2022.05.25 UP
【家庭菜園】ミニトマト栽培を始めよう! 植えつけのコツや育てるときの注意点は? |ビギナーさんがやりがちな失敗4つ
夏の家庭菜園の定番、ミニトマト。今まさに栽培中、もしくはこれから栽培してみようと考えている方は多いのではないでしょうか。ミニトマトは初心者向けの野菜ですが、育て方には少々コツが必要です。いざ育て始めてみたものの、「枯れてしまった」「実が赤くならなかった」「甘みが薄くて美味しくなかった」といった声も。そこで今回は、ミニトマトの基本的な育て方や病害虫対策、収穫のコツに加え、栽培でありがちな失敗の原因や、それぞれの対処法、おすすめ品種などについてご紹介します。
05:🍅ミニトマトの育て方 サントリー本気野菜 純あま
【🍅緒方湊の家庭菜園ゼミナール🍆】
☘59:ミニトマトの育て方|おいしい実を付けるには?水やりと肥料の与え方、わき芽かきや摘心などの管理方法もご紹介
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ミニトマトの品種を選ぼう
ミニトマトには多数の品種があります。色や形、味わいなど、お好みに合わせて選びましょう。こちらでは、ビギナーさんにもおすすめの育てやすい品種をご紹介します。
アイコ
ミニトマトの定番品種のひとつであるアイコ。縦に長い卵のような形をしており、一株にたくさん実ります。黄色やオレンジの実をつけるアイコの品種もあるため、並べて植えると見た目も楽しめそうです。食べると甘くジューシーな食感を味わえます。果肉は厚く、やや硬めの歯ごたえです。
千果(ちか)
千果(ちか)は、アイコ同様、定番品種のひとつです。小さく丸い形で、つやつやと輝く赤い実は、多くの人が想像するミニトマトそのもの。収穫できる量が非常に多いのも特徴です。甘みがあり、実がしっかりと詰まっています。
純あま
名前の通り、糖度が高く甘みが強いミニトマトの純あま。うまみ成分も豊富で、コクのある食味が特徴です。皮は薄めで、ぶどうのような食感を楽しめます。ぜひ、たくさんの実を収穫して味わってみましょう。
ミニトマトを植えつけよう
ミニトマトを育てるときは、苗を購入するのがおすすめです。まずは、ミニトマトの植えつけ時期や苗選びのコツ、植えつけ方法などについてご紹介します。
植えつけ時期
ミニトマトは種からでも苗からでも育てられますが、ビギナーさんの場合は苗を購入するのがおすすめです。種まきをする場合は3月~4月、苗を植えつけするなら4月下旬~6月に作業を済ませましょう。暖かい環境を好むため、霜の降りる時期は避けるのがポイントです。もし植えつけた後に寒くなることがあったら、暖かい場所へプランターを移したり、不織布で覆ったりして防寒します。
苗選びのコツ
ミニトマトに限らず、植物の苗を選ぶときは、虫がついていないかチェックしましょう。虫食いのあとがあるものも、株が弱っている可能性があるため避けたほうが無難です。また、苗全体を見て、茎が太めでがっしりとしているものがおすすめです。ひょろひょろと徒長して、弱々しいものはうまく育てられないかもしれません。葉の色が濃く、ピンと張っているものは元気です。また、一番花(一つの株のなかで一番はじめに咲いた花)が咲いている苗は育てやすいのでおすすめです。
準備するもの
植えつけの際は、用土、肥料、鉢(プランター)、移植ごて、支柱などを準備します。ミニトマトは旺盛に根を伸ばすため、鉢やプランターは30cm程度の深さ・幅があるものがおすすめです。
支柱は、基本的に1株に1本は用意しておきます。仕立て方に応じて数を増やしましょう。支柱の大きさは150cm以上がおすすめです。
植えつけ場所の選び方
ベランダ栽培をする際に注意したいのが、室外機の存在です。室外機から出る風が当たる場所は避けて、プランターを配置しましょう。つねに強い風が当たってしまう環境だと、ミニトマトが乾燥しすぎてしまいます。
土づくり
