世宇(のうせう)」の表記が採用されています。

凌という字には「凌ぐ(しのぐ)」という意味があり、「凌駕(りょうが)」などの単語で使われています。霄には「みぞれ」や「あられ」のほか、「大空」の意味もあります。大空をしのぐほど高くつるを伸ばすノウゼンカズラの姿から、この名がついたのかもしれません。

 

 

ノウゼンカズラの主な種類

ノウゼンカズラには、いくつかの品種が存在します。花の色や形、大きさなどが異なるため、お好みのものを探してみましょう。

 

ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)

ノウゼンカズラというと、中国原産のこちらの品種を指すことが多いのではないでしょうか。花の付き方は「円錐花序」と呼ばれるもので、つるの先にたくさん小さな花を咲かせます。

 

アメリカノウゼンカズラ(Campsis radicans)

ノウゼンカズラのなかでも開花までの栽培期間が短い、アメリカノウゼンカズラ。原産地はアメリカです。赤みを帯びたオレンジ色の小さな花が集まり、ひと固まりになって咲きます。上記のノウゼンカズラと比較すると花筒は長めです。アメリカノウゼンカズラのなかでも、「フラウア」という園芸品種は、パッと目をひく黄色の花を咲かせます。お庭のアーチや壁に這わせると、とても爽やかな印象になるでしょう。

 

カンプシス/タグリアブアナ(Campsis × radican)

ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラを交配してできたとされる品種です。園芸品種として有名なのが「マダム・ガレン」で、日本でも各所で育てられています。ビビッドな赤に近いオレンジ色は、南国の風景を思わせます。丈夫で耐寒性や耐暑性が強く、育てやすいのも魅力です。

 

ノウゼンカズラの基本的な育て方

ノウゼンカズラは、日差しがたくさんあたる水はけの良い場所を好みます。しっかりと大きく育てられるスペースを確保し、植えつけを行いましょう。ここでは、ノウゼンカズラの基本的な育て方をご紹介します。

 

土づくり

ノウゼンカズラは水はけが良い土を好みます。鉢植えの場合、ハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。マグァンプKが配合されているため、追加で元肥を加えなくても、そのまま使用できます。

地植えの場合、植える予定の場所の水はけを確かめておきます。極端に水はけが悪い場所だと、うまく育てられないことがあるためです。排水性を高めたいときは、腐葉土や堆肥を混ぜて耕しておきましょう。

 

苗選び

ノウゼンカズラを育てるときは、苗を購入して植えつけます。種はほとんど流通しておらず、入手が難しいためです。発芽させて花が咲くまで育てるのも時間がかかり、初心者にはあまり向いていません。

また、小さな苗を購入した場合も、大きくなって開花するまでに何年かかかることがあります。すぐに花を楽しみたいときは、ある程度の大きさまで育った、花つきの鉢を入手しましょう。

 

植えつけ

ノウゼンカズラは大きく育つ花木で、樹高5mに達することも珍しくありません。基本的には、地植えにして大きく育てていきます。鉢で育てたい場合は、コンパクトに育てられる小型の品種を選ぶよう気をつけましょう。地植えにする際は、できるだけ広いスペースを確保することが大切です。

また、ノウゼンカズラはつる性の植物です。フェンスや支柱、樹木など、周囲に巻き付けるものがあるかも確認しましょう。日光の差すほうへつるを伸ばすため、日当たりの良い場所へ支柱を立てるのがおすすめです。

植えつけの適期は3月~4月です。根鉢よりも一回り大きく植え穴を掘って植えつけましょう。

 

日当たり

ノウゼンカズラは花木のなかでも直射日光に強く、真夏の日差しにも耐えられます。日当たりの悪い場所に植えると花が咲かないこともあるため、周囲に日差しをさえぎるもののない場所に植えてあげましょう。

また、ノウゼンカズラのつぼみは、雨が長く続いて日の当たる時間が少なくなっても落ちてしまうことがあります。できる限り明るさを保てる場所へ植えることで花が落ちるのを防げるでしょう。

