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【ヒヤシンスの育て方】お庭やベランダでゴージャスな花の姿を楽しもう

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ヒヤシンス(ヒアシンス)は春を代表する花のひとつです。ゴージャスな花の姿は、お庭を華やかに飾り立ててくれます。耐寒性が強いため、寒い土地にお住まいの方もぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ここでは、ヒヤシンスを土に植えて育てる方法やお手入れのポイント、球根の増やし方などをご紹介します。

 

☘21:ヒヤシンスの育て方|水耕栽培の方法は?品種や球根の増やし方もご紹介|

 

 

【ヒヤシンスの特長】ボリューム感のある花と香りの良さが魅力

ヒヤシンスは春の花として人気の植物です。一株に花がたくさん咲くため、ひとつ植えるだけでも見応えがあります。原産地はギリシアやシリア、小アジアなどで、日本へは江戸時代の末期に伝わってきたとされています。

花の色は、紫や青、ピンク、赤、白、黄などさまざまです。まっすぐ伸びた茎に、たくさんの小花をつける総状花序の一種です。球根ひとつにつき1本の花茎が出ることが基本ですが、品種によっては2本以上の茎を伸ばすこともあります。草丈は20cm程度とコンパクトで、プランターや鉢植えでも育てやすい大きさとなります。開花時期は3月~4月の春真っ盛り。さまざまな草花との寄せ植えで楽しめるのも魅力です。

 

水栽培(水耕栽培)でも人気

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ヒヤシンスは、土ではなく水の入った器に球根を入れて育てる水栽培(水耕栽培)もできる植物です。冬のうちからお部屋の中で育て始めると、時期が来れば美しい花を咲かせてくれます。温度管理や水の入れ替えなどに注意する必要はありますが、手軽に栽培を楽しみたい方にもおすすめです。

 

名前の由来

ヒヤシンスの名前は、ギリシア神話に登場するヒュアキントス王子に由来するといわれています。アポローンと円盤投げをして遊んでいたとき、風によって円盤が流され、ヒュアキントスの額を直撃。そのとき王子が流した血から咲いた花がヒヤシンスになったという伝説があります。

また、明治時代の日本では、ヒヤシンスを書く際に「飛信子」や「風信子」などの当て字を使っていました。現在でもヒヤシンスを日本語表記する際には、これらの字が使われることがあります。

 

風に乗って運ばれるヒヤシンスの香り

ヒヤシンスは香りが良いことでも有名です。爽やかで上品なグリーン系の香りが特徴で、アロマオイルや香水などの原料にもなっています。ご自宅に植えると、花の時期には華やかな香りが堪能できるでしょう。ヒヤシンスとほかの花を組み合わせ、複雑な香りを楽しむのもおすすめです。

 

クリスマスマーケットにヒヤシンス?

クリスマスを待ち望むアドベント中に行われる、クリスマスマーケット。最近では、日本でも各地で開催されることが増えてきました。昔からクリスマスマーケットが盛んなヨーロッパや北欧では、ヒヤシンスの球根を売る習慣があるそうです。クリスマスマーケットでは、すでにつぼみがついた状態の球根が並びます。球根を購入した人々は持ち帰って室内で栽培し、クリスマスに咲くヒヤシンスの花を楽しむそうです。

 

 

たくさん植えて見事な花の姿を楽しもう

ヒヤシンスは耐寒性にすぐれた育てやすい植物です。鉢や花壇などにたくさん植えて、見事な花の姿を楽しみましょう。ここでは、ヒヤシンスの基本的な育て方をご紹介します。

 

球根の選び方

ヒヤシンス栽培は球根の植えつけからスタートするのが一般的です。良質な球根を選ぶことで栽培管理の手間が減らせるため、ぜひ見分け方を覚えておきましょう。

ヒヤシンスの球根は、できる限り大きいものを選ぶことがおすすめです。持ってみたときにずっしりと重く、中身が詰まったものが良いでしょう。小さすぎる球根だと、花つきが悪くなることがあります。見た目にツヤがあることや、傷や虫食いの跡などがないことも重要です。

 

芽出し球根の選び方

球根からの栽培が不安な方や、できるだけ短期間で花を咲かせたい方、植えつけ時期を逃した方などは、芽出し球根を買う方法もあります。ご自分で発芽させる必要がないため、手間を軽減できます。プロの手によってある程度のところまで育てられているため、順調に開花させやすい点もメリットです。

また、芽出し球根は温度管理された状態で育てられているため、球根から植えつけた場合よりも開花が早いケースが多く見られます。寒さの残る時期に咲かせられるため、花が長持ちするようです。