ミニトマトを美味しく育てるには、排水性・保水性・通気性・保肥性に優れた土を用意することが大切です。市販の野菜用培養土を使えば問題ないでしょう。
おすすめは、『今日から野菜 野菜を育てる土』がおすすめです。
元肥が加えられた培養土なら、追加で元肥を用意する必要はなく、購入してきたらそのまま使うことができます。
また、今までナス科の植物を育てたことがある土には植えないようにしましょう。連作障害が発生し、うまく育たなくなってしまうことがあります。
植えつけ方法
苗をを購入したら、すぐにプランターや畑へ植えつけましょう。小さなポットに入れたままだと、ミニトマトをすくすくと育てることができません。
プランターへ植えつけるときは、鉢底ネットで底の穴をふさぎ、鉢底石を敷いてから土を入れ、根鉢よりも一回り大きな植え穴を掘ります。苗を優しくポットから出し、植え穴に置いたら土をかぶせましょう。倒れてしまうのを防ぐため、しっかりと土を寄せてあげるのが大切です。植えつけが済んだら水をたくさん与えます。プランターの底から流れ出てくるくらいが目安です。
支柱の立て方
ミニトマトが大きくなってくると倒れやすくなるため、植えつけ時に支柱を立てておきましょう。茎を固定する際は麻紐などで8の字にゆるく結びます。きつく固定して傷めないよう、優しく扱いましょう。苗のそばに支柱を立てる際は、倒れないようにしっかりと打ち込みます。
ミニトマトをお手入れしよう
ミニトマトを植えつけたら、水やりや施肥などを行いながら収穫までお手入れしていきます。こちらでは、ミニトマトの管理方法をご紹介します。
水やり
ミニトマトの水やりは、土が乾いたタイミングで行います。夏場は地中の温度が上がらない早朝のうちに水やりを済ませましょう。
また、降雨の影響を受ける場所でミニトマトを育てている場合は、水の与えすぎにならないように注意します。できれば雨が直接当たらないところを選んで植えましょう。プランター栽培の場合は、梅雨の時期は軒下など屋根のある場所へ移すことがおすすめです。露地栽培の場合は雨除けを作ったり、マルチングして泥はねを防止したりといった対策が有効です。ビニールマルチや敷き藁などを利用することで、夏場の極端な乾燥も防げます。
肥料
ミニトマト栽培では、野菜用の肥料やトマト専用肥料などを使うのがおすすめです。チッソ・リンサン・カリがバランスよく含まれているものを選びましょう。また、トマト専用肥料であれば、栽培に必要なカルシウムなどの成分をしっかりと取り入れられます。
おすすめはゆっくり長く効き続け野菜が元気に育つ『今日から野菜 野菜の肥料』 です。
植えつけ時に元肥を加えた後は、収穫までに何度か追肥を行います。株で最初についた花房(第一花房)に実がついた頃を目安に追肥をスタートしましょう。その後は、速効性肥料の液体肥料で管理する場合は1週間~10日に1回の頻度で与えます。『専用液肥 -野菜-』はアミノ酸配合により、おいしい野菜をつくります。
緩効性肥料の場合は1カ月に1回の頻度を目安に施肥をします。肥料ごとに頻度は異なるため、説明書をよく読んでおきましょう。おすすめは2~3か月間肥料効果が持続する『今日から野菜 野菜を育てる土』です。『今日から野菜 野菜を育てる土』は野菜栽培で起こりやすいカルシウム欠乏症を防ぎます。
芽かき(わき芽かき、脇芽かき)
ミニトマトはたくさんわき芽(脇芽)を出していきます。仕立て方にもよりますが、大半は摘み取ってしまってかまいません。すべて残してしまうと栄養を取られ、収穫できる量が少なくなってしまうことがあります。
わき芽は小さなうちにかき取ります。摘み取った部分が湿ったままだと病気の原因になるため、乾かしやすい晴れた日に作業しましょう。
ミニトマトを仕立ててみよう
基本は1本仕立てで、一株に1本の支柱を立てます。こまめに脇芽かきをして主枝を伸ばしていきましょう。この方法だと管理がしやすいため、特に初心者におすすめです。
