2022.04.06 UP
【家庭菜園】初心者向けガイド~ハーブの基本的な育て方やおすすめ品種10選~
古くから多くの地域で育てられてきたハーブ。品種を選べば、ガーデニング初心者の方でも簡単に栽培することができます。観賞するだけではなく、料理の香りづけに利用したり、アロマテラピーのエッセンシャルオイルに利用したりと用途はさまざま。いつでも摘みたての新鮮なハーブを使えるようになると、日々の生活がいっそう豊かに感じられるかもしれません。今回はガーデニング初心者におすすめのハーブや、基本的な育て方、お手入れのポイントなどをご紹介します。
🌱020:スペアミントの植え替え
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そもそもハーブとはどんな植物?
そもそもハーブという名前の由来は、ラテン語の「ヘルバ(herba)」 が語源です。その後英語の「herb」に変化していきました。ハーブはもともとヨーロッパの伝承医療として使用されてきた葉花を指します。ハーブは香りがよく、手軽に栽培可能なことから、近年ガーデニングにおいて注目されている植物です。ハーブは食用や薬用、虫除けに使用されます。ハーブは料理の香りづけやアロマセラピーのエッセンシャルオイルとして利用ができ、ハーブティーとしても愉しむことができます。
ハーブには数えきれないほどの種類があります。初心者でも育てやすい品種を選び、ご自宅に植えてみましょう。こちらでは、ハーブの基本的な育て方についてご紹介します。
ハーブが好む栽培環境
基本的に、ハーブは高温多湿を嫌います。品種によって丈夫さや耐暑性、耐寒性は異なりますが、強い直射日光が当たる場所や水はけの悪い場所などは避けたほうが無難です。育てたいハーブを見つけたら、品種を確認して、どういった環境を好むのか調べておきましょう。
ハーブ栽培の土づくり
ハーブに使用する土は、市販のハーブ用培養土や野菜の培養土で問題ありません。ご自分で配合したい場合は、水はけが良くなるように調整しましょう。
また、用土には元肥として緩効性肥料を加えておくことが大切です。『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』にはすでに緩効性肥料『マグァンプK 中粒』が混ぜられているため、別途元肥を用意する必要はありません。
また、ハーブを栽培してみたいけど、鉢・プランターを準備するのは…、という方には、『今日から野菜 野菜を育てる土』がおすすめです。袋のまま育てることができます。また、培養土がずっしりと重く、風などで株が倒れづらい設計となっており、原料も厳選しておりますので清潔で、玄関先・ベランダなどでも安心してお使いいただけます。
ハーブの種まきについて
ハーブのなかには、種からでも育てやすい品種があります。代表的なものがパクチーやバジルです。発芽しやすく、適切にお手入れすれば長期間収穫も行えます。種まきをする場合は、ハーブの発芽に必要な温度を確認しましょう。お住まいの地域によって、種まきに適した時期は変化します。
種まきに使う用土は、肥料が入っていないものがおすすめです。市販の種まき用土を購入しても良いでしょう。ご自宅の花壇や庭などの土を使うと、混ざっていた雑草の勢いに負けてしまうことがあるため注意が必要です。
ハーブの基本的な育て方
■初心者は苗から育てるのがおすすめ
初心者の方は、苗から育てるのがおすすめ。種から育てる場合は発芽するまでに時間がかかり、ガーデニングに慣れていない方だと失敗してしまう場合があります。苗であれば、芽が出た状態まで育てられているので、収穫までの時間を短縮できるのがメリットです。
・用意するもの
①市販のハーブ用培養土
②ハーブの苗
③鉢、プランター
④鉢底ネット
⑤軽石や鉢底石
⑥軍手
苗を購入したら、上記の道具を用意しましょう。苗は鉢やプランターに植えるのがおすすめです。鉢やプランターであれば移動ができ、日差しや雨風の調整することができます。土は市販のハーブ用培養土や『野菜の培養土』で問題ありません。
