2022.05.11 UP
白い花が咲く初心者にもおすすめの植物|春夏秋冬シーズン別にピックアップ
白色の花は、咲き方や花びらの形などで印象が大きく変わります。清楚なイメージやナチュラルなイメージ、クールなイメージなど、種類によって異なる雰囲気を楽しめます。寄せ植えの際にさまざまな色の花と組み合わせやすいのも魅力です。ぜひご自宅に白い花を植えて育ててみましょう。今回は、ガーデニング初心者にも育てやすい白い花を咲かせる植物や、それぞれの特徴、栽培の注意点などをご紹介します。
春に白い花が咲く植物
芽吹きの季節となる春には、さまざまな種類の花を楽しめます。秋冬のうちから開花に備え、植えつけ作業を済ませておきましょう。まずは、春に白い花を咲かせる草花や庭木をご紹介します。
デージー
キク科のデージーは、和名で「ヒナギク」とも呼ばれます。開花時期は12月下旬から5月にかけてです。マーガレットと間違われることが多いものの、厳密には異なる植物です。白のほか、ピンクや紫、赤などの可愛い花が咲きます。草丈は15cm程度のものから40cm程度。花壇の手前や小道の縁などに植えるのもおすすめです。デージーは一年草のため、花が終わると枯れていきます。毎年楽しみたい場合は、種や苗を入手しましょう。耐寒性は普通ですが、霜が降りる場合は対策をしておくと安心です。
エリゲロン
エリゲロンはキク科の草花です。多数の品種があり、形や草丈、開花時期もさまざま。特に、小さな花をたくさん咲かせる「エリゲロン・カルビンスキアヌス」という品種が有名です。「ペラペラヨメナ」とも呼ばれており、石垣やコンクリートの隙間などにも咲く丈夫さを持ちます。5月から11月と、初夏から秋まで長く咲く点も魅力です。過湿になると根腐れを起こしやすいため、水はけの良い場所へ植えてあげましょう。
スズラン
鈴型の可愛らしい花をたくさんつけるスズラン。開花時期は4月から5月で、5月1日は「スズランの日」としても知られています。日本原産の種類もありますが、一般的によく見かけるのはヨーロッパ原産の品種です。高温多湿は避け、半日陰の水はけが良い場所を選んで植えましょう。鉢植えの場合は2年~3年、地植えなら4年に1回を目安として株分けできます。可憐な姿をしていますが全体に毒があるため、扱いには十分に気をつけましょう。
オーニソガラム
星のような真っ白の花を咲かせるオーニソガラム。春咲きの品種は4月~5月、夏咲き品種は7月~8月に開花します。品種によって、たくさんの花が穂のようにつくものや、手まりのようにつくものなどがあります。ウェディングブーケの花材としても人気です。耐寒性の強い品種は地植えも可能ですが、半耐寒性の品種は鉢植えにして、霜がつかないように管理すると安心です。特に寒さが厳しい場合は、ビニールをかけて防寒対策しましょう。自然に球根が分球して増えるため、鉢植えの場合は毎年植え替えることがおすすめです。
スノーフレーク
スノーフレークは3月中旬から4月中旬にかけて開花します。花の形はスズランによく似ていますが、緑の斑が入ります。水はけと日当たりの良い場所へ植えてあげましょう。花後は球根のみになって休眠し、夏を越します。葉が枯れるまでは水やりを続けて日に当てましょう。植えっぱなしでも問題ありませんが、分球して土の中が混雑してくることも。定期的に掘り上げて球根を分け、植え替えていきましょう。
ハゴロモジャスミン
ハゴロモジャスミンは、4月~5月になると小さな白い花をいくつも咲かせます。原産地は中国で、花は強い芳香を放ちます。つるを伸ばして生長するため、フェンスやネットなどを用意して育てることがおすすめです。あんどん仕立てにすれば、鉢植えとしても育てられます。耐寒性は少々弱く、0℃以下になるとつぼみが落ちてしまうため注意が必要です。花後はすぐに剪定して、不要なつるをカットしておきましょう。
ジンチョウゲ
ジンチョウゲは樹高1m程度の低木です。2月下旬頃から4月にかけて、香り豊かな花を咲かせます。内側が白、外側が赤紫色の花びらに見える部分は咢にあたります。植え替えを嫌うため、一度植えつけたら動かさないことが基本です。無理に移植すると枯れてしまうことも多いため、場所をしっかりと考えてから植えつけましょう。樹形が自然に整うほか、枝を切りすぎると枯れてしまうことがあるため、剪定はほとんど行いません。乾燥しやすい時期は水切れに気をつけて、土が乾いていたら水やりしましょう。
☘157:沈丁花(ジンチョウゲ)の育て方|苗の植えつけや水やりと肥料の与え方、剪定作業もご紹介 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ドウダンツツジ
