2020.08.20 UP
【家庭菜園】
高級フルーツの代表格 家庭でメロンを育てよう! 育て方栽培方法や時期に関して
高級フルーツの代表格として知られるメロンは、甘くみずみずしく、口の中でとろけるような食感が魅力です。育てるのが難しいというイメージがありますが、自宅のベランダで栽培できたら嬉しいですよね。
メロンを育てるなら大きなビニールハウスが必要なのでは?と思われがちですが、育て方のポイントを知れば、ご家庭のプランターやベランダでも立派なメロンを育てることができます。
今回はメロンの基本的な育て方について紹介します。
メロンに関して
メロンは、ウリ科キュウリ属に分類される果実的野菜で、厳密にいうとキュウリと同じ仲間、つまり野菜に入ります。原産地はアフリカ大陸という諸説がありましたが、現在ではインドが原産地であるという説が濃厚といわれています。
ギリシャ語が語源とされるメロンは、一年生植物で、耐寒性に弱く、耐暑性にやや強いのが特徴です。夏から秋にかけて大きな果実を実らせるメロンは、日本をはじめ、世界各国において様々な品種が栽培されています。
メロンの栄養価
高級なイメージがあるメロンは、栄養価が高く、健康や美容に効果があるといわれています
メロンに含まれる栄養価のうち、とくに多く含まれているのがカリウムです。カリウムは血圧を下げる効果や、筋肉の機能を助ける効能があると言われています。他にも、カルシウムやリン、ナトリウム、マグネシウム、鉄分など、ミネラル分が豊富に含まれています。
メロンの種類
フルーツの王様とも呼ばれるメロンは、世界中でたくさんの品種が栽培されています。メロンの品種をあまり意識して選んだことがない方が多いかもしれませんが、果皮の「ネット」と果肉の「色」で種類が分かれています。
果皮のネットで種類を見分けるときは、果皮の表面に白い網目があるものを「ネット系」といい、網目がないものを「ノーネット系」と分類します。果肉の色で見分けるときは、果肉が蒼いものを「青肉系」、果肉が赤いものを「赤肉系」と分類します。
強い香りと、濃厚な味わいで人気の高級メロンとして知られるマスクメロンは、ネット系、青肉系のメロンです。果皮の全面に美しい網目のあるネット系メロンは、栽培が難しいことから、高級品種として贈り物として利用されることが多いです。
一方、栽培しやすいのが特徴のノーネット系のメロンは品種改良が進んでいるので、家庭菜園ではじめてメロンを育てる方にもおすすめの種類です。中でも家庭菜園向きとして人気の品種が、プリンスメロンです。
メロンの育て方
ご家庭でも栽培できる難易度の低いメロンを選べば、初心者でもプランターや鉢で充分栽培できます。
メロンの育て方のコツは、徹底した温度管理、より確実に実を着けるために行う人口受粉、そして成長過程に合わせて調整する水やりです。
全く手のかからない果物や野菜と比べれば少々手間がかかりますが、大きく果実を着けたメロンを収穫できたときの喜びは一度経験するとやみつきになります。
耐寒性に弱いメロンは、20℃から30℃くらいの高温を好みます。多湿を嫌い、乾燥を好むことから、風通しのいい場所や水はけがよく保水性に優れた土壌が適しています。近年は、品種改良が進んだこともあり、比較的、低温や湿気の多い場所でも育てやすい家庭菜園向きの品種も増えていますが、温度や天候による影響を緩和したいと思ったら、マルチやトンネルなどを利用するのがおすすめです。
メロンのプランター栽培
メロンの根は浅く張りますし、ツルが伸びてきたら支柱やネットで誘引できるので、ベランダなど限られたスペースでもプランター栽培が可能です。メロン栽培で使うプランターは、深さは60cmくらい、横幅は60㎝から90cmくらいの大きめのものを選んでください。大きめの植木鉢があれば、プランターの代用品として育てることも可能です。
一般的なサイズのメロンなら、1つのプランターに1つの株を育てるのが理想です。ミニタイプの品種を選んだ場合は、1つのプランターに2つの株を育ててもいいでしょう。
