2019.04.18 UP
春植えキャベツを育てよう!おすすめの品種は?
一年中料理の食材として使用することが多いキャベツ。家庭菜園では秋植えキャベツが主流ですが、早春から植えつけることができる春植えキャベツの品種も増えてきました。
キャベツの種まきや苗植えの時期は、品種によって異なります。春に苗を植える「春植えキャベツ」は、初夏から秋にかけて収穫できるのが特徴です。春植えキャベツにはどういった品種が適しているのでしょうか。
今回は春植えキャベツの育て方や、おすすめの品種などをご紹介します。
キャベツの旬はいつ?
キャベツはスーパーマーケットや青果店などで一年中みかける野菜です。キャベツの旬は品種によって春・夏・冬などに分かれます。お住まいの地域の気候によるものの、基本的にはどの季節でも育てられるのがメリットです。
品種にもよりますが、春キャベツは柔らかい葉とみずみずしさが特徴です。反対に、冬キャベツはかたくしっかりした歯ごたえで、煮物にも使いやすいというメリットがあります。夏キャベツは春キャベツと冬キャベツの中間のような特徴を持つ品種が多いようです。
春に苗を植える「春植えキャベツ」
春に苗を植える「春植えキャベツ」は、主に高原や寒冷地などで栽培されます。キャベツは20℃前後を好み、夏は涼しい場所でないと育てにくいためです。初夏になると収穫がはじまり、夏キャベツとして出回るようになります。
・品種を選ぶ
春植えキャベツを育てるには、適した品種を選ぶのが大切です。春植えキャベツは温暖な時期に結球することから、高温多湿に強い品種を選ぶのがおすすめです。
・土づくり・畝立て
キャベツは栄養の多い土を好みます。キャベツを植えつけする3週間ほど前には、土に肥料や石灰を混ぜて耕し、土づくりを行いましょう。キャベツは土の中の湿度が高すぎると腐ってしまうことがあります。水はけがよくなるよう、畝は高くつくっておきましょう。畝の高さは10cm~20cmが目安です。
・植えつけ
畑に植える際は、苗どうしの間を30cmはあけましょう。幅広い畝に2列に並べて植える場合は、列の間を50cmほどあけます。プランターに植える際は、丸く大きなものに一株だけ植えると大きく育てやすくなります。
・追肥・土寄せ
キャベツを育てるには適切な追肥や土寄せが欠かせません。植えつけ後、本葉が7~8枚になったら追肥と土寄せを行いましょう。追肥には肥効期間が約2~3ヶ月持続する『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。
春植えキャベツを種から育てる方法
難易度は上がるものの、春植えキャベツは種をまいて育てることも可能です。栽培に本格的に取り組みたい方は、ビニールハウスや簡易温室を用意して種まきに挑戦してみましょう。
・種まき用の土や容器を用意
春植えキャベツの種は直接畑やプランターにまかず、育苗ポットやセルトレーなどを利用します。育苗期間に苗を大きく育てるため、土がたくさん入るものを用意しましょう。
土は種まき用の培養土を使用します。培養土によっては使用前にしっかり水を含ませる必要があります。容器に土を入れるときは、押し込まないように気をつけます。土を入れ終わったら「かん水」を行います。ポットやトレーの下からしたたる程度に水を注ぎましょう。
・種まき・かん水
かん水まで完了したら、土に浅い穴をほって種をまいていきます。種の量は育苗ポットなら1個につき2~3粒、セルトレーならひとつの穴に1~2粒が目安です。温度はビニールハウスや簡易温室などを用い、15℃~20℃内で一定に保ちましょう。
種をまき終えたら土をかぶせ、再び軽くかん水します。その後濡らした新聞紙などでトレーやポットを覆い、発芽するまで湿度を保ちます。苗床は地面に直接置かず、ブロックやレンガなどを置いて風通しがよくなるようにしましょう。
かん水は毎日行いますが、曇りや雨の日には水をやりすぎないように気をつけます。発芽してから本葉が出るまでは特にかん水を怠らないようにしましょう。
・一本立ち
発芽したら本葉が2枚になるまで育て、「一本立ち」を行います。一本立ちとは、種をいくつかまいて複数の苗を発芽させた後、優良なものだけ残して摘み取ることです。一本立ちを行わず苗を密集させたままだと、栄養がよく行きわたらずにキャベツが育ちにくくなってしまいます。
・定植
種が発芽して本葉が3~6枚つくようになったら、定植をしましょう。定植とは、苗を畑やプランターなどに移し替えることです。定植の前日か当日に液肥を加えることで、活着しやすくなります。土づくりや植えつけ、その後のお手入れなどについては、苗から育てるキャベツと変わりません。頃合いをみて、追肥・土寄せしてあげましょう。
春植えに適した品種は?
春植えキャベツに適した品種は、各メーカーから販売されています。ここでは、春植えにおすすめの品種をご紹介します。
・彩風
葉がぎっしり詰まった寒玉系の品種です。黒腐病や萎黄病に強く、育てやすいのがメリットです。定植してから70~75日で収穫できます。
・みさき
タケノコのようなとがった形をしている極早生キャベツです。萎黄病に強いほか、結球がはやく、定植から50日前後で収穫できます。葉が柔らかいため、サラダにしてもおいしく食べられます。
・初秋
暑さに強く、冷涼地でなくとも育てやすい大玉のキャベツです。定植から55日程度で収穫できる極早生種になります。葉深系という台湾系のキャベツの特徴を持ち、生で食べても柔らかい葉が育ちます。
・このみ姫
ミニサイズのキャベツを育てたいときはこちらがおすすめです。定植から40日ほどで収穫可能な極早生種になります。柔らかく甘みのある葉が特徴です。重さは600g~800gまで育ちます。
・初夏のかほり
萎黄病に強く、大きく育ちやすい品種です。名前のとおり、初夏どりにも適しています。肉厚で歯切れのよい葉が特徴です。
・キャンディーレッド
レッドキャベツにも春植えに適している品種がいくつもあります。キャンディーレッドは紅紫色の葉が特徴で、定植から70日ほどで収穫できます。甘く柔らかな食感が持ち味です。芯が短く、先端が少しとがった形に育ちます。
キャベツは地域にもよりますが、一年中つくれる身近な野菜です。春から野菜を育てたいときは、春植えキャベツを試してみてもよいかもしれません。ただ、キャベツは育苗や手入れなどの管理が難しく、初心者では栽培が難しい部分もあります。最初の育成では失敗してしまうこともあるかもしれません。根気よく向き合い、おいしいキャベツの収穫を目指しましょう。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘31:キャベツの育て方|春植えと秋植えの違いは?上手に結球させるコツや、害虫対策などもご紹介|
この記事で紹介された植物について
キャベツ
季節に合わせた品種が栽培され、一年中楽しむことができるキャベツ。味や性質も異なり、春は葉が柔らかく、夏から秋は歯ごたえのある品種に。秋から冬はギュッとつまったものが育ちます。ビタミンCやビタミンUなどが豊富に含まれます。
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