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KEIKOさんの鎌倉・谷戸から花便り4
鎌倉観梅の楽しみと春めく庭

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立春過ぎると春告草(梅の異名)の話題もちらほら聞こえてくるころ、谷戸のわが家では昔あった大きな木の切り株が残っているだけで、ウメは1本もありません。でも北鎌倉は梅の里と言ってもいいくらいお寺にも民家にも、足を延ばせば公園や梅林にも梅の香が漂います。窓からは隣家の花を借景で楽しませてもらえるし、それで十分な環境です。

また名所と名高いお寺の庭も、早咲きの一輪から遅く開花する木の華やかな満開まで意外と花の時期は長いので、気が向いた日に探梅を始めます。同時に足元では野草の花もいち早く春を告げます。こちらは一瞬で終わる小さな花たちですから見逃せません。育てているお寺が多いフクジュソウはもちろん、ちょっと珍しいセツブンソウやバイカオウレンなどまで、毎年近くで会えるのが楽しい早春の散歩です。

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東慶寺 茶室・寒雲亭前のリョクガクバイ

 

 

北鎌倉のお寺の梅と早春の花

まず鎌倉の梅の名所案内には必ず名の上がる東慶寺、山門からまっすぐに続く参道の両側に白梅紅梅が間近に見られ、マンサク、ボケ、フクジュソウなどが彩りを添えています。茶室・寒雲亭辺りにあるリョクガクバイにはメジロが蜜を吸いにきていました。
本堂、宝蔵を過ぎて桜塚の石碑の手前にはバイカオウレンがひっそりと。自生地のような群生ではありませんが、近くで見られるのはうれしいものです。2月から5月は宝蔵で開かれている寺宝展も楽しみです。今年は『蒔絵展』が開催中。

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東慶寺 リョクガクバイに来ているメジロ(左)、コウバイ(右)

 

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東慶寺 バイカオウレン(キンポウゲ科)

 

鎌倉五山第二位の円覚寺もさまざまな梅が咲いていますが、高台からウメの花越しの景色が楽しめる龍隠庵には必ず立ち寄ります。やぐらの辺りの紅梅白梅とともに早い時期に開花する木が多いようです。
選仏場と居士林の間を進む参道脇には、フクジュソウやカンザキアヤメも咲いています。

 

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龍隠庵 ハクバイ(左)、コウバイ(右)

 

山の梅と木の花

北鎌倉の谷戸から長谷へ向かうハイキングコースは楽な山道で、冬も観光客や家族連れに人気のようです。山頂にある葛原岡神社ではウメはもちろん、早咲きのカンザクラ、カワヅザクラが早くから咲き、ミツマタの花も谷戸に先がけて開花します。参道から続く源氏山公園のシダレウメもかわいいので、毎年見に行きたい花の一つです。お花見ごろは賑やかな広場も、いまはまだ静かでゆっくり過ごせます。

 

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葛原岡神社 ハクバイ

 

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葛原岡神社 カンザクラ

 

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葛原岡神社 カワヅザクラ

 

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源氏山 ツバキ

 

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源氏山 シダレウメ

鎌倉駅から歩いて行くウメの寺 海蔵寺、宝戒寺

自宅から徒歩圏内のところとはいえ毎日散歩しているわけでもないので、電車で一駅の鎌倉駅最寄りの花散歩は何かの用事のついでということもあります。天気のよい日にもう咲いたかなと思い立ったら訪ねることができるのは恵まれていますね。そんなときよくお参りするのは、扇ガ谷の海蔵寺。北鎌倉にも近いので片道散歩のことも多いです。「花の寺」と謳われる通りにいつも季節の花が咲いていて、コウバイ、ハクバイにスイセン、フクジュソウ、ミツマタなどに出会えます。

 

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海蔵寺 スイセン(ヒガンバナ科)

 

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海蔵寺 紅梅

 

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海蔵寺 フクジュソウ(キンポウゲ科)

 

 

鎌倉駅から若宮大路を進み、八幡宮に向かって右手の小町大路との角にある天台宗の宝戒寺は、シダレウメと秋のハギで知られています。以前は白花のシダレウメが見事だったのですが、古木の為に樹勢が衰えてしまったようで、いまはピンクのシダレウメのほうが華やかです。ここでもスイセン、フクジュソウやさまざまなツバキが咲いています。