ノーネット系や家庭栽培向けの品種ははじめの方でも育てやすいのでおすすめです。ご家庭の庭やベランダでメロンを育てるときは、日当たりと通気性の良いところで育ててください。メロンの根は酸素をたくさん必要とするので、プランターで育てるときは排水性や通気性の良い土を使うようにしましょう。ハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。
また、雨にあたると病気になる恐れがあるので、雨に当たらない場所に置くか、必要であれば雨よけをつけておきましょう。
メロンの栽培時期
メロンは暖かく日当たりの良い場所を好みます。暖地で育てる場合は3月頃から4月頃に種まきをして、ノーネット系のメロンの場合は4月中、ネット系のメロンの場合は4月中旬頃から5月上旬頃までに植えつけを行います。
メロンの種や苗を畑やプランターに直まき、または植えつけるときは、最低気温が14℃、最低地温は16℃~18度以上になった頃に行うのが理想です。生育に適した温度は、昼間は25℃~28℃、夜間は18℃から20℃くらいです。品種にもよりますが、受粉を行ってから大体40日から50日くらいがメロンの収穫時期です。
メロンの種まきの時期
メロンを種から育てるときは、3月頃から4月中旬頃までに種まきをします。発芽の適温は25℃~28℃くらいなので、気温が低くなり過ぎないように注意してください。
メロンの種まき
家庭菜園ではメロンを苗から育てるのが一般的ですが、以下の方法で種から育てることもできます。
STEP1.種を一晩水に浸ける
STEP2.育苗ポットに土を入れる
STEP3.指で深さ1㎝の穴を2~3カ所あける
STEP4.種をまく
STEP5.土をかぶせ表面を軽くおさえる
STEP6.水を与える
その際に根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を希釈して与えます。
STEP7.生育の良い株を残す
STEP8.本葉が4枚から5枚くらいになったら植えつける
メロンを種から育てるときは、メロンの種と育苗ポット、土を用意します。育苗ポットは直径9㎝のものを用意して、種まき用の土、または小粒の赤玉土を用意してください。種まきをする前の日から水を張った容器に種を一晩浸けておくと、発芽のタイミングが揃いやすくなります。
育苗ポットに土を入れたら、指で深さ1㎝くらいの穴を2~3カ所作ります。メロンの種を穴に1粒ずつまき、土をかぶせたら表面を軽くおさえます。種まきをした後は、たっぷりの水を与えて、その後も土が乾燥しないように水やりを続けます。
メロンの種は、種まきをしてから2週間くらいで発芽します。発芽して、本葉が1枚から2枚くらいまで育ったら、生育の良い株だけを残して他は株元からハサミで切り取ります。土が乾いたら水やりをして、日光が当たる場所で22℃くらいの温度で管理します。
発芽してから本葉が4枚から5枚くらいになったタイミングで、プランターや畑に植え替えを行います。
メロンの植え替えの時期
種まきをしてから発芽し、本葉が4枚から5枚くらいになったらプランターにメロンの株を植え替えます。
より手間なくメロンを栽培したいというときは、市販の苗を購入して育てる方法がおすすめです。定植しやすくするために、植えつけ・植え替えは、地温が保たれている晴天の日の午前中に行うのが好ましいです。
植えつけ用の苗の選び方
種まきをしてから発芽し、本葉が4枚から5枚くらいになったらプランターにメロンの株を植え替えます。
メロンを苗から育てるときは、種から育てるときと同様に本葉が4枚から5枚まで成長していて、葉の色が濃く、茎がしっかり太い苗を選ぶのがおすすめです。
メロンの地植え
メロンの苗を畑に植えつける際には、うまく定植させるために2週間前には土をしっかり耕し、元肥を入れて土づくりをしておきましょう。メロンの根は、酸素を多く必要とするので、排水や通気性の良い土を好みます。水はけをよくするために市販の野菜用の土を購入して、混ぜ込むのもよいでしょう。