・ハーブを植える手順
①鉢の底穴に鉢底ネットと軽石を敷き、その上に鉢の1/3くらいに培養土を入れます。
②ポットから苗を取り出し、手でほぐして土を1/3程度落とします。根が長すぎる場合はハサミでカットしましょう。
③ハーブの根を広げて鉢の中心に置いたら、鉢の縁から2~3cm程度下にウォータースペースを確保して培養土を入れます。
④根元を軽く押さえて均したら、鉢の底から流れでるくらいたっぷり水を与えましょう。
植えつけ後は活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に薄めてあたえましょう。
・ハーブの植え方のコツ
用土はやや少なめに。用土は『野菜の培養土』がおすすめです。
植え込むときは、苗が成長したときのことを考えて充分に株間をとりましょう。株間は20~30センチを目安に空けるのが理想です。ハーブはやや乾燥気味で育てると良いので水やりは基本少なめに。水の与えすぎには注意しましょう。
ハーブの植えつけ手順
①鉢に入れる用土はやや少なめを意識します。すりきりいっぱい土を入れてしまうと、水がたまる「ウォータースペース」がなくなってしまうためです。ウォータースペースがなければ、水やりの際に土がこぼれてしまいます。
鉢の底穴には鉢底ネットと軽石を敷き、その上から鉢の1/3くらいの高さまで培養土を入れましょう。このとき、『マグァンプK 中粒』等の緩効性肥料を土に混ぜ込んでください。後述しますが、ハーブを育てる際は肥料は少なめにあたえてください。野菜の施肥量の半分を目安にするとよいでしょう。
②ポットから苗を取り出し、手でほぐして土を1/3程度落とします。根が長すぎる場合はハサミでカットしましょう。
③ハーブの根を広げて鉢の中心に置いたら、鉢の縁から2~3cm下までウォータースペースを確保して培養土を入れます。
④根元を軽く押さえて均したら、鉢の底から流れ出るくらいたっぷり水を与えましょう。2つ以上の苗を植え込むときは、生長したときのことを考えて十分に株間をとります。株間は20~30cmを目安にあけるのが理想です。
植えつけ後は活着促進のため、植物用活力液『リキダス』を1,000倍に薄めて与えましょう。
ハーブの手入れのコツ
ハーブは基本的に手がかからないものが多い植物です。ただ、適したお手入れ方法を知らなければ、うまく育てられないこともあります。ハーブを上手に育てるために、コツや注意点を押さえておきましょう。
葉の摘み方(摘芯)
摘芯とは、主枝の先端をカットすることで、新芽や花や実などの生長を促すための作業です。
ハーブの高さが20~30cmほどになったら摘芯をしましょう。先端を摘み取ることで栄養が分散し、新しい芽が左右に生えて収穫量を増やすことができます。
切り戻し
切り戻しは、枝が伸びすぎたり、株が大きくなりすぎたりしたときに行います。株元から1/3ほど残して全体的にカットしましょう。切り戻しすることで新芽が増えて株が若返ります。また、花を咲かせるハーブは花つきが良くなります。
日当たり
多くのハーブは日光を好みます。半日以上日が当たることを目安として、日当たりの良い場所にハーブを置きましょう。しかし、チャービル・チャイブなどは強い日差しに弱いので、半日陰の方がよく育ちます。それぞれの品種に応じた環境を用意することが大切です。半日陰の環境がお庭にない場合は、寒冷紗やよしずなどで日よけをつくってあげましょう。
寄せ植え時の注意点
ハーブに限らず、植物の寄せ植えは少々難易度が上がります。特に気をつけておきたいのが品種の組み合わせです。まったく異なる性質のハーブどうしを植えてしまうと、管理が難しくなってしまいます。寄せ植え時は、同じような栽培環境を好むハーブどうしを組み合わせてみましょう。
ハーブの肥料
ハーブはやせた土地でも枯れにくい強さを持ちます。基本的に、それほど肥料を与えなくても十分に育てることが可能です。与えすぎると反対に葉が固くなることがあります。ただし、適切なタイミングで適量を施肥できれば、より立派な株に近づきます。特にたくさん収穫したいときや、大きく育てたいときなどは、肥料を与えておくのがおすすめです。
