2021.07.21 UP
【ハーブの育て方】ハーブ初心者でも安心!ローズマリーを育ててみよう
ローズマリーは、初心者でも栽培にチャレンジしやすい丈夫なハーブです。ご自宅でハーブ栽培を始めたいという方は、ぜひローズマリーを選んでみてはいかがでしょうか。今回は、ローズマリーの基礎知識や基本的な育て方、剪定のポイント、増やし方など、さまざまな情報をご紹介します。
色んな楽しみ方ができるハーブ、ローズマリー!
ガーデニングで育てられる植物にはさまざまな種類がありますが、なかでもブームになりつつあるのがハーブではないでしょうか。観賞だけでなく、多彩な用途で使えるハーブは、ひとつ育てているだけでも生活に彩りが加えられます。
特にハーブのなかでも育て方が簡単なのがローズマリーです。爽やかな香りが特徴的で、リラックスできるアロマやポプリとしても人気を集めています。料理の香りづけにも役立ち、特にオーブン料理との相性はバツグンです。原産地は地中海沿岸地域といわれており、乾燥した気候を好みます。ただし丈夫なため、日本のような高温多湿の地域でも元気よく育てることが可能です。
ローズマリーは、青紫やピンク、白などの小さな花を咲かせます。基本的には11月~5月が開花時期ですが、環境が良ければ年間を通して咲いてくれるものも。ぜひお庭に植えて、花の美しさと香りを楽しんでみましょう。
ローズマリーのおすすめ3種をご紹介!
ローズマリーにはさまざまな品種があるため、どれを育てたらいいか悩む方も多いはず。こちらでは、ローズマリーのおすすめ3品種をご紹介します。
トスカーナブルー
その名の通り、イタリアのトスカーナ地方で発見された代表的な立性タイプのローズマリーです。比較的生長が早く、香りが良いので料理用として特におすすめです。また、形もきれいに育ちやすいので観賞用としても良いでしょう。
マジョルカピンク
立性・半匍匐タイプのローズマリーで、かわいらしいピンクの花を秋から冬にかけてたくさん咲かせてくれます。丈夫で育てやすいので観賞用としてトピアリーにするのはもちろん、料理にも合います。
ウッドローズマリー
青みがかかった濃い紫花を咲かせるのが特長のローズマリーです。最初に上に伸び後で垂れてくる半匍匐性の性質を持ちます。多花性で特に観賞用として楽しみたい方におすすめです。
ローズマリーの種類とは
ご自宅で育てるローズマリーを選ぶ際には、以下の3つのタイプを知っておくと便利です。立ち性・匍匐性・半匍匐性のそれぞれの特徴を把握しておきましょう。
立性
地面から上に向かって垂直に伸びていく代表的なタイプです。高いものなら、2mを超えることもあります。剪定をこまめにすることで、大きさを調節することもできます。
匍匐(ほふく)性
地面を這うように伸びていくタイプで、高さは30cmほどとあまり高くはありません。匍匐性タイプは雑草除けとして、グランドカバーにうってつけですが、こちらのタイプにする場合は、どこで育てるのか検討したうえで植えつけてください。
半匍匐性(半立性)
立性と匍匐性をミックスしたタイプで、横方向に100~200cm伸びた後に上へ伸びていきます。変化が分かりやすいので育てていて楽しいですね。
ローズマリーの育て方とは?
ローズマリーは乾きぎみで日当たりの良い環境を好みます。季節に応じた方法でお手入れしていきましょう。こちらでは、ローズマリーの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
初めての方は、ハーブ用の土を使用するのが良いでしょう。基本的には水はけが良い培養土を選んでください。おすすめはゆっくり長く効く元肥マグァンプKが配合された『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』です。
また、プランターも要らないけど、一株分料理用に試しに植えてみたい!という方には、『今日から野菜 野菜を育てる土』がおすすめです。袋のまま育てることができます。また、培養土がずっしりと重く、風などで株が倒れづらい設計となっており、原料も厳選しておりますので清潔で、玄関先・ベランダなどでも安心してお使いいただけます。
種まき、育苗
ローズマリーは苗を購入して育てるのが一般的です。種まきは発芽までに時間がかかり、苗の管理も難しいため、初心者は避けたほうが良いかもしれません。種まきする場合は、春になって気温が20℃~25℃を保てるようになった時期がおすすめです。はじめは育苗ポットで育て、ある程度大きくなってから移し替えましょう。
苗の植えつけ
ローズマリーの苗は、ホームセンターや園芸店など、さまざまな場所で販売されています。明らかに元気のないものや徒長しているもの、虫がついているものは避けて購入しましょう。
苗を入手できたら植えつけです。真夏や真冬などの極端に気温が変化する時期を避けて植えつけましょう。
日当たり、風通し
鉢で育てる場合はなるべく日当たりと風通しがよく、土が乾きやすい場所へ置いてください。枝が増えてきた場合には、害虫予防なども兼ねて枝の剪定を行いましょう。剪定後は料理やリースなどにして楽しんでください。