収穫量を増やしたい場合は、主枝と脇芽をひとつ伸ばす2本仕立てが良いでしょう。残すのは、第一花房の下に出る脇芽です。苗の両脇に支柱を立て、それぞれの支柱に誘引していきましょう。
プランター栽培の場合、行灯支柱やピラミッド式もおすすめです。行灯支柱では、プランターの4カ所に支柱を立て、紐などで囲います。ピラミッド式の場合、3本程度の支柱を組み合わせてピラミッドのような形に立てます。支柱を深くまで差し込むのが難しいプランター栽培は、ピラミッド式の立て方が安定させやすくおすすめです。
ミニトマトの天敵・病害虫に気をつけよう
ミニトマトの栽培時は、病害虫の被害にも気を配ることが大切です。できるだけ予防や対策をして、美味しいミニトマトの収穫を目指しましょう。
アブラムシ対策
ミニトマトに発生しやすい虫のひとつがアブラムシです。茎や葉の裏などについて汁を吸い、ミニトマトを弱らせてしまいます。ウイルスを媒介することもあるため、見つけ次第すぐに駆除することが大切です。
アブラムシが少ない場合は一つひとつ取り除いても良いですが、大量に発生すると駆除が追いつかないこともあります。そういった場合は、薬剤を使用しましょう。虫を予防するマグァンプDは、追肥とアブラムシ退治が同時にできるのでおすすめです。
また、植えつけ時に虫を予防するマグァンプDを使用すると元肥とアブラムシの発生を予防することができます。アブラムシ被害を防ぐために、ぜひ活用しましょう。
うどんこ病対策
うどんこ病は、葉にうどんこのような白い粉がつく病気です。うどんこ病にかかっている葉を見つけたら、これ以上広がらないように切り取っておく必要があります。
うどんこ病は、日当たりと風通しの悪い場所で発生しやすいのが特徴です。ミニトマトを植えつけるときは株間を十分にあけ、密植を避けましょう。
また、うどんこ病は、チッソ成分を与えすぎることでも起こりやすくなるといわれています。各種成分がバランスよく配合された野菜用の肥料を選びましょう。今日から野菜 野菜の肥料は、カルシウムをはじめ、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合しているのでおすすめです。
尻腐れ症対策
尻腐れ症とは、果実の尻などが黒ずんでしまう病気です。放っておくと、果実全体が腐っていきます。一度尻腐れ症になったミニトマトを回復させることは困難なため、見つけたらすぐに摘み取りましょう。
尻腐れ症は、カルシウム不足のときに発生しやすいとされています。土づくりの際に石灰を混ぜておくことで、尻腐れ症を予防しましょう。尻腐れ症予防には、カルシウムが配合された植物用活力液リキダスを与えましょう。
ミニトマトを収穫しよう
ミニトマト栽培のだいご味である収穫。美味しい果実を食べるには、収穫のタイミングや方法を把握しておくことが大切です。こちらでは、ミニトマトの収穫に関する知識をご紹介します。
収穫時期
ミニトマトの収穫時期は、7月~8月にかけてです。一番花が開いてから約50日で収穫できるようになります。環境によって収穫のタイミングは前後するため、こまめに様子をチェックしておきましょう。
果実全体が濃い赤色に染まり、ヘタの部分が丸まっているものが食べごろです。収穫のタイミングを逃すと実が割れてしまうため気をつけましょう。
収穫方法
ミニトマトは、手やハサミで収穫するのが基本です。実がついた茎の部分から摘み取っていきましょう。
ミニトマトはひとつの株にたくさん実をつけます。長期間収穫を楽しめるのが魅力ですが、後半になると葉が枯れてきてしまいます。枯れた部分は順次カットしていきましょう。
収穫後の抜き取り
基本的に、ミニトマトは1シーズンで枯れていきます。収穫できる実がなくなったら、苗を抜き取って片付けましょう。支柱や紐を外し、茎は程よい長さで切っておくと捨てやすくなります。
土については自治体によって分別の仕方が違うため、お住まいの地域のルールを確認しましょう。ほかの野菜を育てるために再利用する場合は、連作障害を避けるための処理が必要です。
