キュウリを選ぶ

イボイボと太さを確認しよう

最近ではイボの無い品種もありますが、表面のイボイボがきちんと尖っているかを確認しましょう。鮮度が落ちて水分が蒸発してくるとイボも低くなってきます。より鮮度のいいものは切り口の部分にも白いとげが出ています。つまり、尖っているものは新鮮な証拠で、きゅうり本来のみずみずしさを味わうことが出来ます。しかし最近ではイボのない品種や出荷の際にイボが取れてしまうこともあるので、これだけでは判断できません。

多少曲がっていても問題ありませんが、明らかに太いものや、太さが均一でないものは味も均一ではないものが多いので候補からは外します。「加賀太きゅうり」のように大きなものもあります。お尻の部分(花が咲くほう)が膨らんでいるものは、水分が下にたまっています。種も下に集まるのでス(空洞)が入りやすく、みずみずしさも失ってしまいます。

深く濃い緑色のものを選ぶようにしましょう

重みがあって全体にハリがあり、表面の色にムラがなく深く濃い緑色のキュウリは生育条件が良く育った証です。キュウリは時間の経過とともに色が薄れて黄色くなってきます。

時間がたつほど両端から水分が抜けていき柔らかくなったり皮にしわが入ったりし、しなびてきます。きゅうりの90%以上は水分から構成されます。水分がしっかりとつまって鮮度のいいものはもったときに重量感があります。

また、新鮮度を測る目安としてヘタの切り口も確認しましょう。痛んでいるようなものは古くなっている可能性がありますので、両端がかたいものを選んだ方がよいです。

白い粉が付いているものは?

以前のキュウリは表面が白っぽく粉をふいている様に見えるものがありました。これはキュウリの表面にブルームと呼ばれるロウ状の白い粉が出ていたからです。

ブルームはキュウリ自体が乾燥や雨などから守るため自然に生成する成分で鮮度を保つ働きがあります。しかし、つやがないので見た目も悪く、消費者からみると農薬などと間違えられたりして見た目もよくなかったので、ブルームが出ないブルームレスのきゅうりがつくられ、現在の主流キュウリとなっています。しかし、ブルームにより守られていたものが守られないようになったため、キュウリの皮が厚く硬くなり、中の果肉は柔らかくなってしまったようです。以前のブルームのあるキュウリが、歯ごたえがよく本来のおいしさがあるという声もあります。

キュウリを保存する

保存

キュウリは水に弱い野菜なので、キッチンペーパーもしくは新聞紙でキュウリを包んで保存するとよいです。ビニール袋でもかまいませんがその場合は、密封せずにふたを開いて保存します。キュウリは水分を多く含んだ野菜です。密封した環境では、キュウリから放出された水分は逃げ場がないので、再びキュウリの表面に付着します。そうするとそこから腐り始めてしまいます。 また急激な温度変化、特に低温(5℃以下)には弱く、冷やし過ぎるとビタミンCが壊れるので、冷蔵庫の野菜室にへたの部分を上にして立てて保存します。

縦に伸びる野菜では、横の状態から縦になろうとエネルギーを消費するものです。

同じように横にして保存すると、上に立ち上がろうとして無駄に水分と糖分を浪費してしまい、その結果しおれるのが早くなります。

また中心部の周りに茶色の斑点ができてしまうこともあります。これはキュウリに含まれるポリフェノールが酵素の働きで酸化することで生じる現象です。変色の場合は食べても問題ありませんが味は落ちます。キュウリにもっとも適した温度は10℃前後です。

保存日は常温なら1、2日、冷蔵庫で4、5日が限度です。

寒い冬場には冷蔵庫で保存せずに、風通しの良い冷暗所で保管するのが最適です。

えぐみは板ずりで取りましょう。

軽く塩をふり、まな板の上で転がすとイボがとれ、色がキレイに。

丸ごと保存の場合、ビニール袋に入れ、口は閉じずに立てて野菜室で冷蔵。

カットしたキュウリは切り口に空気が触れないようにしっかりとラップをした状態で

野菜室で保存します。

売っているキュウリで先に黄色い花がついている「花付キュウリ」場合は鮮度が良い証拠です。

キュウリの豆知識

キュウリには、ビタミンCを破壊する作用をもつアスコルビナーゼという酵素が含まれています。例えば、キュウリとトマトを一緒に食べると、この酵素の働きでトマトのビタミンCが破壊されてしまいます。

