出汁の世界

2020.12.30

「ブイヨン」「フォン」

フランス料理でダシといえば、「ブイヨン」や“フォン・ド・ヴォー”の「フォン」が知られていますね。
牛肉や鶏肉、魚などの動物系の素材に、野菜や香草などを加えて、フランス料理の基本になる「ブイヨン」を作ります。
僕たちがよく知っている「コンソメ」はこのブイヨンに脂肪の少ない肉や野菜を加えて煮立てたものです。
「コンソメ」という言葉は、フランス語で「完成された」という意味だそうです。
なるほどコンソメスープはスープとして「完成された」スープなのですね。

ベジブロス

英語では「ブロス」と云われ、僕も“ベジブロス”という野菜(Vegetable )の出汁(Broth)を作ります。
ベジブロスは野菜の皮や根、種やワタなど、よく捨てられる部分を使って野菜の出汁を取るのが一般的と云われていますが、僕は野菜全部をそのまま使い、出汁をとります。出汁をとりクタクタになった野菜は、カレーなどに入れたりします。
出汁はタッパーウェアに入れ冷凍し、使いたい時にその分量だけ使います。とても便利なので是非、やってみて下さい。

出汁といえばやっぱり「昆布」と「カツオ」

日本料理での出汁といえば、やっぱり「昆布」と「カツオ」です。
“出汁が効いている”というと、「出汁の味が濃い」という意味でとらえている方もいるかも分かりませんが、どちらかというと、主張するのではなく、うまく素材の味を引き出している感じなのではないかと思います。
それが日本人の持つ感覚の「旨み」として感じ、昆布のグルタミン酸とカツオのイノシン酸が味の奥行を出していると思います。

背節はすっきりした出汁、腹節は脂肪が多いのでコクのある出汁がでます

真昆布は上品な香りで澄んだきれいな出汁がでます

羅臼昆布は風味もうまみも強い出汁がでます

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