2022.03.23 UP
【果樹栽培】【アボカドの育て方】|種から発芽させてアボカドを栽培しよう!
家庭でも観葉植物として楽しめるアボカド
アボカドは栄養豊富で、美味しい果実をみのらせます。濃厚な風味とねっとりとした舌触りが魅力で、幅広い方に人気の食材です。
アボカドを食べた後に残った種は、発芽させて育てることができます。種からアボカドを栽培して、観葉植物として楽しんでみましょう。今回は、アボカドの基本情報や品種、育て方、収穫方法など、さまざまな知識をご紹介します。
☘61:アボカドの育て方|水耕栽培、鉢栽培の方法、植え替えや冬越しの注意点などもご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
アボカドはクスノキ科ワニナシ属の常緑高木になる果物。
「森のバター」や「食べる美容液」とも称されるとても栄養価の高い果物です。
アボカドを食べた後の大きな種は水耕栽培や鉢植えなど手軽に観葉植物として栽培することが出来ます。
家庭でも観葉植物として楽しめるアボカド
アボカドは海外からの輸入品が多いせいか、日本の気候で栽培するのは難しいイメージがあるかもしれません。しかし、アボカドを食べた後に残る種は水耕栽培でも、一般家庭の鉢植えに埋めても発芽します。日当たりの良い庭はもちろん、明るいお部屋の中でも成長するアボカドは、室内用の観葉植物として楽しむのもおすすめです。
今回はアボカドの育て方やおすすめの品種、植え替えや収穫の時期についてなど、気軽に始められるアボカド栽培についてまとめました。
アボカドの特徴
栄養満点の森のバター
アボカドは主に中央アメリカやメキシコで栽培されている植物です。日本で見かけるアボカドのほとんどは輸入品となります。
森のバターと称されるアボカドは、その名の通り脂肪分が多いのが特徴です。脂肪分の大半が不飽和脂肪酸でコレステロールを減らす作用があります。食物繊維やミネラル、カリウム、ビタミンEといった栄養素が豊富に含まれているので、整腸作用・血糖値の低下・美肌・アンチエイジング効果・むくみ解消など、さまざまな効果が期待できるのも嬉しいですね。
観葉植物として育てられる
栄養満点で人気のアボカドは、食べ終わった後に残る種を使って、簡単に水耕栽培することができます。生育旺盛な植物なので、透明の容器に入れて育てれば、種から芽が出てくる様子や根が伸びる様子をじっくり楽しめます。グングンと育ってくると最終的に大きく濃い緑色をした美しい葉をつけるので、観賞用の植物としても最適ですね。
アボカドの原産地
アボカドは中南米が原産といわれています。栽培自体は7000年前には行われていたと考えられていますが、日本へは100年ほど前に伝わってきたとされています。
現在も、アボカドは中南米の各国でつくられています。食材として流通しているアボカドの多くはメキシコやペルーなどから輸入されたものです。
アボカドの種類おすすめ3選
7000年以上も前から栽培されているアボカドは世界に3000以上の品種があるそうです。こんなに種類があってはアボカドを育てたいと思っても、どれを育てたら良いか悩みますよね。そこで、こちらではおすすめの種類を3つご紹介します。
ハス種
日本に輸入されるアボカドの多くは、メキシコ産の品種であるハス種。果皮がゴツゴツしているのが特徴で、熟して食べごろになると皮が黒くなります。メキシコ系のアボカドは果実のサイズが小さめで、香りが強く、味も濃厚です。グアテマラ系や西インド系のアボカドよりも耐寒性や耐暑性に優れており、3~9月がとくに美味しい時期といわれています。
ベーコン種
熟しても果皮が緑のままで味が濃厚なのが特徴です。メキシコ系とグアテマラ系をミックスした品種で寒さに強く、日本でも栽培できます。果実のサイズは大きく、なめらかな舌触りと上品な味わいが美味しいと人気があります。
フェルテ種
メキシコ系とグアテマラ系を交配した品種で、世界ではハス種の次に生産量が多いとされています。耐寒性がないので冬は温室や暖かい室内で育てます。大ぶりの果実は、なめらかな深いコクが特徴です。
アボカドの基本的な育て方
アボカドは、水耕栽培と土栽培の2種類の方法で育てられます。インテリアや鑑賞用として楽しみたい人は、茎や根の生長を観察できる水耕栽培がおすすめです。アボカドの苗を購入する場合は、大きめの鉢に「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」を入れて植えつけをしましょう。ここからは、アボカドの基本的な育て方をご紹介します。
アボカドの種まき
アボカドを種から育てるときは、種の準備から始めます。アボカドの種を発芽させるには20℃以上の温度が必要とされているので、5~9月頃を目安に準備を始めましょう。種から育てるときに注意したいのが、実がなるまでの期間です。アボカドの種を一から育てると、収穫できるようになるまで何年もかかります。収穫用としてではなく、観葉植物として楽しむのがおすすめです。
水耕栽培の場合