 

水やり

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地植えの場合、水やりはほとんど必要ありません。水を与えすぎると過湿になり、つぼみが落ちてしまうことがあります。ただし、開花時期に雨が何日も降らないときは、乾燥しすぎないよう管理するのが大切です。土の様子を見て、過湿にならないよう気をつけながら水やりしましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら水を与えます。とくに開花期間は水切れに注意しましょう。

 

肥料

ノウゼンカズラは春になると新芽をつけはじめます。2月に寒肥としてBrilliantGarden バラの天然有機100%肥料を株元に混ぜ込みます。土壌改良と新芽の時期に備えましょう。また、4月~5月になったら、Plantia花と野菜と果実の肥料を施します。多く与えすぎると花つきが悪くなってしまうため、適量を心がけるのが大切です。

 

 

ノウゼンカズラを長く育てるためのポイント

ノウゼンカズラはお手入れの手間が少ないものの、つるの誘引や剪定などは意識して行うのが大切です。こちらでは、ノウゼンカズラの管理方法をご紹介します。適切なお手入れをして、長く育てていきましょう。

 

誘引

ノウゼンカズラは、つるをぐんぐん伸ばして生長していきます。伸びたつるを支柱やフェンスなどに誘引しましょう。ひもや針金などを使って、ゆるく固定するのがおすすめです。誘引の際に気をつけたいのがつぼみの向きです。ノウゼンカズラは下向きでなければ開花しない性質を持ちます。誘引するときは、つぼみのつく先端部分が下向きになるように注意しましょう。

また、ノウゼンカズラのつるは、一度巻き付いたものを引きはがしてしまうと、再びどこかへ巻き付くことができません。最初にどこへ誘引するかしっかりと考えてから、作業を行いましょう。

 

仕立て方

ノウゼンカズラは日の当たらない部分にはほとんど花をつけません。花をたくさん咲かせるためには、株全体を日光に当てることが大切です。藤棚のような棚仕立てにすると、日陰になる棚の内側は花が咲かなくなるため気をつけましょう。できるだけ影ができず、まんべんなく日光が当てられるポール仕立てやアーチ仕立て、フェンス仕立てなどがおすすめです。

また、うまく誘引できれば、スタンダード仕立ても可能です。スタンダード仕立てとは、幹を空へ向かって伸ばし、上のほうにまとまって花を咲かせる方法です。2~3年育てて幹を太くさせながら、つるを上へ誘引していきましょう。

 

剪定

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ノウゼンカズラのつるは、毎年どんどん伸びていきます。放置していると、いつの間にか外壁や庭中につるが広がってしまうことも。定期的に剪定して、大きさを調整しておきましょう。

剪定の適期は2月~3月ごろです。ノウゼンカズラの花芽は、その年の春に伸びた若いつるにつくため、暖かくなってから剪定するのは避けたほうが無難です。冬に剪定を済ませておくことで、花芽を切り取ってしまうのを防げます。

伸びすぎた部分や混み合った部分は好きな長さにカットしましょう。また、花の咲き終わったつるや、冬枯れした部分も切り取ってかまいません。根元から出てきたひこばえと呼ばれる枝や、幹から出てきた細い枝なども落としておきます。こういった枝を残したままにすると、養分が取られて花つきが悪くなることがあるためです。

 

アブラムシ対策

ノウゼンカズラの新芽がつく時期になると、アブラムシが発生することがあります。見つけたらすぐに取り除くことが大切です。放置していると、どんどん増えてしまうことがあります。

 

植え替え

地植えであれば、植え替えは必要ありません。鉢植えの場合、鉢の中に根が回ってしまったら植え替えを行いましょう。適期は3月~4月です。鉢底穴から根が飛び出ていたり、水やり後の排水が悪くなったりしていたら植え替えのサインです。植え替え用の鉢は一回り大きなものを用意しましょう。ノウゼンカズラを掘り上げ、傷んでいる根があったら切り取ってから植え替えます。