培養土に含まれる肥料は1カ月程度で効果が薄れます。葉の色が黄色味かかっていたら肥料切れのサインのため、液体肥料『ハイポネックス原液』を与えましょう。また、ハーブの生育期(3~7月)に生育が悪いと感じた場合も液体肥料を追加します。育てる品種の性質に合わせ、量や頻度を調整することが大切です。
ハーブの水やり
多くのハーブは乾燥を好むため、基本的に水を与えすぎないようにしましょう。土が乾いたら、鉢やプランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。毎日こまめに水を与えすぎると根腐れの原因になるため注意しましょう。水を与える際は、株元にかけるようにするのがポイントです。葉や花にかけると病気の原因となる可能性があります。ホースで勢いよく水を当てず、ジョウロで優しくゆっくりと注いであげましょう。
初心者向きのおすすめハーブ10選
さまざまな用途で使用できるハーブですが「上手に育てられるか不安…。」と心配になる方も多いはず。今回は初心者向きの育てやすいハーブを10種類ご紹介します。
ミント
ミントは初心者でも育てやすいハーブの代表格です。寒さ・暑さに強く、丈夫で生育旺盛。基本的な育て方を抑えておけば気軽に栽培できます。春から秋にかけて長く収穫していけるのもメリットです。よく知られている品種はスペアミントやペパーミント、アップルミントなどです。ミントの鉢は風通しが良く、日当たりの良い場所におきましょう。地植えにすると広がりすぎてしまうことが多いため注意が必要です。ミントは乾燥に弱いので土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。用土も適度に保水性のあるものを準備したほうが良いでしょう。ただし、水を与えすぎても根腐れを起こすため、必ず土の様子を見てから水を与えましょう。
ミントは次々と新しい葉をつけます。花芽がつくと葉が大きく育ちにくくなるため、剪定することがポイントです。少量を使いたいときは葉だけを摘み取っても問題ありませんが、沢山収穫する際は、2,3節は残して収穫すると次の芽を出しやすくなります。
☘91:ミントの育て方|鉢植えと地植え、どちらが良い?肥料などの日々の管理、剪定方法や収穫方法などご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ローズマリー
ローズマリーは地中海沿岸地方が原産のハーブです。すっきりとした香りが大変爽やか。常緑のまま冬を越すため、霜さえ降らなければ元気に育ちます。春から秋にかけて小さな花が咲きますが、温暖で生育が良ければ四季咲きです。お庭やベランダにローズマリーが一株あれば、一年を通して利用できるでしょう。花の色は青や青紫、白、ピンクなどです。品種によって樹形が異なり、立ち性のものもあればほふく性のものもあります。
ローズマリーは風通しと日当たりの良い場所で育てます。やや乾燥を好むため、土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。また、ローズマリーは地中沿岸地方が原産のハーブのため、厳しい寒さが苦手です。冬は軒下に移動するようにしましょう。
ローズマリーの収穫時は枝ごとカットします。春から秋にかけて、使いたいときに適宜摘み取りましょう。冬場は生育が停滞するものの、少量の収穫は行えます。注意したいのが、花を楽しみたいときです。収穫のために枝を切りすぎると、花が咲きにくくなることがあります。開花期前に伸びてきた枝は切り取らず、そっとしておいたほうが良いでしょう。
☘41:|ローズマリーの育て方|水やりや肥料などの日々の管理、剪定方法や苗の選び方などご紹介|
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
バジル