アボカドから種を取り出したら、付着した果肉や脂分をきれいに洗い流します。種の尖っているほうを上にして、3~4本の楊枝を斜めに刺しましょう。種は、小さめの透明容器にセットします。種の下から3分の1が浸かるように水を入れて、日当たりの良い場所に置いてあげましょう。
土栽培の場合
水耕栽培と同じように種を取り出し、土を入れた鉢へ植えつけます。種が乾燥しないよう、すぐに種まきを済ませましょう。また、土はすべてかぶせず、半分ほど種が露出するように位置を調整します。種は、尖ったほうを上にしましょう。土は、水はけの良い培養土を使います。自分で配合する場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものや市販の園芸用土などがおすすめです。「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」なら、購入してそのまま鉢に入れて使えます。地植えにする場合、植えつけ予定地に腐葉土や堆肥などを加え、耕しておきましょう。
アボカドの水やり
アボカドの種をセットした容器の水は、できるだけ毎日取り替えましょう。順調に成長すれば1ヵ月ほどで発芽します。根がどんどん伸びてきたら土に植え替えてあげましょう。アボカドは乾燥に弱い性質を持っています。土栽培になったら、土の表面が乾いたタイミングで水を与えて、水を切らさないように注意しましょう。
アボカドの肥料
土に植えつける際、元肥として緩効性肥料を加えます。「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」を使う場合は、すでに元肥となる肥料マグァンプKが配合されています。生育期に当たる3月から9月は、しっかりと追肥しましょう。追肥には肥料効果が2~3ヵ月と長期間持続する「Plnatia花と野菜と果実の肥料」がおすすめです。また、5月前後に花が開花した場合は、「微粉ハイポネックス」を1週間に1回程度与えてください。
アボカドの植え替え
発芽したアボカドは急激に成長します。容器の中がアボカドの根でいっぱいになったら、株をもっと成長させるために大きめの鉢に植え替えましょう。
アボカドの植え替え時期
アボカドは生長がはやいため、2年に1度を目安に植え替えします。アボカドの根が窮屈にならないように、一回り大きく深めの鉢を用意して植え替えましょう。アボカドの植え替えの時期は5~6月がベストです。また、根が鉢底から飛び出してきたり、葉が黄色くなったりしていたら、根詰まりを起こしているかもしれません。このときも、はやめに植え替えてあげましょう。植え替えの際は、事前に新しい土を用意しておきます。コンパクトに育てたい場合は、同じサイズの鉢に再度植えつけてかまいません。大きく育てていきたいなら、一回り大きく、深めの鉢を用意して植え替えましょう。
アボカドの植え替え方法
植え替え作業の際は、伸びた根に傷をつけないように注意しましょう。根についた土は崩さず、そのままにして植えるのがポイントです。
アボカド植え替え後の水やり
植え替えをしたら水をたっぷりと与えます。夏場の暑い時期は水切れを起こしやすいため、とくに注意が必要です。土の表面が乾いたタイミングで水をあげましょう。水が足りていないときは、葉が下を向いた状態になります。一方で、冬場は根腐れを起こしやすい時期です。土の表面が乾いているときだけ水をあげて、夏場のように頻繁に水やりをする必要はありません。
アボカド栽培の注意点
アボカドを栽培するときは、しっかりと剪定して、季節に応じたお手入れをすることが大切です。こちらでは、剪定や風通し、寒さ対策など、お手入れのポイントをご紹介します。
剪定(摘芯)
観葉植物としてアボカドを育てるときはなるべく大きな鉢に植えるのが理想ですが、そのままの状態だと木がどんどん伸びていきます。剪定をしないと、樹高が20m近くなることもあります。剪定・摘芯をしながら大きさをコントロールしましょう。剪定のタイミングは4~6月です。上に伸びる枝を切って成長を抑え、できるだけ横方向に枝が広がっていくように、形を整えましょう。斜め方向や水平方向に伸びる枝を残し、垂直に伸びる枝はカットするのがポイントです。
日当たり・風通し
アボカドは日当たりと風通しの良い場所を好みます。地植えにする場合は、とくに植えつける場所を注意して選びましょう。ただし、冬に北風が当たる場所に植えつけるのは避けましょう。冬の寒さに耐えきれず、株が弱ってしまうことがあります。
害虫対策
大きくなったアボカドの葉や枝が密生すると、害虫が発生することがあります。適度に剪定をして風通しを良くするのが大切です。病害虫の被害に遭った葉は元通りにならないこともあるため、しっかりと予防しましょう。
寒さ対策
アボカドの生育適温は20℃~25℃で、霜が降りる場所は苦手です。寒くなってきたらアボカドの木を暖かいお部屋に入れて、室温をできるだけ一定に保つことが大切です。もっと気温が下がるようならビニールなどで覆って、日当たりの良い場所に移してあげましょう。
