ニンジン

2020.11.19

ニンジンを選ぶ

表面が鮮やかでツヤのあるものを選ぼう

ニンジンのオレンジ色はβカロテンの色なので、このオレンジ色が鮮やかで濃いものほど、カロテンを豊富に含んでいます。表面にはツヤがあり、でこぼこが少なくなめらかな物を選びましょう。表面が荒れているものは甘みも少なく味も落ちます。形は太めで全体に丸みがある物を選び、先のとがった物は避けるようにします。

芯の細いものを見つけよう

葉がついていた部分の断面(茎の切り口の軸の部分)が小さいものの方が、ニンジンの芯も細く繊維質も少ないので、肉質もやわらかくおいしいです。この部分の切り口が黒ずんでないものは新鮮である証拠です。栄養価で見ても断面が大きいものほど、中心に青っぽい芯がある可能性があり、葉に養分を取られてしまっているので栄養価も少なくなります。

ひげ根が多く出ているものは避けよう

ひげ根が少ないものは良い生育状態で育っていると言えます。ひげ根が多く出ているものは食べ頃を過ぎているので避けるようにしましょう。葉付きのニンジンは収穫してそれほど時間がたっていないものです。葉付きのにんじんを購入する場合は、買った後すぐに葉を切り落としましょう。そのままにしておくと葉に栄養をどんどんと奪われてしまいます。また、袋詰めで売られているニンジンを選ぶ時は、袋に水滴のようなものが付いていないか確認しましょう。表面に水滴がついている場合、ニンジンが傷む原因になります。

ニンジンの保存方法

ニンジンは高温多湿に弱く、水分に触れると傷みやすいため、冷蔵庫に丸のまま保存する際には新聞紙やキッチンペーパーなどで包みましょう。新聞紙やキッチンペーパーはニンジン自体の乾燥も防いでくれます。葉付きの物は、葉の部分を根もとから切り落とし、葉の部分と根の部分を別々に保存しましょう。切った物は切り口から傷み始めるので、ぴったりとラップで包んで冷蔵庫に入れておき、3 日~4 日位で使い切るようにしましょう。カットしたものを固ゆでして冷凍保存することもできます。野菜は育った状態そのままの方が長持ちするので冷蔵庫でも土の中と同じように立てて保存します。土付きならそのまま土付きで保存した方が良いです。

葉がついていた部分の断面をチェック

軸の細い左のニンジンがおススメです。

葉にもβカロテンとビタミンE が多く含まれているので食べましょう。

使いやすいように小分けにし、ラップで包み、ジップロックに入れます。空気を抜き、急速冷凍しましょう。

カラーニンジンも栄養価は高いですよ。

ニンジンの豆知識

ニンジンの皮は剥かなくてもよい

ニンジンの皮は薄皮です。出荷される前キレイに洗浄される際に、本来の薄皮はむけてしまうのです。皮だと思われていた部分は、実です。本来、薄皮がついたままのほうが鮮度を保つ上では良いのですが、薄皮をむいているニンジンに比べ、色味が薄くなるため、わざとむいてあります。それが水洗いできれいになった後、乾燥することでかたくなり、シワシワとなり皮のように見えるのです。また皮の近くには栄養がたくさん詰まっています。カロテンなどの栄養素はニンジンの中心部ではなく、表層部、つまり皮の近くに含まれていますので皮をむく必要はないです。

現在流通しているほとんどは西洋種

ニンジンの原産はアフガニスタンです。そこから東西に伝播され、トルコを経てヨーロッパに伝わった太く短い西洋種と、アジア東方に伝わった細長い東洋種があります。日本には江戸時代に中国から東洋種が伝わり、西洋種が入ってきたのは明治以降と云われています。

ニンジンのオレンジ色は作られた色?!