土を作る場合は小粒の赤玉土7に対し、腐葉土を2、バーミキュライトを1混ぜて、元肥を施しておきます。元肥には、「Plantia」花と野菜と果実の肥料がおすすめです。
植えつけ後は根の活着促進のため植物用活力液リキダスを希釈してたっぷりと与えます。
植えつけ後に地温をキープできるように、土を耕すのと同時にトンネルを張っておくことをおすすめします。
耕した畑にメロンの苗を地植えするときは、畝を作ります。メロンの苗の株元が周囲よりも高くなるように、高さ10cm、幅70cから100cmの畝を作り、浅めに植えつけます。メロンの苗は、60cmから80cmくらいの株間を空けて植えつけ、雑草や泥はねから苗や実を保護するために土の表面に敷きワラや黒マルチを敷いておくと良いでしょう。
プランターに植えつけ
プランターにメロンの苗を植え替えるときは、深さが30cm以上、幅は60cmくらいの大きめのプランターを用意してください。大きめのプランターを用意することで、メロンの根が横方向に広がりやすくなります。また、メロン栽培は温度管理が重要なポイントになるので、地温を上げて温度をキープするためにもマルチを用意しておくことをおすすめします。
STEP1.プランターに土を入れる
STEP2.苗がおさまるくらいの穴を掘る
STEP3.土を足す
STEP4.水やりをする
その際に根の活着促進のため植物用活力液リキダスを希釈して与えます。
1つのプランターに対して1株から2株を植えつけます。プランターに鉢底ネットを敷いて、排水がよくなるように鉢底石を入れておきます。プランターの8分目あたりまで土を入れます。メロンの苗がおさまるくらいの穴をスコップで掘り、そこに苗を植えつけます。苗を植えつけるときは根鉢をくずさないように気をつけて育苗ポットから抜き取ってください。
苗についた子葉が埋もれないように注意して、土を足して苗を浅植えします。苗を植えつけたら水をたっぷりあげてください。その際に根の活着促進のため植物用活力液リキダスを希釈して与えます。
定植するまでは生育が良くなるようにホットキャップをかぶせて保温し、気温が高いときは換気をして温度が上がり過ぎないように気をつけましょう。
メロンの人口受粉の方法
メロンは、ミツバチによる自然交配により受粉することが多いですが、より確実に実を着けるには人口受粉が必要です。雄花の開花状況や、天候などが影響して着果しないことがあるので、最低気温は15℃以上をキープして、出来れば朝9時までに人口受粉を行いましょう。受粉には20℃以上の気温が必要となるので、人口受粉を行ったあとも温度管理を徹底してください。
メロンの花は、6月の中旬から下旬にかけて開花するので、この時期に合わせて人工授粉を行います。人口受粉を行うときは、花粉が出ている雄花を切り取り、雄花を雌花の先端にこすりつけて花粉をつけていきます。雌花は花の付け根の部分が膨らんでいるのが特徴で、膨らんでいないものが雄花になります。収穫の目安とするために、人工授粉の行った日付を記録しておきましょう。
メロンの肥料に関して
メロンの苗を植えつける際に元肥として肥料を施します。それ以降は、メロンの生育状況を見ながら、実が着いた後や、実がなってから10日くらいした頃に実が大きくなるように追肥をします。肥料の与えすぎに注意しながら量や回数を調整してください。
家庭菜園には、元肥や追肥にも使える「Plantia」花と野菜と果実の肥料がおすすめです。
メロンの剪定
メロンの苗をプランターに植え替えてから新しい葉、つるが伸びてきたら、摘心をします。親ヅルの本葉が5枚くらいになった頃、大体6月頃に1回目の摘心を行い、子ヅルは本葉が30枚くらいになった頃、大体7月頃を目安に2回目の摘芯を行い、生育の良いものだけを残して残りは切り取ります。
プランター栽培の場合は、子ヅルは2本、畑など露地栽培の場合は子ヅルを4本残して摘心します。
メロンの仕立て