ドウダンツツジは日本や台湾などが原産の落葉低木です。4月中旬から5月にかけては白く小さな花を、10月から11月にかけては紅葉を楽しむことができます。樹高は1mから2mほどで、鉢植えでも育てられます。鮮やかな紅葉を鑑賞したいなら、日当たりの良い場所へ植えることが大切です。日によく当てることで花つきも良くなります。剪定する場合は花の時期が終わってからすぐに行います。鉢植えの場合は2年に1回は植え替えましょう。
☘45:ツツジの育て方|苗の植えつけ方や日々の管理、水やりや肥料の与え方などご紹介|【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
夏に白い花が咲く植物
夏の暑さで弱りそうなときも、涼しげな白い花を見ると元気に過ごせそうです。真夏は植物にとって過酷な時期となりますが、耐暑性が強い種類を選べば管理しやすくなるでしょう。こちらでは、夏に白い花を咲かせる植物をご紹介します。
ガウラ
ガウラは北米原産の多年草です。ヤマモモソウ(山桃草)やハクチョウソウ(白蝶草)の名前でも知られています。5月から11月にかけて、小さい蝶のような花を長く咲かせます。草丈は1mを超えるものが基本です。横にも広がりやすいため、ある程度のスペースを用意して植えると良いでしょう。現在は、高さ30cm程度の矮性品種も登場しています。狭い場所で育てる場合は小型の品種を選ぶことがおすすめです。根付くまではしっかりと水を与えますが、過湿にならないよう気をつけましょう。
ゼフィランサス
ゼフィランサスは球根をつくって増える多年草です。5月下旬頃から10月にかけて、たくさんの花を咲かせます。もっともよく見られるのが「タマスダレ」という品種です。白い花びらが上向きにつき、常緑の葉がピンと立つ姿が特徴です。ピンクの花をつける「サフランモドキ(カリナタ)」という品種もあります。いずれの品種も、育てる際は乾燥しきってしまわないように注意が必要です。土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。
サギソウ
サギソウは、その名の通り、鷺(サギ)が羽を広げたような形の花が特徴です。日本原産のランであり、7月から9月にかけて開花します。冬が来ると地上部が枯れて球根のみの状態になり、気温が上がってくると再び芽吹きます。草丈は20cmから40cmほど。盆栽としても人気です。基本的には鉢植えにして、季節に合わせて環境を変えます。夏場の直射日光に当たると葉焼けしてしまうことがあるため、日よけをつくっておきましょう。
ユリ
日本はもちろん、世界各地で古くから親しまれてきたユリの花。豊富な品種があり、花の色や模様、形などもさまざまです。開花時期は主に5月から7月で、品種によって異なります。野生種のほか、交配によって生み出されたオリエンタル系やスカシユリ系などの品種が育てられています。耐暑性は普通ですが、夏の地温上昇を避けて涼しい場所へ植えましょう。水はけの良い環境をつくることも重要です。自然と分球することもありますが、種類によってはむかごや木子などをつくって増えます。
☘128:ユリの育て方|きれいな花を咲かせるには?水やりや肥料など日々の管理もご紹介 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
クレマチス
クレマチスはつる性植物の女王ともいわれており、ガーデナー人気が高い花のひとつです。バラのパートナープランツとして植えられるケースも多く見られます。四季咲き・春咲き・夏秋咲き・冬咲きの品種があり、組み合わせて植えると1年中花を観賞できることも。夏から秋にかけて咲くクレマチスは、個性的な姿をしたものも多く見られます。つるは3mほど伸びることもあるため、ネットやフェンスなどを用意しておきましょう。移植には向いていないため、植えつけ場所はしっかりと考えておくことがポイントです。
☘53:クレマチスの育て方|上手に花を咲かせるには?植えつけの注意や、水やり、肥料の与え方などもご紹介【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ヤマボウシ
ヤマボウシは樹高10mから15mほどに生長することもある樹木です。管理の手間がかかりにくく、公園や道端などに植えられるケースも多く見られます。基本的な品種は落葉高木ですが、常緑性の品種もあります。白い花に見えるのは総苞片と呼ばれる部分です。花期は6月中旬から7月にかけてで、花が終わると甘い果実がなります。収穫できたら、ぜひ味わってみましょう。樹形が自然に整うため、こまめな剪定が不要な点も魅力です。鉢植えにして小さく育てることも可能ですが、2年~3年に1回は植え替えましょう。過湿を避け、水はけの良い土で育てることも重要です。