まずは余計なものが混ざらないようにふるいにかけます。土の中の栄養分が偏らないよう、ハイポネックス 土のリサイクル材などの土壌改良剤を混ぜて1カ月以上放置しましょう。
ミニトマト栽培の注意点!ビギナーさんがやりがちな失敗4つを知ろう
鉢やプランターの深さが足りない
ミニトマトを植えつける際に確認しておきたいのが、苗を植える鉢やプランターの深さについてです。
浅すぎる鉢やプランターを使用していると、根がしっかりと伸びることができないため、実の生育に悪影響を与えることがあります。深さが30cm以上ある鉢やプランターを使用するようにしましょう。地植えにする場合は土を深くまで耕し、根が伸びやすい環境をつくっておくのが大切です。
水を与えすぎている
ミニトマトは、雨が少なく日照量の多い南米アンデス地方を原産とすることから、乾燥に強い性質を備えています。そのため、ミニトマトに過度な水やりはNG。水を与えすぎると、根腐れを起こしたり、実の甘みが落ちたり、実が水分を含みすぎて膨張し割れてしまったりします。
水やりは、土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるようにしましょう。水やりの際は、葉や茎に水がかからないようご注意を。葉や茎に水がかかると、蒸れて病気にかかりやすくなることがあります。
また、ミニトマトの糖度を上げたい場合、水やりを控えたほうが良いと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。実際に、水やりを少なくしてあえて小さく育てることで、ミニトマトの甘みを強められることがあります。ただし、この方法で無事に美味しいトマトを収穫するのは難しい場合も多いため、避けたほうが無難です。水やりしすぎも良くありませんが、少なすぎてもうまく育ちません。適度に水を与えてあげましょう。
芽かきをしていない
「できるだけたくさんの実をつけたい」と思っても、枝や葉を生い茂らせるのはよくありません。枝を伸ばすことのほうに栄養素が使われてしまい、実に栄養が行き渡らなくなってしまいます。また、葉が生い茂ることで葉同士が影をつくり、十分に日光が当たらなくなることもあります。
このような状態を防ぐために、茎の根元から出ている小さな芽を切り下ろす「芽かき」を行いましょう。芽かきは、ミニトマトの育て方においてとても重要な工程ですので、しっかりとやり方をマスターしてくださいね。
👉芽かきの方法はこちらをチェック
「摘芯・剪定・病害虫対策はどうすればいい?ミニトマトの上手な育て方」
摘心(摘芯)をしていない
ミニトマトは放っておくと、ぐんぐん生長して大きくなっていきます。植物が生育していく様子を見るのは嬉しいものですが、実をしっかりとつけたいのであれば、大きく育てすぎるのはよくありません。背丈が伸びすぎると、茎や葉の方に栄養がいってしまい、実のつきが悪くなったり実の味が悪くなったりしてしまいます。そこで必要となるのが、ある程度の大きさになったら茎の頂上を切り落とす「摘心」という作業です。茎が伸びるのを意図的に止めることで、実の生育を促すことができます。
ただし、摘心の際は、花のついた部分まで切り落とさないように気をつけましょう。通常は、6~7花房残します。一番うえの花房の上に、葉を2~3枚残してカットするのがポイントです。
おわりに
ミニトマトは、家庭菜園が初めての方やお子さまにもおすすめの育てやすい野菜です。品種も豊富なため、お好きなものを選ぶ時間も楽しめます。ビギナーさんにありがちな失敗例も参考に、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。病害虫にも気をつけて、美味しいミニトマトの収穫を目指しましょう。
💧ハイポネックス研究員が実演!
01:🍅ミニトマトの栽培方法‐植えつけ編‐
動画でわかりやすく!HYPONeX Smile