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宝戒寺 シダレウメ

 

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宝戒寺 ハクバイ

 

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宝戒寺 フクジュソウ(キンポウゲ科)

 

 

 

ちょっと遠出、浄妙寺にセツブンソウを訪ねて

立春過ぎたら見に行きたいと思っていた花、セツブンソウ。浄妙寺の庭で咲くのですが、北鎌倉からの散歩では小一時間かかるので見逃すことが続き、ようやく今年出会えました。

臨済宗建長寺派の浄妙寺は鎌倉五山第五位。鎌倉駅から徒歩で30分の浄明寺地区(地名は妙ではなく明です)にあります。観光客の皆さんはバスで、竹庭で有名な報国寺とともに訪れることが多いようです。山門から本堂までの参道両側は陽当たりがよく紅梅白梅が早めに満開になる庭で、開けた明るい印象です。奥に進むと枯山水庭園のある茶席・喜泉庵があり、抹茶と干菓子か上生菓子で一服できます。
 今回はセツブンソウが目的なので、まずは小さな白い花を探します。もう少しあとのほうがたくさん咲いていたかもしれませんが、開花のピークにタイミングを合わせるのは来年以降の楽しみに。この庭の春の山野草では、少しあとにユキワリイチゲやヒトリシズカなども見ることができます。広い境内は起伏を生かした回遊路、延福寺跡やぐらの足利直義公墓など変化に富んでいて、いつも季節の花にも出会えます。いまはツバキ、早咲きのサクラ、マンサクなど、春が進むとフジやボタンも見事です。

 

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浄妙寺 セツブンソウ(キンポウゲ科)

 

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浄妙寺 コウバイ

 

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浄妙寺 ハクバイ

 

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浄妙寺 マンサク(マンサク科)

 

そしてもう一つの目的地、石窯ガーデンテラスへ。お寺の境内にあるとは思えない洋館カフェ・レストランと、ニコラス・レナハン氏がデザイン・作成したガーデンはいつも人気。席が空くのを待っている間にゆっくり庭園散策をできるのもほかにはない楽しみです。
今回はちょうどスノードロップが咲き始めていました。これから春に先がけてはクリスマスローズ、オオカンザクラが咲いて華やかさを増すガーデンです。

 

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石窯ガーデンテラス スノードロップ(ヒガンバナ科)

 

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石窯ガーデンテラス 暖かい季節はテラスがガーデンを眺める特等席。

 

 

小球根の花が咲き、庭の変化にわくわくする季節

さて、自宅の庭でも早春の花が目を覚まします。秋に植えこんだ小球根が開花。春咲きの球根は葉芽が日に日に伸びて、暖かな日は水やりだけでなく庭にいる時間がついつい長くなります。植え替えしたり剪定したりの作業も必要な時期ですね。早咲きの小球根は好きでいろいろ試しましたが、高温多湿な夏越しが難しくて消えてしまうものが多いことが残念です。スノードロップは毎年買い足して、鉢植えで。アイリスは花数が減ることが多いので、一年目をメインに楽しんでいます。今年は花後のお礼肥をもう少し増やして肥培を心がけてみましょう。

春になってから咲くヒヤシンス、チューリップ、ムスカリ、スノーフレークなどの球根は冬の間土の中。それだけでは寂しいので、冬の間も開花するビオラ、プリムラやカラーリーフなどとの寄せ植えにしています。1、2月に出回る花苗を植え足すこともあり、今年はレウィシアやニオイスミレの開花ポットを合わせて春色コンテナで庭を明るくしてみました。鎌倉も春本番がすぐそこです。

 

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スノードロップ(ヒガンバナ科)

 

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ミニアイリス(アヤメ科)とビオラの寄せ植えコンテナ

 

 

KEIKOさんの鎌倉・谷戸から花便り1
KEIKOさんの鎌倉・谷戸から花便り2
KEIKOさんの鎌倉・谷戸から花便り3

 

KEIKOさん 

北鎌倉に越す以前、東京時代の仕事は雑誌編集者。マンションのベランダと戸建ての庭でのガーデニング経験あり。昔はタネから育てたり、品種コレクションを頑張ったこともあるけれど、いまは気楽に自然体の庭づくりを楽しんでいる。鎌倉や旅先では寺社の庭や公園・緑地の季節の花を見たり撮影したりする散歩好き。

 

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