タマネギ

2021.02.02

時期:一般的なタマネギは通年、新タマネギは春が旬
産地:北海道、兵庫県、佐賀県

タマネギを選ぶ

頭やお尻を見ましょう

タマネギは頭の部分から(上から見た時に中心部分から)傷んでくるので、この部分に適度なかたさが残っていれば新鮮な証拠です。また、芽や根が出ていると栄養素がその成長に使われてしまっているので味が落ちます。

外見が乾燥しているもの、重いものを選びましょう

タマネギの外側の皮が茶色に乾燥していて、ツヤツヤなものは味が良いです。持ったときにずっしりと重みを感じ、かたく締っている物の方が水分をしっかりと保っていて美味しいです。逆に軽い物は乾燥しすぎているか、傷んで空洞ができている可能性があります。

一般的なタマネギの場合は球形のものを選びましょう

一般的な品種のタマネギの場合、いびつな形のものより、球に近い形のものを選びましょう。平らなものは熟しすぎているため、傷むのが早い場合が多いです。(楕円形の品種もありますので、形は品種により異なります)

新タマネギのポイント

新タマネギは一般的なタマネギに比べ、水分が多く、扁平な形で、柔らかいのが特徴です。
新タマネギの場合も、表面に傷が無い物で、ずっしりと重みを感じるものを選んでください。新タマネギは特に締りが緩く、手にした時に軽く感じるものもよくありますのでご注意を。また、カビなどが生えやすいので、よく目で確かめましょう。茎(先端の部分)が細いもの、葉付きの場合は葉がまだ青々としている物を選んでください。先端が太いものは葉に栄養が取られている可能性が大きいです。形が扁平な「白タマネギ」と、普通のタマネギに形・果皮の色が近い「黄タマネギ」の2タイプがあります。白タマネギは別名「サラダオニオン」でお馴染みですね。

一般的なタマネギも新タマネギも栄養成分に大差はなく、ビタミンB1、B2、C、カリウム、鉄、玉ねぎ特有の「硫化アリル」が含まれています。
硫化アリルは辛みの元になる成分で、血液をサラサラにする働きがあるので、高血圧などに高い効果が期待できます。この硫化アリルは水に溶けやすく熱に弱い性質があるので、生で食べることが多い新タマネギを食べて硫化アリルを摂りましょう。

新タマネギの葉

葉も食べる新タマネギ

一般的なタマネギは茎が枯れて倒れてから収穫しますが、新タマネギは早取りをするので茎葉がまだ青い状態です。葉の部分は香りがよくビタミンが多く含まれます。

新タマネギよりも玉の部分が成長する前、球がピンポン玉くらいの小さな時に早取りしたものは「葉タマネギ」といいます。
葉は長ねぎよりやや肉厚ですが、甘みがあり柔らかいです。葉と小さなタマネギの両方を楽しむことが出来ます。
葉は「ぬた」にすることが多いですが、薬味でも炒めてもみそ汁の具としても美味しくいただけます。長ねぎと同じような食べ方が多いです。

タマネギの保存方法

一般的なタマネギは風通しの良い冷暗所で

一般的な黄玉ねぎは湿度が高いと腐敗が早く進みますので、冷蔵庫ではなく風通しのよい冷暗所で保存しましょう。箱などに入れておくとタマネギ同士が重なって、圧された部分から傷みやすいため、 ひとつずつ新聞紙などで包んだ上でネットなどに入れて風通しのよい場所に吊るすと、なお良いです。

新タマネギは冷蔵庫で

吊るして乾燥させてしまうと、新タマネギが、普通のタマネギになってしまいます。新タマネギは普通のタマネギと違い、畑で葉が枯れる前に収穫しているので、傷みやすく長期保存は一般的には困難です。新タマネギは1個ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れ軽く口を縛り、冷蔵庫で保存しましょう。

  • ① 新タマネギから出た水分を適度に吸収しムレを防ぐためにキッチンペーパーで包みます。
  • ② ポリ袋に入れることで、ほどよい湿度が保たれるようになります。
  • ③ 新タマネギは低温で保存したほうが長持ちするので、野菜室よりも温度の低い冷蔵室で保存します。

※湿気が苦手な新タマネギは、野菜室よりも湿度の低い冷蔵室での保存が適しています。

冷凍保存

生のまま冷凍保存すると解凍した際に離水しやすいので、べちゃっとした状態になります。調理の用途に応じてみじん切りやスライスしてから冷凍しましょう。

西洋のかつおぶし

かつおぶしはうま味成分のイノシン酸が多く含まれており、和食において出汁をとるために欠かせない食材です。
タマネギもうま味成分のグルタミン酸が多く含まれており、スープ等で煮込むとうま味が広がることから、西洋料理には欠かすことのできない食材です。そのことから、「西洋のかつおぶし」と呼ばれています。