でも安心してください。アスコルビナーゼのこの作用は、キュウリを加熱するか、調理に酢やドレッシングを用いることでアスコルビナーゼの働きを抑制できますので、問題なくビタミンCもとることができます。

きゅうりという名前

普段食べている「きゅうり」は未成熟果を食べています。昔は、熟して黄色くなってから食べていました。だから黄色の瓜→黄瓜→きうり→きゅうりとなったとも言われています。

「きゅうり」は「胡瓜」とも書きますが、中国の西の方、「胡」の国から中国に入ってきた瓜ということで「胡瓜」とも書きます。

語源は「黄瓜」の他、「木瓜」とも言われていますが、現在、「木瓜」と書くときゅうりではなく『パパイヤ』のことを指します。読み方は「もっか」です。

もともとは薬として

キュウリはもともと薬として使用されていましたが、江戸時代になってから食用として栽培されるようになりました。しかし、キュウリは輪切りにすると徳川家の家紋である三つ葉葵に似ているので、輪切りにしたキュウリを食べるのは不敬とされていました。

栄養

脂肪分解酵素「ホスホリパーゼ」

キュウリには「ホスホリパーゼ」という脂肪分解酵素があり、脂質の代謝を促進してくれます。ホスホリパーゼは熱に弱いため、生で食べるのがおススメです。ホスホリパーゼを効率良く摂取するには、キュウリをすりおろす「みどり酢」にするのがベスト。

 

キュウリに含まれるアミノ酸「シトルリン」には血管を広げ、血流をよくする効果があります。カリウムが多く、体内でナトリウム(塩分)を排出する働きがあるので血圧降下に役立ち、利尿作用もあるのでむくみの解消、のぼせの改善に効果的です。カリウムは比較的熱に強いので生食の他、炒め物など加熱料理もOKです。

またキュウリ独自の青臭さの成分「ピラジン」は、血液をサラサラにする効果があります。

現在のキュウリは品種改良され苦味の少ない品種が出ていますが、それでもヘタの部分には少し苦い成分があります。それは「ククルビタシン」いうウリ科特有の成分です。唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があります。現在のキュウリにはごく微量しか含まれていませんが、「苦すぎる」と思ったら食べるのをやめるのが良いです。

ぬか漬け

キュウリをぬか漬けにするとビタミンB1が増えます。それはぬかのもつ栄養成分をキュウリが吸収して、ビタミンB1の他、カリウム、ビタミンK、ビタミンCが増えるからです。

いろいろなキュウリ

四川きゅうり

イボが鋭く、皮表面にシワが多くあるのが特徴です。果肉はかためで漬物に良く合う品種です。四葉の改良品種です。

フリーダム

イボなしのつるつるとした品種です。青臭さがなく、さわやかな食味です。

加賀太きゅうり

石川県の伝統野菜で、大型品種です。果肉はかたく煮物に向いています。

毛馬きゅうり

大阪の毛馬地方の在来種で、下2/3位が白っぽい半白系のきゅうり。歯ごたえが良いです。

ミニきゅうり

若採りした小型のきゅうりです。

相模半白きゅうり

皮がかたく、神奈川県の在来種。首の部分は緑色が濃く、下半分は白っぽいきゅうりです。

加賀太きゅうり

うぐいすきゅうり

勘次郎きゅうり

完熟平家きゅうり

高井戸半白きゅうり

大和三尺きゅうり

白ミニきゅうり

つばさきゅうり

黒滝白きゅうり

白いぼきゅうり

八町きゅうり

余蒔きゅうり

白きゅうり

【平家きゅうり】宮崎

日本最古とも言われているきゅうりで、宮崎県と熊本県の県境に近い宮崎県椎葉村(しいばそん)で育てられています。

勘次郎胡瓜(かんじろうきゅうり)】山形

山形県で明治時代から伝わるきゅうりです。 勘次郎という名前は、種を受け継いできた旧家の屋号です。 一般的なきゅうりに比べ、ずんぐりしていて、果皮は白っぽい黄緑色で、薄いです。 とてもみずみずしいのが特徴で、青臭みが少なくフルーティです。

