2020.01.06 UP
Labyrinth バラの迷宮 pickup73
『ベルスーズ』
■作出:バラの家 ロサ オリエンティス
■花色:紫味をおびたピンク
■花形:小輪/丸弁カップ咲き・房咲き
■香質:ティー・パウダリーの中香
■樹形:高さ0.9mの木立性
■花期:四季咲き
小さなライラックピンクの花。周囲が濃く中央が白く咲くことも。丸く赤みの強い蕾から黄色の花芯をのぞかせるカップ咲き・房咲きとなって、はらはらとこぼれ、次の花が咲く。春から、夏花もほかの季節とあまり変わらず、晩秋まで咲き続ける。ティー・パウダリーのやわらかな香り。葉は明るい緑で小さく、細めで直立する茎の先に房咲きになり、株姿はふんわりと広がる。株元の枝にも花を咲かせる。樹勢が強いが枝が伸び過ぎることなく、耐病性が高く、月一回の殺菌剤散布で葉をきれいに保つ。
花名は「子守歌」の意味。フランスの作曲家ガブリエル・フォーレ(1845-1924)のピアノ組曲『ドリー』第1曲などで知られる。白小輪一重の‘ニューサ’が片親で‘ニューサ’よりも株は立ち上がる。2019年秋発表。
株がコンパクトでとてもよく繰り返して咲くので、庭なら前面に植えて、花一輪ではなく株姿全体にふんわり咲く姿を楽しむ。いつも咲く花は心和ませる。玄関先の鉢植えにも。ほかのバラや草花と組み合わせてもよく似合う。栽培は初期成育が遅めなので、苗を植え付け初年度は蕾をピンチし続けて、生育を促す。
小さなライラックピンクの花は、黄色のしべ・赤く丸い蕾と共に、株全体としてふんわりとしたかわいらしさを表す
夏のたそがれとき(7月末)
秋雨にうたれても(10月末)
玉置一裕 Profile
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。
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