分球(タマネギの茎が二つになっている)しているタマネギは芽が伸びてきたりすぐにしなびてしまい長持ちしません。

切り口が太いよりも「細い」タマネギを選びましょう

黄タマネギ、赤タマネギや早どり品種、ミニサイズもあります。タマネギは「西洋のかつおぶし」といわれるほど旨味成分が多いです。

タマネギは根?茎?葉?
これは根ではなく、茎の根元がふくらんで大きくなった鱗茎(りんけい)です。

タマネギの豆知識

タマネギを切ると涙が

タマネギを切ると目が痛くなり涙が出てきますよね。それは「硫化アリル」という成分が関係しています。タマネギを切ると硫化アリルのガスが広がり、目や鼻の粘膜を刺激し、体は粘膜を守るために信号を出し涙で刺激している成分を洗い流そうとします。それを防ぐ方法は、タマネギを冷やしてから切ることです。タマネギが冷えていると、このガスは出にくくなります。また、水につけながら切っても良いです。このガスは、水にとけるという性質があるので、水につけながら切るとガスの量がかなり減ります。また、部屋の換気をよくするというのもひとつの方法です。

ガムを噛んだり、キャンディを舐めながらタマネギを切ると、目が痛くならずに切ることができます。
涙より先に唾液を先に出してしまうのがポイントです!

硫化アリルは、血液をサラサラにしてくれます

目が痛くなる原因の「硫化アリル」は血液をサラサラにする効果があります。動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞などの生活習慣病や高血圧の予防に期待できます。この硫化アリルは「熱」と「水」に弱いので、生で食べると辛いと感じても熱を通すと辛みがなくなります。これは硫化アリルが変化して糖質と反応して甘味になるからです。

硫化アリルだけではなく、「ケルセチン」も知ってください!

「ケルセチン」はポリフェノールの一種ですが、ポリフェノールの中でも特に強い抗酸化作用があります。抗酸化作用により紫外線から肌を守り、アンチエイジング効果も高い成分です。「ケルセチン」含有量は、赤タマネギ、黄タマネギ、白タマネギの順に多いと云われています。またタマネギの皮の部分は、可食部の20~30倍「ケルセチン」が多く含まれていると云われていますので、皮を煮だすのではなく、水に浸けておくだけで「出汁」も出ますので、捨てずに利用すると良いですよ。

おススメは干しタマネギ

天日干し『前』

天日干し『後』

タマネギを切らずに、そのまま干す方法もありますが、僕は切ったタマネギを半日(4~5時間程度)干します。野菜は収穫したり、切ったりしても、呼吸をしています。細胞は生きているので、太陽の光を感じると細胞内の水分を使って糖を作ります。また糖だけでなく、アミノ酸も増やすので、美味しく旨みがギュッとした野菜になりますよ。

太陽の光を浴びると、少し茶色くなります。
これは「ケルセチン」という成分なのですが、抗酸化作用があり、動脈硬化などに効果が期待できます。

時短でタマネギの甘みを出す方法

タマネギはじっくり炒めて甘みを出すのが定番ですが、電子レンジで加熱して炒める、または冷凍したタマネギを直接炒めることで時短できます。

タマネギを炒めると、徐々に細胞壁を壊し水分や辛味成分を飛ばし甘くなります。タマネギの細胞壁は頑丈で壊れにくいので、飴色タマネギを作るのに時間を要しますが、電子レンジを使用してから炒めると、簡単に細胞壁が壊れるので短時間で甘みを引き出すことが出来ます。またタマネギを冷凍すると、細胞内の水分が凍り膨張し細胞壁が壊れるので、短時間で甘みを引き出すことが出来ます。

いつも食べている野菜の、捨てられがちな部分を使ってみましょう

鍋に付いた焦げを簡単に落とすことが出来ます!
焦げが付いた鍋にタマネギの皮2~3個分(鍋のサイズに応じて調整)を入れ、ひたひたになるくらいの水を加えて煮だします。5分~15分(焦げの範囲に応じて調整)煮出して、スポンジなどで軽く洗うと、焦げが落ちます。

タマネギに含まれている栄養素で、タマネギを切ると目が痛くなる原因の「硫化アリル」は血液をサラサラにすることでも有名ですが、この「硫化アリル」と、ポリフェノールの一種の「ケルセチン」が、焦げを浮かすからです。

いろいろなタマネギ

【黄タマネギ】
現在栽培されているタマネギの大半は黄タマネギ系です。

【白タマネギ】
新タマネギとも呼ばれ、外側の薄皮も白っぽく、皮が薄くて形が黄タマネギに比べると平べったい形です。辛味が少なく、水分が多く甘みもあるので、生で食べるサラダに合います。

【サラダたまねぎ】
水にさらさず辛味が少ないので、サラダに適している。熊本県では「サラたまちゃん」の愛称で売り出し親しまれている。

【赤タマネギ】
紫タマネギ、レッドオニオンとも呼ばれ、中の皮も赤紫色です。果肉は白く、白タマネギ同様に辛味が少なくて生食に向いています。

辛くないタマネギ

スマイルボール

旬が秋と冬のタマネギで、且つ、辛みがないので丸かじり出来るタマネギ

【神奈川のタマネギ】下中たまねぎ(しもなか)

神奈川県小田原市東部の下中(しもなか)地区には「かながわブランド」に認定されている「下中たまねぎ」があります。下中地区の粘土質で有機質を含んだ栄養豊富な土壌がタマネギ栽培に適しています。酪農も盛んな地区で、地元畜産農家の良質な完熟牛糞堆肥を使用しているのも、美味しいタマネギができる理由です。早生種のタマネギでやわらかく辛味が少ないので、生で食べるのにおすすめですが、加熱しても甘さが一層引き立つタマネギです。

タマネギ収穫

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