元々ニンジンは白や紫色だったと云われています。その後、黄色のニンジンなどが出て来ましたが、オレンジ色のニンジンはありませんでした。オレンジ色のニンジンは品種改良の末に生まれたものだそうです。オランダには、「オレンジ家」という王家の家系があり、この家系を讃える取り組みとして、ニンジンの品種改良を行い鮮やかなオレンジ色を作り上げたと云われています。

英語のキャロットはβ-カロテンに由来

ニンジンの英語名キャロット(carrot)は、ニンジンのオレンジ色のもとになっているβカロテン(carotene)に由来します。ちなみにβカロテンは油と一緒に摂ると吸収率がアップします。

ニンジンの栄養素(βカロテン)を効率的にとるには?

βカロテンは脂溶性なので、マヨネーズなど油を含む調味料と一緒に食べると吸収されやすくなります。

またニンジンは細かく切るほど、カロテンの吸収率が上がります。細かくするほどカロテンの吸収率が上がるので、ミキサーでペースト状にすると一番効果的です。さらに炒める時にオリーブオイルやバターなどの油類を使う「ニンジンスープ」にすることで、体内に吸収されやすくなります。

ニンジンは馬の大好物?

馬の好物とされているニンジンですが、ヨーロッパでは馬にはニンジンではなく、リンゴや角砂糖も与えます。馬は甘いものが大好きで、ハチミツも大好きです。甘い物の摂り過ぎは糖尿病の原因にもなるので、また安価であることから、日本ではニンジンを与えるようになりました。

現在流通しているニンジンのほとんどはこの西洋ニンジン。クセがなく、サラダや煮物、炒め物、揚げ物など何にでも合います。

【金時ニンジン】

別名、京ニンジン。30cm ほどの細長いニンジン。赤色が特徴の東洋種。やわらかい食感で、甘みが強い。お節料理に使われることが多いので、年末を中心によく見かけられます。

【姫ニンジン】

ミニ人参。甘みがあり肉質もやわらかいので、サラダや野菜スティックなどの生食に向いています。

【琉球ニンジン】

別名、島ニンジン。沖縄だけで栽培されています。耐暑性が強く、色は黄色で 30~40cm と細長い。甘みがあり煮物、炒め物に向いています。

【グニフパープル】

スイスの伝統野菜グニフパープル。

【ルナホワイト】

白ニンジン。フランスやベルギーの伝統野菜です。加熱調理するとホクホクとして甘みがあります。

【ラブリーキャロット】

間引きの人参?って思ってしまいそうですが、これで完成形です。玉人参です。フランスでは「パリジャンボール」と言われ、切らないでそのまま使えるので人気だそうです。深さを必要としないのでプランターでも栽培できます。

【熊本長にんじん】

熊本の伝統野菜「肥後野菜」の一つ「熊本長にんじん」。正月を代表する長にんじんで、長生きや丸く収まる事を願って食べる縁起物です。

【飛騨長人参】

飛騨高山の朝市に並ぶ長人参です。寒さに強く甘みが強く、香りの強い人参です。皮の下の部分が特に甘く、栄養もあるので、皮は剥かなくても大丈夫です。

【万福寺鮮紅大長人参】

万福寺鮮紅大長人参(まんぷくじせんこうおおながにんじん)は、江戸東京野菜の「滝野川大長人参」を選抜・育成した品種で、神奈川県の伝統野菜の一つです。

【子安三寸人参】

横浜市神奈川区子安の農家さんが、オックスハートという品種を改良した固定種です。長さ10cm 程度のニンジンで、シャキっとした歯ごたえがあるニンジンです。

【山内にんじん】

秋田の伝統野菜で、北海道の在来品種である「札幌太」から選抜育成され、秋田県横手市山内地域で栽培されてきた品種。

【四寸人参】

固定種ということなので、「横浜四寸にんじん」か「紅福四寸にんじん」などではないかと思われますが、品種は分かりません。

【マルーシュカ】
ヨーロッパの在来種の人参です。見た目は「パースニップ」や「ルートパセリ」に似ています。白色というよりは薄いクリーム色で滑らかな肉質です。口に入れるとほんのりセロリの香りがしますが、甘みが強く加熱するとより甘さが引き立ちます。

【ニンジンの花】(子安三寸人参の花)

花も食べることが出来ます。香りも味もニンジンです。素揚げにして食べると美味しかったです。

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