バジルは夏の暑さに強いハーブです。春に種をまき、1カ月ほど育てれば葉を収穫できます。温暖な時期にぐんぐん生長し、夏の間もたくさん収穫できるのがメリットです。一年草のため、夏が過ぎて秋になると枯れていきます。寒い時期は育てられないため、春になってから苗を購入したほうが良いでしょう。収穫したものは料理やハーブティーとして使用できます。
バジルは日当たりを好み、強い西日が当たる場所でも耐えられます。乾燥には弱いため、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えるのがポイントです。水切れすると葉が固くなりやすいため、適切なタイミングで水やりしましょう。乾燥しやすい夏は朝と夕方の2回水やりするのもおすすめです。また、栽培するうちに花芽がつきますが、そのままにしておくと開花のためにエネルギーを使い始めてしまいます。花芽をすぐにカットすることで長く収穫を楽しめます。
☘52:バジルの育て方|水やりや肥料などの日々の管理、剪定方法や収穫方法などご紹介
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シソ
爽やかな香りが特徴で、日本料理の薬味としても活躍するシソ。身近なハーブの代表格といえます。葉だけを食用するイメージが強いかもしれませんが、花穂や果実、芽なども収穫して食べることができます。家庭菜園に加えておきたい植物のひとつです。品種は豊富で、緑の葉をつける青ジソや紫色の葉をつける赤ジソ、葉の両面で色が異なるまだらシソなどがあります。葉の縁がギザギザとのこぎり状になっているものもあれば、ちりめん状に波打っているものも有名です。
シソは土質を問わずに植えられますが、たくさん収穫したい場合はしっかりと「マグァンプK 中粒」等の元肥の混ざった土を使うことが大切です。植えつけ時に乾燥させるとすぐに傷んでしまうため、たくさん水をあげるように気をつけましょう。日々の水やりも、土が完全に乾いてしまう前に行います。藁や腐葉土を土の上にかぶせておき、乾燥を防ぐのもおすすめです。また、柔らかい葉に育てるためには、日に当てすぎないことがポイントです。直射日光を避けた半日陰の場所で管理しましょう。
シソの収穫は暑い夏の時期です。本葉が10枚程度の頃から収穫可能となります。下に生えている葉から順番に摘み取っていきましょう。長く収穫していくためには、花芽がついているのを発見したらすぐにカットすることが大切です。取り除いた花穂は、穂ジソとして料理に使ってみましょう。花芽を摘まずに放置しておくと、そのうち結実します。シソの実は実ジソと呼ばれる食材となります。お好みの方法で調理して食べてみましょう。
☘83:シソの育て方|香り良く柔らかい葉を育てるには?肥料の与え方や、摘心などもご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ラベンダー
香りが良いハーブの代表格であるラベンダー。たくさんのラベンダーを栽培して、うっとりするような香りを楽しむのが憧れ、という方も多いのではないでしょうか。ただ、地中海原産のラベンダーは、日本の高温多湿な環境が少々苦手です。暖地でも栽培できるように改良された品種を選んで育ててみましょう。ラベンダーを育てるときは、特に水はけに注意します。日当たりが良い環境を好みますが、強い日光が当たる場所は避けましょう。水やりは土が乾いてから行います。多湿になると蒸れて枯れてしまうことがあるため、梅雨は降雨の当たらない場所へ移動させたほうが良いでしょう。高植えにすると、水はけと風通しがともによくなるのでおすすめです。
ラベンダーの収穫は、花が咲く前の蕾のうちに行うのがおすすめです。生け花やドライフラワーにするのであれば、開花が始まって少し経ったあたりのものを摘み取りましょう。花穂全体が開花する頃には香りが弱くなり、花色も茶色の枯れた花も混じっており、見た目が悪いためです。ラベンダーを収穫するときは、花茎の根元をカットします。根に近すぎる部分を切ると新芽が出にくいため、いくらか葉を残しておくのがおすすめです。剪定を兼ねて収穫していけば、何度か花を楽しめるかもしれません。
