2021.09.03 UP
【ガーベラの育て方】春と秋はガーベラの季節!
丁寧に育てて花を長く楽しもう
ガーベラは色鮮やかで花の姿が良く、ガーデニングやフラワーアレンジメントなどで人気です。多年草のため、丁寧に育てれば長い間花を咲かせてくれます。ガーデニングに慣れない方でも栽培しやすいため、ぜひお家で育ててみてはいかがでしょうか。今回は、ガーベラの基本的な育て方や、花を長く咲かせるためのお手入れ方法、増やし方など、さまざまな情報をご紹介します。
動画でわかりやすく栽培法をご紹介|【PlantiaQ&A】
☘66:ガーベラの育て方|長く咲かせるにはどうしたらいいの?植えつけの注意や夏越し・冬越しの注意点もご紹介
鮮やかな色の花が美しいガーベラ
ガーベラはキク科の多年草です。すらりと伸びた茎に鮮やかな花がついている姿は、見る人の心を明るくしてくれます。ガーデニングや切り花などでも幅広い人気があり、現在も次々と新しい品種が誕生しています。
ガーベラは大きさが多様で、花の直径が3cm程度の小さな品種もあれば、直径12cm以上の大輪の品種もあります。色の種類は、赤・ピンク・白・黄・緑・オレンジ・復色などがあります。咲き方も一重・八重・半八重・スパイダー・カールなど多彩です。
原産地は南アフリカですが、暑さにも寒さにも強いのが特徴です。日本には明治末期から大正初期に伝わってきたとされています。現在は日本でもさまざまな園芸品種が栽培されるようになりました。
ガーベラは四季咲き性を持つ植物です。適切に育てると、季節を問わずに何回も花を咲かせることができます。最低気温が10℃以上あれば開花するため、日本では4月~6月や、9月~11月ごろが開花時期です。夏や冬の管理に気をつければ数年間にわたって花をつけるため、愛着を持って育てられるでしょう。
ガーベラのおすすめ品種
ガーベラ栽培の楽しみのひとつが、お好みの品種を選ぶことではないでしょうか。多彩な品種のなかから、色や形、咲き方など、さまざまな部分を見ながら、育てたいものをピックアップしていきましょう。
エバーラスト
ガーベラの有名な品種のひとつが「エバーラスト」です。ガーデンガーベラと呼ばれる地植え向きの品種で、草丈が高いことが特徴です。管理しやすい丈夫さも魅力で、耐暑性・耐寒性にも優れているとされています。真冬以外、季節を通じて開花させることもできます。
ガルビネア
もうひとつ、ガーデンガーベラのなかで有名なのが「ガルビネア」シリーズです。エバーラスト同様、丈夫な性質を持ち、育てやすいことで知られています。一株にたくさんの花をつけ、お手入れを行えば4月~12月まで咲き続けることも。地域によっては、植えっぱなしでの冬越しも可能です。
パスタシリーズ
花びらがうねる個性的な形をした品種の代表格が「パスタ」シリーズです。ひとつ植えるだけでも、花壇のアクセントになるでしょう。ピンクや赤、黄、白、複色など、花の色も多彩です。鮮やかなグラデーションを楽しめるものもあります。
ガーベラの寄せ植えにおすすめの植物
育てやすく華やかなガーベラは、寄せ植え花材にも適した存在です。栽培に慣れてきたら、寄せ植えにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
ガーベラの寄せ植えでは、同じような性質を持つ植物を合わせることがおすすめです。乾き気味の土でもよく育ち、日当たりの良い場所を好む花を選びましょう。また、ガーベラの花が咲かない時期にも開花するものであれば、寄せ植えが寂しい印象になるのを防げます。
ガーデニング初心者でも育てやすくおすすめなのは、キンギョソウやカスミソウ、アリッサムなどの花です。キンギョソウは、名前通りふわふわとした金魚のような花をたくさんつけます。ガーベラと同じく、長期間咲かせることも可能です。カスミソウは、小さな花をたくさんつけることが特徴です。インパクトの強い花にも合わせやすく、寄せ植えで活躍します。アリッサムは草丈が低く、地面の上に広がるように生長します。こんもりとした草姿のガーベラに合わせやすい植物です。