秋に白い花が咲く植物
秋になると暑さが和らぎ、植物のお手入れもしやすい時期となります。白い花を植えて、秋の空気にぴったりの情緒あふれるお庭を演出してみましょう。こちらでは、秋に白い花の咲く植物をご紹介します。
パンパスグラス
パンパスグラスはふわふわとした大きな花穂が特徴の多年草です。矮性品種の草丈は1mほど、高性品種になると3m程度に生長します。根が旺盛に伸びるため、鉢植えにする場合は地面に直接置かないほうが良いでしょう。根づくまでは水やりをしますが、根が張ったらほとんど水を与える必要がありません。よく日に当てることが元気に育ちます。耐寒性はやや弱いため、冬は防寒対策を行いましょう。
宿根アスター
キク科シオン属の多年草のなかでも、「ミカエルマス・デージー」や「クジャクアスター」などは宿根アスターとして扱われることがあります。開花時期は8月から11月にかけて。花の色は白のほか、紫やピンクなどです。花の大きさや草丈は品種によって変わります。主に草丈1m程度で、一株に小さな花をたくさんつけるものがよく見られます。耐暑性・耐寒性ともに優れており、夏の日差しにも負けません。一方で、日陰だとうまく育たないことがあるため気をつけましょう。
キク
日本の秋の花の代表格ともいえるキク。品種が大変豊富ですが、主に和菊と洋菊があります。大きさや花色、咲き方なども多彩なため、お好きな品種を選んで育てていきましょう。ご家庭で育てる場合は、管理しやすい小菊やポットマムなどがおすすめです。いずれも水はけの良い土を用意して植えつけましょう。ただし、水切れしないように土の表面が乾いたら水をたくさん与えます。日光をしっかりと当てられる場所で管理しましょう。
☘28:菊(キク)の育て方|どんな品種があるの?置き場所や、摘心、肥料の与え方などもご紹介|【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
冬に白い花が咲く植物
寒さが厳しくなってくると休眠期に入る植物もありますが、冬にしか花を咲かせない植物も見られます。屋外で育てたい場合は、ご自宅のある地域の最低気温に注意し、耐寒性の強い品種を選ぶことが大切です。最後に、冬に白い花が咲く植物をご紹介します。
クリスマスローズ
クリスマスローズは1月~3月にかけて花を咲かせます。もっともよく見られるのはガーデン・ハイブリッドと呼ばれる園芸種です。本来はヘレボルス・ニゲルという種類のみをクリスマスローズといいますが、日本においてはヘレボルス属の総称として使用されています。地植えも可能ですが、初心者の場合は鉢植えのほうが管理しやすいでしょう。秋から春にかけては日当たりの良い場所、夏は直射日光を避けて半日陰で管理することがおすすめです。
スノードロップ
スノードロップはヒガンバナ科の多年草です。草丈5cmほどのものから30cmほどまで伸びるものがあります。スノーフレークと間違われることがありますが、実際には異なる植物です。よく育てられている「ガランサス・エルウェシー」は、内側の花びらの付け根と先端に模様が入ります。開花時期は2月~3月にかけてです。球根は秋に植え、日によく当てながら育てていきます。花が咲き終わり、気温が上がってきたら休眠期です。球根を乾燥させないよう、土に埋めたまま夏越ししましょう。
☘140:スノードロップの育て方|夏越しの方法は?水やりや肥料など日々の管理をご紹介 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ウメ
ウメは日本の代表的な花木のひとつです。花の鑑賞に向いた花ウメや、実の収穫に適した実ウメがあります。花ウメの樹高は5m~10m、実ウメの樹高は2m~4mです。鉢植えにする場合も地植えにする場合も、日当たりの良いところで管理しましょう。土は水はけが良いものを利用します。育てる際は剪定が必要なため、時期や切り方のコツを押さえておくと良いでしょう。
☘156:梅の育て方|苗の植えつけや水やりと肥料の与え方、剪定作業もご紹介 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
おわりに
白い花は花壇の主役にも名脇役にもなる存在です。花の形や大きさなどで印象も大きく変えられます。育てたものは切り花やドライフラワーなどでアレンジして、さらに楽しむこともできます。ご紹介した植物は栽培難易度が低めのものが多いため、これからガーデニングを始める予定の方にもおすすめです。ぜひさまざまな種類を育ててみましょう。
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