地植えの場合は、水はけを良くするために土を盛り、高植えにするのがおすすめです。高植えにすると花つき、生育自体がよくなります。根をしっかりと張れるよう、事前に土をしっかりと耕しておきましょう。
水やり
鉢植えのローズマリーには、土の表面が乾いてからたくさん水を与えます。土をつねに湿らせた状態にするのは避けましょう。ローズマリーは過湿に弱いため、根腐れしてしまうことがあります。
地植えの場合、根がしっかりと張っていたら日々の水やりはほとんどいりません。基本的には降雨に任せましょう。
肥料
植えつけ時の元肥は、次第に効果が薄まってきます。タイミングを見計らって、追肥していくことがおすすめです。適量を施してあげれば、花つきも良くなります。おすめは『ハイポネックス原液』です。生育期間中は、1週間から10日に1回の頻度で水やりにプラスする形で追肥してあげましょう。地植えで水やりをする必要がない場合は、『Plantia 花と野菜と果実の肥料』か、少量でよい場合は『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。ローズマリーをはじめとするハーブを育てる際は、肥料をあげすぎると葉が固くなるので、肥料は控えめに(通常の野菜の施肥量の半分を目安に)与えてください。
収穫
ローズマリーは、茎ごと切り取って収穫を行います。清潔な刃物を使って、使う分だけカットしましょう。
基本的には1年を通していつでも収穫可能ですが、冬の間は生育が滞るため、切りすぎると株が弱ってしまいます。できるだけ控えめに収穫しましょう。
植え替え
鉢植えのローズマリーは、根詰まりを防ぐために植え替えすることが大切です。土の水はけが悪いと感じたら、根が鉢の中でいっぱいになっていないか確かめましょう。頻度は1年から2年に1回、適期は3月~5月、10月~11月です。梅雨や夏・冬の時期は植物にとってストレスとなるため気をつけましょう。
また、地植えの場合、基本的に植え替えは行いません。大きく育ったローズマリーを移植させると、根が傷ついて枯れてしまうこともあります。植えつけの際に、場所をよく考慮したうえで植えてあげることが大切です。
夏越し、冬越し
ローズマリーは耐暑性も耐寒性もありますが、真夏や真冬には少し管理の方法を工夫してあげる必要があります。ローズマリーは真夏の日差しに耐えられるものの、湿気には弱いのが特徴です。鉢植えの場合は鉢の下にレンガを置くなどで、全体の風通しを良くしましょう。
冬の場合は、生育が停滞するため水やりを控えめにします。施肥をするとかえって弱ってしまうことがあるため、肥料をあげるのも避けましょう。できるだけ寒風が当たらず、霜が降りる場所を避けて管理するのもポイントです。
ローズマリーの剪定方法は?
ローズマリーを長く育てるには、定期的に剪定してあげることが大切です。ふだんの収穫が摘心や剪定のかわりになりますが、適期が来たら樹形を整える剪定を行いましょう。
剪定の時期
暑さが苦手なため、7月の気温が上がる前に剪定してあげましょう。開花が終わったころは大胆に剪定することもおすすめです。
剪定のポイント
剪定する場所は、花が咲いた場所の少し下部分を切りましょう。その際、根本部分には葉を残すことがポイントです。すべて切り詰めてしまうと新しい枝が伸びないこともあります。木質化した古い枝には新しく芽が出ないため、刈り込んでしまっても問題ありません。伸びすぎた枝や弱った枝を取り除くことも有効です。基本的には少しずつこまめに切るのがよいでしょう。刈り込みすぎには注意し、強めに剪定を行いたい場合は、梅雨前に行うようにしましょう。その場合も、葉を残して剪定してあげてください。
ローズマリーの増やし方は?
ローズマリーは挿し木で増やすことができます。種の採取は、発芽率が低く収穫までの時間もかかるので、挿し木で増やすのが一般的です。こちらでは、挿し木の方法をご紹介します。
挿し木の時期
ローズマリーの挿し木をする際に注意したいのは時期や気温です。暑すぎても寒すぎてもうまく根づきません。適している時期は気温が20℃~25℃の5月~6月もしくは9月~10月です。
挿し木の準備
挿し木で使用するのは、水を入れた容器や挿し木用土、清潔な刃物などです。雑菌が入りこむと挿し穂がうまく育たないことがあるため気をつけましょう。また、挿し木に使う土は、肥料が入っていないもののほうが適しているとされています。市販の挿し木用土を使うと手軽です。
挿し木の方法
挿し木の際には、茎の先端を切り取って挿し穂をつくります。その年に生長した部分を10cm~15cmカットし、挿し穂にしましょう。古い部分の枝を切っても根づきにくいため、新しい枝を使うのがポイントです。切り口は斜めにすることで、水や栄養を吸いやすくなります。下のほうについた葉は取り除き、水分が蒸散しすぎるのを防ぎましょう。
挿し穂はコップなどの丁度いい大きさの容器の水に入れ、1時間程度水をたっぷり吸わせてください。その後、清潔な新しい土を使って挿し木をします。挿し木後はたっぷり水をあげてください。適度に水をあげ、数日後に新しい芽が出ていれば成功です。ある程度育ったら育苗ポットへ移して育てていきましょう。
病気や害虫は?