 

冬越し

ノウゼンカズラは耐寒性が強いものの、-5℃以下の気温になる場所では枯れてしまいます。基本的に、寒冷地の場合は地植えでの冬越しができないと考えておきましょう。それ以外の土地なら、ほとんど対策をしなくても冬越しすることができます。ただし、地面の凍結には気をつけましょう。根が傷まないよう、敷き藁や腐葉土などをかぶせて保温します。水やりは控えめに行い、乾燥気味に管理するのがポイントです。暖かくなってきたら、水やりの頻度を増やしていきましょう。

 

ノウゼンカズラの増やし方

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ノウゼンカズラは、挿し木で増やすことが可能です。お庭のノウゼンカズラを増やしたいときは、挿し木にチャレンジしてみましょう。最後に、ノウゼンカズラの挿し木についてご紹介します。

 

挿し木とは

挿し木は、植物を増やす方法のひとつです。植物の枝や茎などを切り取って土に挿し、発根させて苗をつくります。親株と同じ特徴を持つ植物を増やせる点や、種をつくりにくい植物でも増やしやすい点などがメリットです。挿し木をするために切り取った茎や葉などは挿し穂と呼ばれます。元気が良く、病害虫被害のあとがない部分をカットして、挿し穂をつくりましょう。

 

挿し木の適期

ノウゼンカズラの挿し木は、生育期となる6月~7月が適期です。湿気が多く温暖な梅雨に合わせて行うと、挿し穂から発根しやすくなります。

 

準備するもの

挿し木をする際は、挿し床となる容器や土、清潔な刃物などを用意します。容器は育苗用のトレーやポットなどがおすすめです。発泡スチロールやプラスチックなどの空き箱を使用する際は、排水ができるように小さな穴をたくさんあけておきましょう。

挿し木用の土は、肥料が入っていないものが適しています。挿し穂が順調に育つよう、清潔であることも大切です。病原菌が混入していると、カビが生えたり腐ったりといったトラブルが起こる可能性があります。ほかの植物の種や根、虫などが入っている土も避けましょう。ほかの植物が育つ勢いに負けて枯れてしまったり、虫の被害を受けたりといったトラブルが考えられます。挿し木用土はご自分で配合しても良いですが、専用土を購入するのも手軽でおすすめです。

 

挿し木の手順

挿し穂にするのは、気根が生えている枝がおすすめです。古い枝を挿し穂にしても発根しにくいため、前年に伸びた若い枝を使いましょう。

挿し穂にする枝は先端から15cmほどのところでカットしましょう。切り口は斜めにしておくことがポイントです。葉がたくさんついていると水分が蒸散しすぎるため、上のほうに2枚~3枚残し、あとは落としておきましょう。

挿し穂をつくったら水を吸わせるため、切り口を浸しておきます。吸水は1時間ほどで終了です。その後は、いよいよ土へ挿していきます。挿し木用土には、あらかじめ穴をあけておきましょう。切り口をねじこむように土に挿すと、挿し穂が傷んでしまうことがあります。

土へ挿したら、水をたくさんあげて明るい日陰にて管理します。水を切らすと弱ってしまうため、こまめに様子を確認してあげましょう。順調に発根して芽が出てきたら鉢上げします。植えつけ適期になったら、お庭や鉢へ植え替えて育てていきましょう。

 

 

おわりに

ノウゼンカズラはお手入れの手間がかからず、育てやすい花木のひとつです。お庭に植えておくと、夏の時期に満開の花を楽しめます。いくつかの種類があるため、お好みに合うものを選んで育てましょう。生育旺盛なため、こまめな剪定を行うと、より元気に生長していくはずです。ぜひご自宅に植えて栽培を楽しみ、花期が来たらノウゼンカズラの華やかな姿を満喫しましょう。

 

 

公開: 2020年7月7日 

更新:2021年8月4日

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