ほかにも、ガーベラの寄せ植えでは、さまざまな組み合わせを楽しむことができます。お好きな植物を寄せ植えしてみましょう。
お気に入りのガーベラを育ててみよう
ガーベラは手軽に育てられるうえ、長い間花を楽しめるのが魅力です。お気に入りの品種を見つけたら、ぜひご自宅で栽培してみましょう。ここからは、ガーベラの育て方をご紹介します。
ガーベラの好む栽培環境
ガーベラは、日当たりと風通し、水はけの良い環境を好みます。日光が当たらない濃い日陰で育てると、徒長して花つきが悪くなってしまうかもしれません。少なくとも、半日以上は日光に当てられる場所を選んで植えつけましょう。湿気がこもるような場所では弱りやすい一方で、冬になって強い北風が当たるような場所も苦手です。風通しが良くても、寒風の影響を受けやすいところは避けましょう。また、お庭の水はけが悪い場合は、土に川砂などを混ぜて排水性を高めてあげましょう。鉢植えの場合も、鉢底の下に風が通るようにすることで、より蒸れを防げます。レンガやブロック、すのこなどを敷いてみましょう。
苗選び
3月~5月と9月~10月に販売されている苗は、すでに花芽がついているものが大半です。植えてすぐに花を楽しみたい方は、花つきのものを選びましょう。葉がたくさん茂っており、色が濃く、黄ばみのないものが元気な苗です。茎が極端に細く、ひょろひょろとしたものも避けたほうが無難です。病害虫がついていないかも忘れずチェックしてください。また、鉢植えに向いているのは、草丈があまり高くならない矮性種です。フラワーショップで切り花として販売されているものの多くは、大きな高性種となります。植木鉢やプランターなどで育てる場合は、矮性種を選ぶことがおすすめです。
もちろん、ご自宅でも高性種を育てるのは可能です。大きく育つため、地植えに向いています。植えつける予定の場所に合わせ、適したサイズの品種を選びましょう。
土づくり
ガーベラは乾燥気味の土を好みます。鉢植えに使う土は、元肥としてマグァンプKが配合された『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』がおすすめです。土の中に肥料が含まれているため、袋を開けたらそのまま使えます。自分で土をつくるときは、水はけが良くなるよう、小粒の赤玉土に腐葉土を3割、パーライトを2割程度混ぜたものを用意します。その場合、元肥として、緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜこんでおきましょう。
地植えの場合、排水性を高めるため、腐葉土やパーライトなどを加えて耕しておきます。必要であれば、酸度調整のために、植えつけ2週間前までに苦土石灰を混ぜておきましょう。鉢植えと同様、元肥には『マグァンプK中粒』おすすめです。
植えつけ
ガーベラは根がよく伸びます。鉢植えの場合、小さい鉢では根詰まりを起こすため、大きめの鉢に植えつけしましょう。鉢底には水はけを良くするために鉢底石を敷いておきます。地植えの際は、土を盛り上げて小さな畝をつくってあげると水はけが良くなります。浅く植えることでも根腐れを防げます。複数の株を植えるときには、株間を30cm以上あけましょう。植えつけ時は、根を傷めないように慎重に作業することがポイントです。ポットから苗を抜くときは根鉢をほぐさないように気をつけましょう。
植えつけが終わったら、水をたくさん与えます。鉢植えの場合は、底から水が流れ出てくる程度が目安です。
水やり
植えつけ後はそれほど頻繁に水を与えなくても問題ありません。反対に常に水で湿っていると根腐れの原因になります。土が乾燥したことを目安に、その都度水やりしましょう。水やり時には、花や葉、茎に水が直接かからないよう、株元にあげるようにしてください。梅雨の時期は過湿に気をつけましょう。鉢植えであれば、雨がかからない場所へ移動させます。地植えのガーベラは移動させられないので、最初から水はけの良い場所を選んで植えることが大切です。
なお、庭植えの場合には、基本的には水やりは不要です。ただし、乾燥が激しいときには水をあげる必要があります。とくに開花時期には水切れしやすくなるため、こまめに土の状態を確認しておきましょう。