芽出し球根は、球根と同じくホームセンターや園芸店などで購入できます。芽に元気があり、ピンと張っている丈夫なものを選びましょう。

 

栽培環境

ヒヤシンスは、日当たりの良い場所へ植えつけましょう。日陰で栽培することも可能ですが、花つきが悪くなることもあります。特に、日に当てないと、花が少なくなったり咲かなくなることがあります。そのため、発芽してから花が終わるまでは、しっかりと日に当てると良いでしょう。蒸れるのを避けるために風通しの良い場所を選ぶことも大切です。

 

土づくり

ヒヤシンスの根は大変長く伸びていきます。土がかたいと根の伸長が妨げられてしまうため、ふんわりとした軽い土を用意してあげましょう。鉢植えの場合は元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されている「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」がおすすめです。地植えの際は30cm以上の深さまで掘り返し、元肥として「マグァンプK中粒」を土に混ぜ込みましょう。

 

植えつけ

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ヒヤシンスの球根は10月~11月の秋に植えつけします。寒さに当てることで花芽をつける性質があるため、冬の間も戸外で育てましょう。

鉢植えの場合、土の表面ぎりぎりのところへ植えつけを行います。球根の頭が出る程度の穴を掘って植え、根がしっかりと伸ばせるようにしましょう。鉢底には水はけを良くするために鉢底石を敷いておきます。球根が込み合わないよう、一株につきひとつの鉢へ植えるのが基本です。だいたい、5号鉢に1球を目安にするとよいでしょう。

地植えの場合は、土から球根2個分の穴を掘って植えつけしてかまいません。複数の株を植える場合は、球根1.5個~2個分(約10cm)は株間をあけます。また、地植えの場合は、元肥として肥料効果が約1年間持続する「マグァンプK中粒」を土に混ぜ込みましょう。

芽出し球根を植える場合は、すでに根が生えているはずです。根を傷つけてしまうと花が咲かなくなってしまうこともあるため注意が必要です。植えつけ作業の際は、球根を優しく取り扱いましょう。

 

水やり

水はけの良い場所を好むヒヤシンスですが、乾燥させすぎると根から枯れてしまうことがあります。特に生育期間となる10月~5月にかけては、土の表面が乾いたらたくさん水をあげましょう。その後は地上に出ている葉や茎が枯れ、球根が休眠し始めるため、水やりを減らします。

 

肥料

ヒヤシンスの花をたっぷりと咲かせるためには、定期的に肥料を施すことが大切です。芽が出て開花するまでは、一週間から10日に1回の頻度で液体肥料「ハイポネックス原液」を与えます。リンサンが多く含まれている為、綺麗な花が大きく咲きます。ただし、肥料をあげすぎるとかえって株が軟弱になってしまうため注意が必要です。茎や葉ばかりが伸び、ひょろひょろとしている場合は肥料が過剰になっているかもしれません。肥料の規定量を守り、ヒヤシンスの様子を見ながら量を調整することがおすすめです。

また、花が終わる時期に差し掛かったら、球根を充実させるためにカリが多くふくまれている、「微粉ハイポネックス」で追肥を行いましょう。花後にお礼肥を施すことで、次のシーズンに開花するエネルギーを蓄えられます。

なお、水耕栽培する場合には、「微粉ハイポネックス」をご使用ください。

 

花がら摘み

ヒヤシンスは、花茎から多数の花柄を伸ばし、その先に花をつけます。花が終わったら花がら摘みをしておきましょう。放置していると種をつくり始めるためエネルギーが取られてしまいます。また、花が枯れて散るのに任せていると、落ちた花がらが原因で病気にかかってしまうことがあります。病気の被害を防ぐためにも、花がら摘みはきちんと行いましょう。

 

 

 

【ヒヤシンスのお手入れ方法】状況に応じてお手入れしよう

ヒヤシンスをきれいに咲かせ、長く育てていくためには、状況に応じて適切な管理をすることが大切です。こちらでは、ヒヤシンスのお手入れ方法についてご紹介します。

 

病害虫対策

ヒヤシンス栽培で気をつけたいのは、黄腐病や白腐病といった病気です。どちらも細菌が原因で、球根が腐ってしまいます。水はけの良い環境をつくって予防することが大切です。排水性の良い土を使うのはもちろん、鉢や花壇の水はけにも気を配りましょう。梅雨前に掘り上げることによって、これらの病気を予防することもできます。なお、薬剤では防除することができません。

また、ヒヤシンスは害虫被害を受けにくい植物ではあるものの、アブラムシが発生することがあります。見つけたらすぐに駆除することが大切です。薬剤による防除も有効です。

 

