バラにはさまざまな病気や害虫がつきます。それらを防除することが、美しいバラを咲かせるコツです。
何より大切なのは、被害が広がる前に予防すること。
ここでは、季節によって特に注意が必要な病害虫を紹介します。
木村卓功(きむらたくのり)
ローズクリエイター。貴重な品質を取り扱うバラ専門店「バラの家」を経営するとともに、魅力的で個性的なバラを毎年誕生させている。自身のブランド「ロサ・オリエンティス」のバラは、耐暑性、耐病性が高いうえに、愛らしい花姿が人気。
春、バラは芽吹き、花を咲かせる美しい季節を迎えます。この時期に特に注意したいのがアブラムシです。
アブラムシは、春から秋まで発生し、バラの葉や茎、蕾などに群生して吸汁し、株を弱らせます。また吸汁するときに出す分泌物はほかの病気の原因となるやっかいな害虫です。アブラムシが特につきやすいのは、春に開いたばかりの若葉や出てきたばかりの蕾です。この時期のアブラムシによる被害は、バラに深刻なダメージを与えます。
虫を発見してから対処するのではなく、芽吹きの頃から浸透性の薬剤を使って予防することが大切です。発生しても「HJブルースカイ粒剤」や「マイテミンスプレー」などを散布して退治しましょう。
植えつけ・植え替え時に株元にばらまく
においが少なく使いやすい粒剤タイプの浸透移行性殺虫剤です。植物の株元にばらまくだけで、殺虫成分が根から浸透し、長時間アブラムシの発生を抑えます。
手軽にスプレーできる
うどん病とアブラムシの防除に有効な殺虫殺菌剤です。殺虫成分のアセタミプリドはアブラムシに有効で、浸透移行性があるので薬液がかかりにくい場所にいるアブラムシにも効果があります。
湿度と温度が高い梅雨の時期は、カビが原因の病気が多く発生します。中でもうどんこ病と黒星病は、この時期に多発します。うどんこ病は、バラの葉や茎表面にカビが生えて粉が吹いたような状態になる病気で、バラの生育を阻害し、カビの胞子がまき散らされることで周囲に伝染します。特に日照不足で徒長した株や、多肥料で軟弱に育った株はかかりやすいので、健康な株を育てることも大切です。殺菌成分が配合されたマイテミンスプレーなどを散布することで防除できます。
黒星病は、植物内部にかかった葉を取り除き、伝染させないことが大切です。フローラガードAL・サルバトーレMEなどの殺菌剤を定期的に散布することで、予防することができます。
うどんこ病や黒星病は、長時間予防する必要があります。同じ薬剤ばかり使うと、病原菌に耐性ができてしまうこともあるので、有効成分の違う薬剤を数種類、ローテーションで使うとより効果が上がります。
植えつけ・植え替え時に株元にばらまく
うどんこ病とアブラムシの防除に有効な殺虫殺菌剤です。殺菌成分のペンチオピラドは新しい成分で、他の薬剤に耐性を持つ菌にも効果があります。殺虫成分のアセタミプリドはアブラムシに有効で、浸透移行性があるので薬液がかかりにくい場所の虫にも効果があります。
手軽にスプレーできる
水でうすめて使う殺菌剤。バラのうどんこ病と黒星病のどちらにも効きます。予防効果だけでなく、治療効果もあり、発病後の散布でも防除できます。浸透移行性があり、隅々まで有効成分が行き渡ります。
手軽に使えるスプレータイプの殺菌剤。殺菌成分のテトラコナゾールは、バラの黒星病やうどんこ病を予防するだけでなく、治療効果もあり、発病後の散布でも防除が可能です。浸透移行性があり、バラの隅々に有効成分が行き渡ります。
夏は、バラが株を充実させる大切な季節。しかし、夏の高温・乾燥したシーズンに発生しやすいのがハダニです。ハダニがついた葉は、ざらざらして色が抜け、やがて枯れたり落葉したりします。大量発生する前に薬剤を散布して防除するのが大切です。特に葉の裏につきやすいので、ダニダウン水和剤などを重点的に散布します。
植えつけ・植え替え時に株元にばらまく
天然由来成分のミルベメクチンが主成分で、環境に優しく、ハダニの卵、若虫、成虫のすべてのステージに高い効果があります。分包タイプなので、必要な分だけ使用できます。