また、ラベンダーを長く育てていると、株がどんどん大きくなっていきます。株の風通しを良くするため、混雑した部分があったら剪定してあげましょう。基本的には古くなった枝を切り取ります。地面に接している枝があったら、そちらもカットしておきましょう。
☘50|ラベンダーの育て方|苗の選び方や植えつけ方法。日々の管理や水やり、花の収穫や剪定方法などもご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
カモミール
甘く優しい香りと、愛らしい花の姿を持つカモミール。ハーブティーやアロマテラピーなど、さまざまな場面で人気を集めています。代表的な品種はジャーマンカモミールとローマンカモミールです。ふたつともよく似ているため、同じ植物と間違われることも少なくありません。ジャーマンカモミールは花にしか香りがないのに対し、ローマンカモミールは葉にも香りがある点が大きな違いです。ローマンカモミールは花も大きく平たいです。一方、ジャーマンカモミールは真ん中の黄色の部分がこんもりしており、カモミールティーとしても使われています。ジャーマンカモミールのほうが丈夫で育てやすいため、初心者の方はこちらを選ぶと良いかもしれません。
基本的には、水はけと日当たりの良い場所へ植えてあげましょう。種からでも育てられますが、発芽してから大きく生長するまで少々時間がかかります。種まき適期は暖かくなった春です。植えつけの際は蒸れを防ぐため、株間を十分にあけましょう。乾燥しやすい時期は葉水を与え、ハダニの発生を予防します。花が咲いたらひとつずつ摘み取って収穫していきましょう。
ジャーマンカモミールは一年草ですが、こぼれ種でいつの間にか新しい株が増えていきます。植える場所を限定しておきたい場合は、花が咲き終わったら掘り上げて移動させましょう。ローマンカモミールは多年草で、地上部が枯れても翌年には再び芽を出します。
セージ
シソ科の植物であるセージは、料理のスパイスやハーブティーの素材として活躍します。鼻に抜けるような強い香りを持つため、肉料理に合わせることが多いハーブです。一般的にセージと称されているのは、コモンセージと呼ばれる種類です。ほかには、花を観賞するのに適したチェリーセージやサルビア・ファリナセアなどさまざまな種類があります。
セージは乾燥した環境を好みます。水はけや風通し、日当たりの良い場所で育てましょう。梅雨や夏の高温多湿な時期は、特に蒸れないように注意します。夏越しの準備として剪定しておきましょう。水やりするのは土が乾いてからです。乾燥しやすい夏場は水切れしないように様子を見ておきましょう。収穫の際は、使う分だけ葉をちぎるか、枝ごとカットします。根詰まりしないよう、1年に1回は植え替えを行いましょう。適期は春か秋ですが、特に新芽が伸びやすい春がおすすめです。
また、セージを長く育てていると、木質化して固くなってきます。木質化した部分は生育が悪くなり、葉を収穫できなくなるのが難点です。セージが老化する前に挿し木をして、新しい株をつくっておくのもひとつの方法です。
タイム
タイムは肉にも魚にも合うシソ科のハーブです。ほかのハーブと一緒に束ねて「ブーケガルニ」をつくり、煮込み料理に使われることもあります。
有名な品種であるコモンタイムは、タチジャコウソウとも呼ばれています。香りが良いのはもちろん、花の美しさも魅力のひとつです。低木のため、丁寧にお手入れしていけば何年も育てられます。耐寒性と耐暑性がともに強い点もメリットです。
タイムは多湿を嫌うため、水はけの良い土を用意することが大切です。苗を購入してきたら、すぐに鉢へ植え替えてあげましょう。水やりは土の表面が乾いたタイミングです。夏が来る前には剪定して風通しを良くし、夏越しの準備をしましょう。
収穫時は葉だけを摘むのではなく、枝の根元から切るのがおすすめです。小さな葉を一つひとつ取るのは手間がかかるため、枝をこすって落としてかまいません。冬になると生育が停滞するため、収穫せずに管理していきましょう。耐寒性はあるものの霜には弱いため、必要に応じて室内へ移動させるのも大切です。また、タイムは根がよく伸びる植物です。毎年、春か秋には植え替えて根詰まりを防ぎましょう。