植え替え

ヒヤシンスは、植えっぱなしでも長く育てていくことができます。ただし、何年も植えたままにしておくと土の中が込み合い、生育が悪くなってしまうことがあります。鉢植えの場合、花が終わって地上部が枯れたら植え替えるのがおすすめです。地植えの場合は2年~3年に1回を目安に、分球のついでに植え替えてあげると良いでしょう。

 

夏越し

ヒヤシンスは耐暑性が弱く、夏になると休眠します。夏の期間中は茎や葉が枯れ、球根のみの状態となります。土に入れたまま夏越しする場合ことも可能ですが、出来れば球根を掘り上げて乾燥させ、保管してください。地上部が枯れてきたら、梅雨入りする前に球根を掘り上げておきましょう。保管場所は風通しが良く、日光の当たらないところを用意しておきます。秋になって気温が下がってきたら、再び植えつけましょう。なお、土にいれたまま夏越しするときは、水やりを控えるように気を付けてください。

 

 

【ヒヤシンスの増やし方】種類別の分球のコツは?

ヒヤシンスは、球根が分球することで増えていきます。ただし、品種によって分球のしやすさが異なるのがポイントです。ここでは、現在主流の園芸品種であるダッチ系とローマン系のヒヤシンスを増やすコツをご紹介します。

 

分球前の準備

ヒヤシンスの球根を十分に太らせるためには、しっかりと光合成をさせることが大切です。そのために、花が枯れ始めてもしばらく茎や葉をカットせず、そのまま水やりや施肥を続けていきましょう。4分の1~3分の1程度まで枯れたら球根を掘り上げて分球作業を行います。目安は5月頃です。6月に入り、梅雨が来る前に作業を済ませましょう。

分球に必要なもの

分球の際は、刃物や球根保管用のネットなどを準備します。刃物は使用する前に消毒を済ませます。不衛生な刃物を使うと、切り口から雑菌が入り、球根が傷んでしまうことがあるためです。

ネットは球根を入れて吊るしておけるサイズのものを用意します。みかんなどを購入したときに使われていたネットを流用しても良いですが、園芸コーナーで専用品を購入することもできます。

 

ダッチ系のヒヤシンス

現在、よく育てられているヒヤシンスの園芸品種は、ダッチ系とローマン系のふたつに分けられます。ダッチ系はオランダで品種改良されてきた品種、ローマン系はイタリアで改良されてきた品種です。

ダッチ系は大ぶりの花がたくさん咲く、ボリューム感のある見た目が特徴です。ただ、自然に分球しにくいという特徴があります。そのため、増やしたいときはこちらで球根に細工して、分球を促してあげるのがおすすめです。

 

ローマン系のヒヤシンス

ローマン系のヒヤシンスは草丈が低く、小さな花を咲かせるのが特徴です。ひとつの茎につく花はダッチ系ほど多くありませんが、ひとつの球根からいくつもの茎が生えてきます。

ローマン系は自然に分球しやすいため、こちらが何もしなくても十分に増えてくれます。植えっぱなしにしていても地中で分球して増えていくため、地植えにするのにも向いています。ただし、水はけの悪い場所に植えている場合は、梅雨の季節になると過湿になってしまう可能性があるため注意が必要です。できれば梅雨に入る前に球根を掘り上げて、別の場所で管理したほうが良いでしょう。

 

ダッチ系の分球

ダッチ系のヒヤシンスを増やしたいときは、球根を掘り上げて「スク―ピング」や「ノッチング」を行います。「スク―ピング」は球根の底にある基部をえぐり取ること、「ノッチング」は基部に切れ込みを入れることです。

花が終わって葉や茎が枯れてきたら、球根を掘り上げて土を落とし、風通しの良い日陰で1カ月程度乾燥させましょう。球根の乾燥が終わったら、消毒した園芸用のナイフを使って、スク―ピングかノッチングを行います。作業が終わったら再び風通しの良い日陰で保管します。うまくいけば切り口から子球が出てくるはずです。親球ごと植えつけすると、2年~3年ほどで開花するでしょう。

 

 

おわりに

ヒヤシンスは一株に咲く花が多いため、ダッチ系とローマン系ともに大変華やかな姿が楽しめます。耐寒性が強いため、寒い地域でも地植えできるメリットがあります。長く栽培できたら分球にもチャレンジしてみることがおすすめです。ぜひ複数の株を植えて、咲き誇るヒヤシンスの姿を楽しみましょう。

 

公開日: 2020年1月15日

更新日: 2022年6月7日

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