2019.12.23 UP
Labyrinth バラの迷宮 pickup72
『コフレ』
■作出:日本 河本バラ園 ローズ ドゥ メルスリー
■花色:外弁グリーン・中央藤色
■花形:中輪/カップ~ロゼット咲き
■香質:ティーの中香
■樹形:高さ1.5~1.6mのシュラブ
■花期:四季咲き
藤色と緑色のコンビネーション。カップ咲きからロゼット咲きに咲き進む。ときに平たいロゼット咲きになることも。花弁がびっしりと重なる。外弁の緑色はときにグレーがかったグリーンに。春から初冬まで繰り返し咲く。初冬の花は藤色一色に。花弁が厚く花保ちが良い。ティーの中香。樹は高さ1.5~1.6mの高めのシュラブ。中くらいの太さの枝がまっすぐ、やや開いて伸びる。房咲きになったり単花咲きになる。枝がしっかりとしていて自立するので木立として育てられるが、伸びた枝をフェンスなどに誘引してもよい。
河本バラ園・河本麻記子氏育種。麻記子氏は手芸を趣味とすることから、「手芸屋さんのバラ」を意味する「ローズ ドゥ メルスリー」として2016年秋‘クロッシェ’‘モチーフ’でデビュー。以降‘ブロドリー’‘フィレール’(2017年)、‘マリーヌ’‘カルトナージュ’(2018年)と毎年秋に各2品種を発表。‘コフレ’はピンク色の‘リュバン’とともに2019年秋に発表早々、注目されている。作出作は計8品種となる。育種作品の花色は多くはニュアンスに富んだ色で、弁質がしっかりとしていながらも繊細で細かい造型で、アンティークな雰囲気。
蕾。萼の緑とうすらと紫を含む花弁の色がシックでさわやか
花弁を外に跳ねて開き始める。中央は藤色、外弁は白色~浅緑色
花芯を丸く包み込んだカップ咲きから開花
開花は①上の花②下の花③中央の花の順。花の中央の藤色は次第にグレーブラウンに。外弁の緑色とのコンビネーションがアンティークな雰囲気。
花名の「コフレ」は、フランス語で宝石などを入れる「小箱」を意味する。咲いた花は花保ちが良く、室内に飾っても長く楽しめる(写真:河本バラ園)
玉置一裕 Profile
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。
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