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KEIKOさんの鎌倉・谷戸から花便り3
鎌倉の紅葉と初冬からの花

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鎌倉の紅葉が見頃になるのは、毎年、ほぼ師走になってから。2018年は台風の塩害で葉が早く枯れ落ちたり、枝先や葉の縁が傷んでしまった樹木もあって、紅葉狩りの楽しみは1年先までおあずけかなと気をもんでいました。ところが紅葉狩りは近寄って細部を観察するものではないため、意外と塩害の影響は最小限ですんだようです。

谷戸住まいの借景の一年は、木々の冬芽のふくらみ、そして芽出しの時期の山の淡い色合いの変化からはじまり、新緑から深緑の間のさまざまな緑を楽しんで、ハイライトが初冬の紅葉です。山の紅葉は美しいのですが、鮮やかな紅色を愛でるのならばやはり寺社の境内、庭園かもしれません。

とっておきのお寺と山の紅葉

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円覚寺。総門前紅葉は色づきが早い

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明月院。方丈「円窓」から後庭園の紅葉を見る

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覚園寺の紅葉

 

11月後半、円覚寺総門前のイロハモミジが色づくと毎年紅葉狩りのはじまりです。鶴岡八幡宮、長谷寺など定番の観光スポットに加えて、覚園寺、海蔵寺、浄智寺、長寿寺はそれぞれ特徴があって美しいですね。また訪れた人が感動するのが明月院の「円窓」から見る後庭園の紅葉。後庭園の特別公開は年に2回、ハナショウブと紅葉の時期です。「悟りの窓」といわれる円窓の眺めから、禅の教えに思いを馳せる時間もよいものです。

 

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獅子舞谷の紅葉

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源氏山公園

 

そして鎌倉ならではの山の名所もスケールが大きくて絶景です。一番有名なのは天園ハイキングコース途中の獅子舞谷。大塔宮方面から登るのが近いですが、建長寺半僧坊から天園を経て谷に下るコースも富士山や海の眺めを楽しめます。もっと楽に行けるのは鎌倉駅から近い源氏山公園。北鎌倉からの大仏ハイキングコースの途中に寄ることもできます。

冬の庭の実もの、冬の庭の野鳥

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黄実のセンリョウ

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ヤマガラ(上)、カワラヒワ(下)

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モズ(左上)、メジロ(右上)、シロハラ(左下)、アオジ(右下)

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ヒヨドリ

 

さて自宅の庭を彩ってくれていた紅葉は、11月中旬には紅くなるノムラモミジ、12月に黄色くなるハウチワカエデが散り、最後はオレンジ色のイロハモミジが終わると師走も残り少なく、気が急く日々になります。

春咲きの球根の芽はまだほんの少し見えているだけで、この時期の庭の彩りはキミセンリョウ、ナンテン、ユズ、レモンなどの実ものばかり。自然のままにしているので、ヒヨドリなどの鳥に食べられて日ごとに冬枯れの色だけになってしまいます。ただ、庭や谷戸の紅葉が散って枝が露わになると、野鳥たちはウオッチしやすくなるのが冬の谷戸の家の楽しみです。

年末年始はロウバイの香りを訪ねて

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円覚寺舎利殿のロウバイ

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浄智寺のマンゲツロウバイ

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東慶寺のソシンロウバイ

 

初冬の鎌倉は除夜から初詣の賑わいが始まるまでは静かな時期です。寺社や路地では寒咲スイセンの香りが漂い、歳末には早いロウバイの香りにも気づかされるので、ことさらに花散歩を心がけなくとも季節の花に出会えます。

名残の紅葉狩りの頃に咲きはじめたスイセンの花数がふえて、ロウバイの丸いつぼみがふくらんでいるというのは初詣の鎌倉のお寺ではよく見られる景色です。とはいえ期間限定の見逃せないロウバイもあり、円覚寺舎利殿の正月特別公開の日には国宝舎利殿だけでなくこの花にも注目です。

初詣のあとは早咲きの梅や牡丹も

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荏柄天神の早咲きカンコウバイ(左)、鶴岡八幡宮のボタン(右)

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東慶寺のトウジバイ

 

また、鎌倉で一番早咲きといわれる荏柄天神社のカンコウバイ(寒紅梅)、円覚寺のハクバイ(白梅)、東慶寺のトウジバイ(冬至梅)などは、初詣のあとの散歩でも出会えるウメの花です。鶴岡八幡宮牡丹園の正月ボタンも咲きはじめています。

 

 

初冬の鎌倉、谷戸の景色、けっして花のないさびしい時期ではありません。季節の移ろいを教えてくれる植物たちが目に入って、それは楽しい鎌倉ぐらしです。

KEIKOさん 

北鎌倉に越す以前、東京時代の仕事は雑誌編集者。マンションのベランダと戸建ての庭でのガーデニング経験あり。昔はタネから育てたり、品種コレクションを頑張ったこともあるけれど、いまは気楽に自然体の庭づくりを楽しんでいる。鎌倉や旅先では寺社の庭や公園・緑地の季節の花を見たり撮影したりする散歩好き。

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