増やし方
アボカドの増やし方には、種まきと接ぎ木があります。種まきの場合は、アボカドの実から種を取り出します。家庭菜園でアボカドを結実させるのは少々難しいため、増やしたいときは接ぎ木に挑戦してみましょう。接ぎ木とは、2つの木をつなぎ合わせて、ひとつの木にする方法のことです。元気な台木と穂木を用意し、しっかりと固定してつなぎ合わせます。
台木と穂木がくっつくまでは時間がかかります。風や雨で倒れてしまわないように様子を見ながら管理しましょう。
アボカドの冬越し
アボカドは熱帯の気候に合った植物で、耐寒性が弱い点が特徴です。日本で育てる場合、冬の寒さに気をつけなければいけません。アボカドの耐寒性と、冬越しの方法について確認しておきましょう。
アボカドの耐寒性
アボカドは、品種によって耐寒性が異なるものの、基本的に寒さに弱いとされています。冬にマイナス5℃を下回る地域では、地植えを避けましょう。寒冷地以外であれば、屋外でも冬越しさせることができます。また、アボカドの苗が小さいうちは、より防寒対策に気を配る必要があります。5℃以下になるときは、暖かい場所へ移動させましょう。
冬越しのコツ
アボカドを屋外で冬越しさせる際は、風よけのビニールを張ってあげると安心です。地面は藁やビニールなどでマルチングします。また、冬の間は水やりの量を少なくして、乾かし気味にしましょう。冬は過湿による根腐れが起きやすいためです。
アボカドの収穫
アボカドの実は、11~12月に収穫できます。苗を1本植えただけでは実をつけないケースがほとんどです。受粉のさせ方や収穫のコツなどを調べておきましょう。
アボカドの受粉
アボカドは春になると黄色い花をつけます。ひとつの株に雄花と雌花が咲くものの、それぞれの開花時期が異なるのが特徴です。実をつけたいときは、どうやって受粉させるか考えておく必要があります。手軽なのは、花型が違う品種を2本以上植えることです。園芸店などで、接ぎ木苗を複数本購入しましょう。異なる株どうしで雄花と雌花の開花時期が重なれば、自然と受粉します。確実に収穫したい場合は人工授粉しましょう。
木が1本しかない場合も、人の手で受粉させることができます。午前中に雄花が咲いたら、しぼまないように気をつけて取り、冷蔵庫に保管しておきましょう。雌花が咲いたら、雄花を取り出して、綿棒で花粉を採ります。花粉をめしべにつけたら受粉完了です。
受粉に成功した実は、ゆっくりと時間をかけて大きくなっていきます。秋から冬の収穫時期が来るまで、大切にお手入れしてあげましょう。
アボカドの収穫時期
一般的なアボカドは11~12月頃が収穫時期となっていますが、品種や地域によっては3月や7~8月頃にとれる場合もあるようです。木の上で熟したら収穫するのがベストですが、まだ硬いうちに収穫してもかまいません。熟す前に収穫したアボカドは1~2週間置いておきましょう。保管はアボカドの追熟に適した25℃程度の場所で行います。暖かい室内にて管理するのがおすすめです。
果皮が黒っぽくなったり、柔らかくなったりしたら食べごろのサインです。ふだん食べているアボカドと同じように、皮をむいて料理しましょう。
アボカドの収穫方法
熟したアボカドは、手でもぎとることができます。傷がつきやすいため、丁寧に扱うことが大切です。品種によっては、熟すと自然と落下します。地面に落ちてしまわないよう、熟しそうな実を見つけたら袋をかけておきましょう。
アボカドを使った料理
アボカドは、とろっとした食感があり、栄養満点の食材として人気です。醤油やワサビにつけて単体で食べても美味しいですが、他にもいろいろな料理に用いられています。
サラダやサンドウィッチ、タルタルなど、アボカドを使った定番メニューをはじめ、くり抜いた種の部分にたまごやチーズ、パン粉などを乗せてオープンで焼いた焼きアボカドも美味しいですよね。
硬いアボカドも、加熱することで柔らかくなります。油で揚げて天ぷらにしたり、クリーム煮にしたりすれば美味しく食べられるようになります。アボカドが収穫できたら、さまざまなレシピで楽しみましょう。
おわりに
育て方のポイントを抑えれば、ガーデニング初心者でも手軽に育てられるアボカド。今までは捨ててしまっていた種を栽培して、観葉植物として楽しめるようになったら嬉しいですよね。アボカド栽培は今からでも簡単に始められます。まずは種を発芽させることを目指し、徐々に大きく育てていきましょう。
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🥑『アボカドを楽しむ』
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川瀬良子さんが、いろいろな植物の育て方、楽しみ方にチャレンジし笑顔をお届けします。
公開: 2019年7月31日
更新: 2021年4月21日
更新: 2022年3月25日
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