プランターでメロンを育てる場合は、スペースが限られているので支柱を使ってツルを誘引し空中栽培するのがおすすめです。メロンは4本の支柱を用意して、あんどん仕立てにします。メロンを囲うように支柱を立て、紐を張ってしっかり固定したらメロンのツルを支柱に誘引します。
ネットを使えば、緑のカーテンのようにメロンのツルを誘引できます。
メロンの摘果
受粉したあと、10日から2週間くらいすると、果実が大きく膨らみはじめます。より美味しいメロンを育てるために、1つのツルに2玉以上のメロンが着いている場合は、ピンポン玉くらいの大きさから卵くらいに大きくなったタイミングで摘果を行います。せっかく出来た果実を摘果してしまうのは勿体ない感じがしますが、プランター栽培で複数の果実を育てると甘みが少なくなってしまうので、糖度を上げるためにも摘果を行いましょう。
メロンの水やりに関して
メロンは多湿を嫌いますが、必要な水分量は成長過程によって変わるので、様子を見ながら水やりを調整してください。
種まきや苗の植えつけをした後は、土が乾燥しないように水やりをしっかり行います。根が太く張り、着果したら、最初のうちは実が大きくなるように水やりは多めにして、着果から10日から18日までは少し水やりの量を抑えてください。その後は、水やりを元の量に戻して多めに与えますが、着果から40日頃は乾燥気味に育てることで糖度が上がるので、収穫の10日ほど前を目安に少しずつ水やりを減らしてください。
メロンの害虫とは
メロンは湿度に弱いので水はけが悪いと急性いちょう症が発生して、枯れてしまうことがあります。植えつけるときに浅植えにすること、水の与えすぎに注意すること、プランター栽培の場合は、水はけがよく保水性のある土を使うことで、湿気により起こる病気をある程度は予防できるでしょう。
暑さや乾燥に強い特徴をもつメロンですが、暑すぎて湿度が高い日が続くと、うどんこ病やモザイク病などの病気が発生します。土の排水を良くする、風通しをよくするために必要のない枝を除去することで病気の発生を防ぐことが大切です。
メロンの害虫対策は、見つけ次第その場で対処して被害を最小限に抑えることが大切です。新芽やメロンの茎の部分に発生しやすいアブラムシやハダニ類などの飛来を防ぐには、メロンにシルバーマルチを被せておくのが有効ですし、不要な雑草を取り除く、堆肥や腐葉土などを混ぜた害虫が発生しにくい土を作る、といったことがポイントです。
メロンの収穫の時期
ノーネット種のメロンなら人工授粉を行ってから大体40日から50日くらい頃で収穫できます。収穫時期は品種によって異なりますが、葉が枯れ始めて、黄色くなってきた頃が収穫の目安です。プランターで育てる場合は、収穫の1週間くらい前にプランターを回して、メロンの実にまんべんなく日光が当たるようにします。そうすることで、メロンの実の色むらをなくすことができます。
メロンはハサミでツルを切って収穫します。収穫してから1週間くらい追熟させると、果肉がさらに軟らかくなって、香りも甘さもちょうどいい食べ頃のメロンになります。
育てるのが難しいイメージがあるメロンですが、コツさえつかめば初心者の方でも簡単に育てられますし、ひと手間かけることでおいしいメロンを新鮮なうちに味わうことができます。最近は、家庭菜園向きの品種もたくさん出ているので、まずは育てやすい品種から、ぜひメロンを育ててみてくださいね。
☘73:メロンの育て方|甘く育てるにはどうしたらいいの?人工授粉や摘果の方法などもご紹介
植物の疑問をQ&A形式で回答していく「PlantiaQ&A」(プランティア)
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🍈甘いメロンを育てるコツ(果実の実らせ方・空中栽培の方法)
公開: 2020年8月20日
更新:2021年6月30日
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