ローズマリーは病害虫の被害が少ないことで知られています。ただ、アブラムシやうどんこ病などには注意しましょう。
うどんこ病対策
ローズマリーで注意したい病気は「うどんこ病」です。うどんこ病とは、葉全体に白い粉がついたようになる病気のこと。高温・多湿が原因で発生しやすく、梅雨時期などは特に注意が必要です。見つけたら早めに切り取り、切り取った枝や葉はすべて処分してください。
うどんこ病を予防するためには、風通しの良い環境で育てることも大切です。ほかの植物との密植を避ける、剪定して枝が混み合わないようにするなど工夫してみましょう。
アブラムシ対策
ローズマリーには、アブラムシのような害虫が発生することがあります。特に鉢植えに発生しやすいため注意が必要です。虫がついていたらすぐに駆除できるよう、毎日観察しておきましょう。予防のために、風通しの良いところで育てることも大切です。
ただ、いくら対策していても、虫の被害を抑えるのは難しいことがあります。そんなときは専用の薬剤を使ってローズマリーを守りましょう。アブラムシ退治には、肥料と同時に殺虫効果のある『ハイポネックス原液殺虫剤入り』がおすすめです。施肥しながら害虫対策も行いましょう。
ローズマリーにおすすめの寄せ植え植物は?
ローズマリーは大きく育ちやすい植物ですが、品種によってはコンパクトに管理して寄せ植えを楽しむこともできます。お好きなハーブと寄せ植えして、素敵なガーデンをつくってみましょう。
寄せ植えの組み合わせとしておすすめなのが、ローズマリーと似た環境を好む植物です。乾き気味の土と日当たりの良い場所を得意とし、耐寒性のある品種を選びましょう。こちらでは、条件を満たすおすすめの植物3選をご紹介します。
ラベンダー
香り高いハーブとして知られるラベンダー。青紫の花の色が、ローズマリーとしっくりなじみます。開花時期は4月~7月にかけてです。品種によって、20cmほどの小さなものもあれば、100cmを超えるほど大きくなるものもあります。栽培するローズマリーの草丈に合わせた品種を選びましょう。
セージ
セージには多岐にわたる品種が存在します。花の色や草姿もさまざまです。ローズマリーと組み合わせたときのバランスを考えながら、お好みの品種を選びましょう。
セージは、ローズマリーと同様に料理のスパイスとして活躍します。一緒に植えておけば、気軽に収穫して使えるため便利です。
オレガノ
調理用のハーブとして有名なオレガノも、ローズマリーと寄せ植えするのにおすすめです。草丈は30cm~90cmで、6月~8月にはきれいな花を咲かせます。収穫した花はドライフラワーとして楽しむこともできます。
ローズマリーの活用方法
ローズマリーの醍醐味のひとつが、収穫したものの活用です。最後に、ローズマリーの活用方法をいくつかご紹介します。
インテリアとして楽しむ
ローズマリーの枝を長めにカットし、リースやフラッグにすればおしゃれなインテリアとして活用できます。ドライになった後でもほんのりローズマリーの香りを楽しめるのもうれしいポイントです。ポプリやアロマとしてリラックス効果も期待できます。
料理やハーブティーの素材にする
ローズマリーは香りが強く特徴的なので、肉料理のにおい消しとして効果的です。もちろん、魚料理も引き立ててくれます。収穫してすぐに新鮮なものを使うのはもちろん、乾燥させて長く保存することも可能です。うまく乾燥させられると、香り高いローズマリーを長く楽しめるでしょう。
乾燥させたローズマリーは、料理の香りづけにしたり、お湯を注いでハーブティーにしたりと、さまざまな方法で活用できます。ただし、どうしても劣化していくため、できるだけ早めに使い切ることを心がけましょう。
ローズマリーを育てて生活を豊かに
観賞用としても、料理のスパイスやインテリアの素材としても楽しめるローズマリー。耐暑性と耐寒性に優れており、丈夫なことがメリットです。初心者にも育てやすいハーブのひとつのため、気になる方はぜひ育ててみてはいかがでしょうか。収穫したローズマリーを使って、生活をより豊かに彩りましょう。
☘41:|ローズマリーの育て方|水やりや肥料などの日々の管理、剪定方法や苗の選び方などご紹介
スキッリとした強い香りがあり、料理や薬用として活用されているローズマリー。地中海沿岸地方が原産のハーブです。生育旺盛で丈夫なので適宜収穫して楽しめます。常緑のまま冬を越すので霜さえ降らなければ元気に育ちます。常緑性なので、庭に彩りをプラスしてくれる植物としても重宝します。
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