植え替え
鉢植えのガーベラを育てていると、鉢に対してガーベラが大きくなりすぎることがあります。根詰まりを防ぐため、ひと回り以上大きな鉢に植え替えを行いましょう。植え替えの時期は花が咲く前の3月~4月、9月~10月ごろです。植えつけ時と同じく、根をほぐさないようにしながら引き抜きます。植え替え時はあまり深く穴を掘らず、下のほうについている芽に土をかぶせないよう気をつけましょう。
丁寧にお手入れして、花を長く咲かせてみよう
ガーベラは適切にお手入れすることで花を長く咲かせてくれます。ガーベラの苦手な夏・冬の対策方法や、病害虫への対処法、肥料を与えるタイミングなどを知り、花を長持ちさせましょう。こちらでは、ガーベラのお手入れ方法についてご紹介します。
アブラムシ対策
アブラムシは、ごく小さなサイズでありながら、植物が枯れる原因になることも多い虫です。真夏や真冬にはあまり見られないものの、暖かい地域であれば年間を通して発生することもあります。植物の汁を吸って弱らせるほか、ウイルスを媒介することもあるため、見つけたらすぐに駆除することが大切です。
アブラムシは、湿気が多く、暖かい場所を好みます。与えている肥料のうち、チッソが多すぎる場合も発生しやすくなります。アブラムシの好む環境をつくらず、適切な肥料を与えることが予防の第一歩です。
ただ、できる限りの対策をしていてもアブラムシが発生することはあります。数が少ないうちは指で取り除けますが、すぐに増えて駆除が難しくなることも。「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」ですと、肥料やりとアブラムシ駆除が同時に出来ておすすめです。
うどんこ病対策
うどんこ病は、カビが原因で発生する植物の病気です。うどんこ病にかかった葉は、白い粉をまぶしたような状態になります。風通しの悪い日陰で発生しやすいため、まずはそういった環境をつくらないことを意識しましょう。
うどんこ病にかかった部分は、すぐに取り除き、薬剤で消毒します。放置していると患部が広がり、株全体に行き渡ってしまう可能性があるためです。また、周囲の植物へうつってしまうこともあるため、早めに対処しましょう。
夏越し・冬越し
ガーベラは高温多湿に弱く、真夏はなかなか花を咲かせません。育つスピードも遅くなります。日よけや覆いをつくる、鉢を移動させるなどの方法で直射日光を避けましょう。
冬も同様に、生長が遅くなります。0℃を下回ると茎や葉が枯れますが、根は土の中で育っています。鉢植えであれば室内へ移動させ、ときどき水を与えながら様子を見ましょう。地植えの場合、寒冷地でなければそのままでも冬越しは可能です。できれば土に「マルチ」や「むしろ」などをかぶせて防寒してあげましょう。水やりは必要ありません。寒冷地であれば根を掘り上げて鉢植えにし、室内に置いておくのがおすすめです。
施肥
ガーベラは肥沃な土を好みます。元肥だけでは生育に必要なエネルギーが足りなくなるかもしれません。とくに開花時期は注意が必要です。栄養不足にならないよう、追肥を行いましょう。
鉢植えの場合は、地植えより頻繁に追肥をします。1週間に1回『ハイポネックス原液』を与えましょう。アブラムシが多い場合には、必要に応じて、『ハイポネックス原液』の代わりに『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』を与え肥料やりとアブラムシ駆除を同時に行うとよいでしょう。庭植えの場合には、開花時期になったら株のまわりに『Plantia 花と野菜と果実の肥料』をばらまきます。ただし、ガーベラの花が弱りやすい夏と冬は追肥を行いません。
葉の除去
ガーベラの葉は、株の根元近くにたくさん茂ります。放置していると風通しや日当たりが悪くなってしまうため、古い葉から取り除いていきましょう。傷んでいるもの、黄色く変色しているもの、重なり合っている下のほうの葉も除いてかまいません。葉のつけねから切り取りましょう。
花がら摘み