フェンネル
フェンネルは葉や種、花、実などを食用できるセリ科のハーブです。甘く爽やかな香りがあります。別名であるウイキョウのほうがなじみ深いという方も多いのではないでしょうか。主な品種にはフローレンスフェンネルやブロンズフェンネルなどがあります。ディルという別種のハーブと外見が似ているため、混同されることも少なくありません。大きいものだと2mほどの草丈に生長することがあるため、広いスペースを確保してあげましょう。
フェンネルが好むのは、水はけの良い肥沃な土です。緩効性肥料「マグァンプK 中粒」等の元肥の入った用土へ植えつけましょう。植え替え時に根が傷つくとすぐに枯れてしまうことがあるため、できるだけ植え替えが少なく済むよう配慮が必要です。植えつけはできるだけ苗が大きく育つ前に済ませましょう。水やりは土が乾いたときに行います。乾かしすぎると「とう立ち」しやすくなるため、土の様子を確かめながら水やりしましょう。
葉を収穫する場合は、使う分だけ適宜摘み取ります。茎を食べるなら固くなってしまう前に根本からカットしましょう。香りを楽しむなら乾燥させないように注意します。葉や茎の収穫を長引かせたい場合は、花芽がついたらすぐに切り取りましょう。実や種を収穫したい場合は花が咲き終わるまで待ち、乾燥させます。
フェンネルは多年草のため、冬に地上部が枯れても、春になれば再び育ち始めます。こぼれ種でも増えるため、植えっぱなしにしておくと翌年にはいくつものフェンネルが育っているかもしれません。
ルッコラ
イタリア料理には欠かせない存在のルッコラ。英名である「ロケット」で覚えている方も多いかもしれません。風味はゴマに例えられ、生食すると辛みや苦みを感じることがあります。サラダに入れるのはもちろん、スパイスとして肉料理に加えることもおすすめです。
ルッコラは種からでも育てやすいハーブに含まれます。種まき後、1カ月ほどで収穫できるスピード感も魅力です。一株だけでもたくさんの葉を摘み取って食べられるはず。時期を少しずつずらしながら種まきして、次々と収穫できるように調整するのもおすすめです。鉢やプランターに直まきし、土の表面が乾燥したタイミングで水やりを続けていきましょう。
葉の大きさが10cm~15cmになったら食べごろです。大きくなりすぎると固くなり、苦みも強くなります。中心部から新しい芽が出てくるので、外側についた葉から順番に摘み取っていきましょう。ただし、一番外側の葉はあまり美味しくないので摘み取らずそのまま残しておいた方が無難です。
おわりに
ハーブは観賞するだけではなく、料理の香りづけに利用したり、ハーブティーをつくったり、アロマを楽しんだりと、さまざまな用途があります。お気に入りのハーブをご自分のお庭やベランダなどで育て、生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか。日々の手入れや水やりの頻度など、品種ごとに適した栽培方法を調べて育てていきましょう。
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是非、ご覧ください。
https://www.youtube.com/user/HYPONeXJAPAN
公開: 2019年3月7日
更新: 2022年4月6日
この記事で紹介された植物について
ミント類
特長
清涼感あふれる独特の香りが魅力のミント。メンソールの香りは利用範囲が広く、歯磨きやガムなど、最も生活に親しまれているハーブです。種類も多く、少しずつ香りが異なります。生育旺盛なので、広がり過ぎに注意しましょう。
ローズマリー
スキっとした強い香りがあり、料理や薬用として活用されているローズマリー。
生育旺盛で丈夫なので適宜収穫して楽しめます。常緑性なので、庭に彩りをプラスしてくれる植物としても重宝します。
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