 

【入山きゅうり】群馬

群馬の伝統野菜 です。標高2,000m級の山に囲まれた群馬県中之条町入山地区で育てられているので「入山きゅうり」です。隣の嬬恋村鎌原地区では「鎌原きゅうり」と呼ばれています。水分が多くて柔らかく、香りが良いきゅうりで、青森県の糠塚きゅうりに似ています。

【会津余蒔きゅうり(あいづよまき)】
会津の伝統野菜です。淡い色合いの白イボきゅうりです。きゅうりの青臭さやえぐみが無く、甘味が強いので苦手な人でも食べることが出来るかもしれないきゅうりです。食感は柔らかいですが歯ごたえもしっかりとあります。漬物にもとても合います。

【高山きゅうり】群馬

群馬県の伝統野菜、高山きゅうりです。伝統野菜のきゅうりは、このようにずんぐりしたものが多いです。よく見て頂くと若干、下膨れなのが分かります。きゅうりは種の多い下の方がほのかに甘みが強いです。

毎年相模半白きゅうりは栽培しています。(自家採取)

きゅうりを収穫せずにいるとこのように黄の瓜になります。

小さいうちにハートの型で挟み栽培すると、このような形になります。

四葉(すうよう)キュウリの収穫。このトゲが新鮮な証です。

キュウリの気持ち → 熟すまでは動物に食べられないようにトゲで身を守るぞ!

山形県の畔藤(くろふじ)きゅうりを初栽培

白鷹町畔藤地区の地名が名前の由来 【畔藤きゅうり】山形おきたま伝統野菜

[キュウリの育て方・栽培のポイント ]

キュウリ学名:Cucumis sativus /科名:ウリ科 /別名: /原産地:インド北西のヒマラヤ山麓 /分類:一年草 /耐寒性:弱/耐暑性:やや弱

栽培カレンダー

栽培カレンダー

 

特長

カリウムが豊富に含まれているキュウリ。開花したら1週間で収穫でき、つぎつぎと実をつけます。初心者でも育てやすいのでおすすめです。実を大きくさせず、早めに収穫すると、株が疲れません。

置き場所

日当たりと水はけ、風通しの良い場所

水やり

土の表面が乾いたら、茎や葉に水がかからないように株元にたっぷりと水やりをします。やや乾かしぎみに管理しましょう。

植えつけ

水はけの良い培養土に、元肥として今日から野菜 野菜の肥料とアブラムシ予防に『HJブルースカイ粒剤』を混ぜ込みます。植えつけ時に『植物用活力液リキダス』を与えると根の活着が良くなります。

土は今日から野菜 野菜を育てる土がおすすめです。

肥料

生育期間中は追肥として苗を植え付けてから1か月後に、今日から野菜 野菜の肥料を与えます。また、『いろいろな野菜用液体肥料』を1週間に1回与えます。

 

病害虫

害虫:アブラムシ、ウリハムシ、オンシツコジラミ
病気:べと病、うどんこ病、炭そ病

 

キュウリの育て方・栽培のポイント

ツル性なのであらかじめ絡ませる支柱を立ておきましょう。のびてきたら、親ヅルは支柱の高さで摘芯し、5~6節までに出る脇芽はすべて摘み取ります。
また、その上に出た子ヅルは2節で摘芯。あまりのび過ぎないように仕立てるのがコツです。根元にはワラを敷いて、乾燥と泥はねを防ぐと良いでしょう。

 

出典:HYPONeX 植物の育て方「キュウリ」より

ズッキーニ

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