ガーベラは開花時期が長く、花を次々と咲かせます。花がしおれてきたら、花茎の根元から切り取ることで、新しい花が咲きやすくなります。しおれる前にカットして花瓶に移し、切り花として楽しむのもおすすめです。
ガーベラを増やして次のシーズンも観賞するには
ガーベラを増やしたい場合は、株分けをする、もしくは種を採取してまくといった方法があります。ご自宅で育てているガーベラを増やし、翌シーズンも観賞したいといは、ぜひこちらの方法にチャレンジしてみましょう。最後に、ガーベラの増やし方をご紹介します。
ガーベラの株分け準備
ガーベラを増やしたいときにおすすめの方法が株分けです。株分けとは、大きく育った植物を分け、新しい株を増やすこと。芽のついた部分を分ける方法や、地下茎を分ける方法、ランナーを分ける方法などがあります。ガーベラの場合は、芽のついた部分を取り分けます。株分けをすると、単にガーベラが増えるというだけなく、株自体の花つきがよくなるというメリットがあります。
準備するものは、新しい用土や元肥、刃物、スコップなどです。用土は植えつけ時と同じくガーベラの好むものを用意し、必要に応じて元肥を加えておきます。刃物は消毒しておきましょう。鉢植えにする場合は、植木鉢やプランターなども必要です。
ガーベラの株分け方法
ガーベラの株分け作業は、穏やかな気候の春や秋に行います。花がついていないタイミングを狙いましょう。
根を優しく掘り上げたら、土を落としていきます。その際、根を傷つけないように注意しましょう。傷んでいる根や葉があれば、取り除いてかまいません。
株の根元に刃物を入れ、まずは2つに分けていきましょう。縦に分割するように切り分けるのがポイントです。その後は、それぞれ2~3個ずつ芽がつくように、細かく取り分けます。すでに開花が終わった芽からは新しい花が咲かないため、新しく生えてきている芽を残すことがコツです。また、根の少ないものは、さし芽専用の用土にさし発根させるようにしましょう。
取り分けた株は、鉢やプランター、花壇など、好きな場所へ植えていきます。土をかぶせる際は、芽が埋まってしまわないように調整しましょう。水をたくさん与えた後は、しばらく明るい日陰で管理します。植えつけ直後に強い日の光が当たる場所へ置くと、弱ってしまうためです。新しい芽が伸びてきたら、徐々に日なたへ移しましょう。
ガーベラの種の採取
ガーベラの種を採りたいときは、開花後に花がら摘みをせずにおきましょう。花が枯れてくると、中心部に種ができはじめます。種の一つひとつに綿毛が生えるため、優しくつまんで引き抜き、採取しましょう。採取する前にこぼれ落ちてしまうのを防ぐため、紙袋やビニール袋などをかぶせておくのもおすすめです。
採取した種は乾燥させて保存します。湿気がこもりにくい冷暗所に保管しましょう。蒸れにくい紙袋に入れる、乾燥材と一緒に密閉容器に入れるなどの方法がおすすめです。
ガーベラの種の採取の注意点
ガーベラの種を採るのは、乾燥している日がおすすめです。湿気が多い雨の日に種を採っても、うまく乾燥させられず、カビが生える原因になることもあります。
また、採取した種をまいても、親株と同じ色や形の花が咲かない可能性があります。加えて、種を土にまいた後も土の中の水分量が多いと腐ってしまったり、きちんと発芽しなかったりするケースもあり、株分けに比べて種から育てる場合難易度が少し高くなります。まったく同じものを増やしたい場合や、確実に株を増やしたい場合は、株分けをするか、追加で苗を購入したほうが確実です。どんな花が咲くかわからないのがかえって楽しみという場合は、ぜひ種の採取に取り組んでみてはいかがでしょう。
おわりに
カラフルなガーベラは、お庭を明るく彩ってくれる存在です。うまく育てられたら、何度も花を咲かせてくれます。夏や冬の管理には気をつけるとともに、年間を通して病害虫の発生にも注意しましょう。きれいな花をたくさん咲かせるには、適したタイミングでの施肥も欠かせません。ガーベラの性質を把握したうえでお手入れし、大切に栽培していきましょう。
公開: 2019年7月18日
更新: 2021年9月3日
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