梅雨の時期と同じように、秋も高温と長雨でカビが生えやすい季節。うどんこ病と黒星病がよく発生します。特に黒星病の元になる菌は、バラの葉のワックスがなくなる秋に侵入しやすいので、定期的にサルバトーレMEなどの殺菌剤を散布して予防します。また、枯れ葉や花がらはこまめに取り除き、菌が繁殖しにくい環境づくりを心がけましょう。
植えつけ・植え替え時に株元にばらまく
うどんこ病とアブラムシの防除に有効な殺虫殺菌剤です。殺菌成分のペンチオピラドは新しい成分で、他の薬剤に耐性を持つ菌にも効果があります。殺虫成分のアセタミプリドはアブラムシに有効で、浸透移行性があるので薬液がかかりにくい場所の虫にも効果があります。
手軽にスプレーできる
水でうすめて使う殺菌剤。バラのうどんこ病と黒星病のどちらにも効きます。予防効果だけでなく、治療効果もあり、発病後の散布でも防除できます。浸透移行性があり、隅々まで有効成分が行き渡ります。
手軽に使えるスプレータイプの殺菌剤。殺菌成分のテトラコナゾールは、バラの黒星病やうどんこ病を予防するだけでなく、治療効果もあり、発病後の散布でも防除が可能です。浸透移行性があり、バラの隅々に有効成分が行き渡ります。
冬の枝葉や土の中には病害虫の原因が潜んでいます、春からの被害を減らすために、落ち葉などを取り除いたり、定期的に防除しましょう。冬に行う鉢植えの植え替え時にも、HJブルースカイ粒剤を混ぜると、春からのアブラムシの発生を抑制します。
また、カイガラムシが発生したら、まん延しないようにブラシでこすり落とすなどして捕殺します。
バラを毎日観察することが、栽培上手になる第一歩
バラの体調は、新葉や茎、蕾の色つやに現れます。葉に斑点ができる、色が抜ける、葉や花弁にカビが生えるなどの症状が出たら、病気のサインです。また、アブラムシやハダニなどの害虫は繁殖力が高く、数匹見逃すと、あっという間に大発生してしまいます。
病気や害虫をまん延させないために最も大切なことは。発生初期に薬剤を散布して防除すること。そのためには、毎日バラを観察することが大切です。病気や害虫の兆候はないか、肥料や水はとりているか、毎日バラを対話して育てましょう。
【病気】黒星病 4月初旬~11月末
製品名 | フローラガード AL |
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使用方法 | 7~10日間隔でそのまま株全体に散布 |
製品名 | サルバトーレ ME |
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使用方法 | 7~10日間隔で水で3000倍にうすめて株全体に散布 |
【病気】うどんこ病 4月初旬~11月末
製品名 | フローラガード AL |
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使用方法 | 7~10日間隔でそのまま株全体に散布 |
製品名 | マイテミンスプレー |
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使用方法 | 7~10日間隔でそのまま株全体に散布 |
製品名 | サルバトーレ ME |
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使用方法 | 7~10日間隔で水で3000倍にうすめて株全体に散布 |
【害虫】アブラムシ類 4月初旬~11月末
製品名 | マイテミンスプレー |
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使用方法 | アブラムシに直接かかるよう散布 |
製品名 | HJブルースカイ粒剤 |
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使用方法 | 株元の土に混ぜ込む(1株あたり4g) |
【害虫】ハダニ類 4月初旬~11月末
製品名 | ダニダウン水和剤 |
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使用方法 | 水で2000倍にうすめて散布 |